前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田達は人事部の倉持部長の
講義を終え倉持の部下の柏木から
人員採用についての話を
聞いていました。
第180話:アルバイトの面接で合格する人
柏木はアルバイトの面接で
準備不足で不採用になる人の例で
この様に話しました。
柏木
「形だけ取り繕うのもどうかとは
思いますが形でさえも取り繕わない
という人は始めからバイトの
スタートラインにも
立てないという事なのです。」
前田
「じゃあ逆にアルバイトの面接で
合格する人ってどんな人ですか?」
「まず始めに入室して第一印象で、
元気で明るかったり挨拶がしっかり
出来てるかどうかで
期待できるかも…とか
こりゃだめだ…とか
その場で思うものなのです」
「始めの印象が大事なんですね」
「人は第一印象でその後も
その人となりを理解するまで
その印象で進んでいきますから
面接などのその時にしか
会わない人の場合は印象を
悪くしてはならないのです」
「誤解され易い人は損ですね」
「そうです。
でもそれで採否は決まるので
誤解され易い人はそれだけ努力が
必要になるんですよね」
「働きたいって思っていても
表情や言葉に出ない人も中には
いると思うんです、
私もそう言う人間の一人ですから」
「面接官は態度で現れる気持ちの
部分を見ようとしています。
実際の言葉も表現として大事ですが
本当に働きたいと思っている人は
不器用でも面接に臨む態度に
現れるものです」
「そうなんですか?」
「だから前田さんは会社に合格
したんだと思いますよ」
「そう言われるとなんか
嬉しいですけどよく解りませんね」
「前田さんが面接官だったら
仏頂面の応募者と笑顔の応募者が
面接に来ていたらどちらを
採用したいともいますか?」
「それは笑顔の人ですよね」
「そうですよね。
では、その二人に同じ質問をして
それぞれこう答えたのですが
その場合はどうでしょうか?」
今回の採用条件は1カ月に15日以上
シフトに入れる人を募集と
広告に記載しました。
質問
あなたはシフト15日以上勤務
出来ますか?
二人の答え
仏頂面の人
「出来ます。ぜひよろしく
お願いします」
笑顔の人
「はい。大丈夫です」
前田
「こう答えられると仏頂面の
人の方がやる気あるのかなと
思えたりもしますよね」
柏木
「そうです。こういう事から
相手のやる気を判断して
質問の答え方でも差を見極めて
いるんですよ」
「なるほど、本当に頑張って
くれる人はどちらなのかを
見ているんですね」
「それに面接でよくあるのが
応募してきた人の事が
よく解らない場合です」
「どういう事ですか?」
「例えば、
緊張しすぎて何を言っているのか
何が言いたいのか解らず
終わってしまう場合や
自分をアピールしすぎて
何が得意でどんな人なのか
結局わからない人、
質問や希望ばかり言って
条件を気にする人です」
「大人しく黙っていれば
良いんでしょうか?」
「いいえ。逆に一番多いのが
何もアピールしない人です」
「何かわかる様な気はします…」
「でもそのままじゃあ結局
面接官も何も解らないですから
何かしらアピールはするべきで
面接する側はアピールする時間を
取ってあげるべきですね」
「なるほど、そうですね」
「合格して採用する人で多いのは
条件があっても歩み寄ってくれる
人が多いですね」
「応募する側が我慢するんですか?」
「基本的に面接で採用の場合
会社側が思う人材を採用する
という訳なのでアルバイトが
歩み寄らないといけません」
「無理な場合は他を探せって
事なんでしょうか?」
「会社は決めている条件の中で
歩み寄れる範囲がありますから
その範囲の中でなるべく
働いて貰える人の条件に沿って
採用しようとは考えています」
「まあ人によっていちいち条件を
変更は出来ませんよね」
「アルバイトの人に面接の
アドバイスするなら気持ちの
準備と形の準備をして素直に
取り組む事が一番ですね」
「採用する側にはアドバイス
何かありますか?」
「先ほどの様にやる気や
気持ちの部分を質問から
読みとって将来的な成長や
お店の姿をイメージして面接に
臨むと良いと思います」
「解りました。
勉強になりましたー
有難うございます」
本田承太郎と前田は
人事部でアルバイト面接の
基本的なアドバイスを受けて
面接や採用方法を学びました。
それを受けて今後取り組む
新規事業でお店を任せる店長に
教育する為のマニュアルを
作成する事になったのでした。
つづく