前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田たちは新たに販促課の横山を加え
倉持部長の講義を受けに人事部へ
やってきていました。
第210話:売上は「客数×客単価」
ここまでの倉持部長の話では
販売促進を行った事で逆に
評判を落としてしまい
売上を低迷させたお店の事例を
紹介していました。
倉持
「ここまでの話でお店の状態が
しっかりしていないと販売促進を
行っても意味が無い事は
解ったでしょうか?」
横山
「解ります」
「では、
どのようなプランで進行して行けば
良いのか解りますか?」
「今まで自分が進めてきた経験では
次の様な流れになります」
そう言うと横山は自分の部署の
物販部門の店の販売促進計画について
説明していきました。
販売促進計画を立てる時に
必要な情報が大まかに考えると
以下の様になります。
①店舗の状態や基盤
②商圏範囲やターゲット
③利益計算
飲食店では複雑な
マーケティングを計画するより
効果的で単純な作業を行う方が
効率が良いお店もあります。
特に考え方としては
シンプルに理解して計画的に
取り組めば効果は見込めるので
時間を掛けずにきちんと
考えた方法を採用しなくては
いけません。
目的は
「販売促進=売上UP」という
シンプルな事ですが、
売上はどうすればアップ
出来るのでしょうか?
売上は「客数×客単価」
と言われるように
商品価格である客単価に
来店したお客様の数を掛けて
考えます。
その為単純に考えると
客数を増やせば売上が倍数で
上がるという計算なのです。
逆に客単価を増やしても
売上は上がりますが
ヘタな施策や企画は客数を
減らす恐れもあるので少し
ハードルが高くなります。
まずは売上の要因である
「客数」にターゲットを絞って
計画を練っていかなければ
ならないのです。
まず行う企画の計画を立てて
経費の計算や集客の見込み、
採算が取れるかを精査して
企画書を作ります。
企画は外れる事もありますが
自分のお店の現実的な目算で
儲かるかどうかを計算して
次の様な事も議論していきます。
出来るかどうか?(店の状態)
やるべきかどうか?(時期など)
やったとして固定客は取れるか?
反響予測の為のデータはあるか?
個人経営のお店を経営する
個人オーナーが自分の店の
料理の味に自信があって
「味が良ければいつか
お客様に評価され、お店に
食べに来て貰える時が来る」と
我慢して営業を続けると
固定客が付くまでに膨大な
時間が掛ったり
評判になるまでに赤字経営が
続くかもしれないのです。
大手フランチャイズチェーンが
一般の個人店に味で負ける事は
良くある事だと思いませんか?
でも実際は大手の方が
儲かっている・・・
それは効果的な販売促進や
広告活動を行って計画的、
戦略的なプランがある事が強みに
なっているのでは無いでしょうか。
横山はこの様に話し、
特定の店舗での成功事例の
話を始めました。
つづく