前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田達は人事部の倉持部長の
講義を終え倉持の部下の柏木から
人員採用についての話を
聞いていました。
第172話:もっとメリットのあるもの
柏木は
居酒屋と一般の企業が共同で
人員募集を行っている珍しい
取り組みの事例を紹介してします。
柏木
「飲食系では無い企業で
居酒屋と提携して募集を行う
珍しい事例があります」
そう言って
説明するのはある企業が行っている
募集の仕方にありました。
その企業は大学生が新卒で
採用される為に就職活動の補助を
行う取り組みを行っていました。
前田
「就職活動の補助?」
就職活動では何度も行われる面接が
大きな判断基準になり、
その印象で成否も変わってきます。
苦労して勉強してスキルや活動を
行ってきた大学生活でも最後に
自分をアピールする技術を身に
付けなければ
就職すると言うスタートラインにも
立てないのが今の厳しい
就職難の時代なのです。
その為企業も様々な取り組みを
行っています。
自分の希望する企業に入社出来る為に
行う就職活動そのものも
メリットとして利用されるように
なってきたのです。
例えば、
その居酒屋や提携企業は
より良い人材が欲しいので
お店やその企業を最終的に選んで貰う
確率を挙げる為にメリットを
加えて行きます。
柏木
「これまでに紹介してきたのは
採用御祝金等の募集に応募する事で
貰える即効性の取り組みですが
就職活動を行う大学生にもっと
メリットのあるものとは
何でしょうか?」
本田承太郎
「就職活動における特典や
アドバイスなどでしょうか?」
「そうです。
採用人事の話が聞けたり
面接訓練等のセミナーを
受けられたり
実際の採用担当が何を考えているのか
アドバイスを貰える事です」
その居酒屋に在籍する事で
そう言った特典が受けられるとなると
お店では社会人として
実戦的なサービスを学べ、
就職する為のスキルも身に付く
学生にとっては魅力的な
環境となりますし
普通にお金をためると言う事に加え
自分の将来の事を見据えた活動に
なるので仕事の熱の入り方も
変わってくるのです。
居酒屋は環境と特典を与え、
モチベーションの高い人材を
育てつつ確保できて、
提携企業は人事のセミナーや
アドバイスを行う代わりに
居酒屋で育てられた
有益な人材を優先的に選別できる
システムとなっているのです。
前田
「なるほど~。
私も学生の時にそんなバイト先が
あったらと思ったら
羨ましいですね」
前田の言うように就職活動は
孤独で正解が見えないものです。
より実践に近い環境で
人よりも数倍練習出来て
アドバイスやポイントが聞ける
とすれば、
多少の報奨金を貰えるお店より
将来的に長くモチベーションの高い
人材が確保できるというものです。
柏木
「少し脱線しましたが、
話を戻して、
飲食店でのアルバイト採用の
注意点を説明していきます」
柏木はそう言って
次の説明に入りました。
つづく