第165話:歩留まりとは何ですか? | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。


第165話:歩留まりとは何ですか?

倉持の講義で出た話について
参加していた前田から
こんな質問がありました。

「歩留まりとは何ですか?」

講義の中で出た「歩留まり」という
一般には聞き慣れない言葉は

飲食の世界ではよく使われる
「材料のロス部分」の事を指します。

普通に使われるこの言葉の意味では

「生産された製品の不良品では無い
出荷できる製品の割合」

という考え方です。


商品を工場などで生産すると
中には不良品や不具合から
出荷できない状態の物も
中には出てきます。

それに掛る費用を差し引いて
計算された物を歩留まりと呼びます。

要するにロスを計算された
状態の事ですね。

しかし飲食業界では
この「歩留まり」をロスとは
考えない場合が多いようです。

例えば、

お寿司屋さんでマグロの握りが
メニューにあると1匹から取れる
すしネタの量を計算して
購入価格と売価を決めますが

この時にマグロの身の部分だけで
原価計算が行われ販売価格も
ここから決まります。

つまり残った部分は計算に
入りません。

残るのは骨や頭や内臓なので
当然だと思う方もいるかも
しれませんが

「マグロの兜焼き」とか
「マグロの目玉」とか
「マグロほほ肉ステーキ」
というメニューを

お店で見た事は無いでしょうか?

実はこういった商品は歩留まりに
含まれず費用0円で作られる
原価率0%のボロ儲け商品
だと言う事なのです。

ただし、

その商品を販売する計算で
メニュー構成やメイン商品の価格が
決まっている場合があるので

「ボッタくり」と言う事では
無いので注意して下さい。


飲食店ではこの様に
歩留まりをお金に変える事も
工夫され施策になっている事を
知ると他にも色々な所で

原価率0%商品が世の中には
ある事が解ります。

例)
鯛の潮汁
荒煮
ブリカマ塩焼き
大根の葉の漬物
おから


大きな企業ではそう言った
ロス部分でも計算に入れて
考えらたり

そう言った部分を買い取って
専門的に販売する場合もありますが
個人店では売上の大きな助けになる
儲けの部分となります。

前田
「なるほど~。
0円で商品になるってお得ですね」

倉持
「聞くと得なように感じるかも
しれないけど、
普通に計算される売上だから実際
それほどボロ儲けではないのよ」

倉持の言うように
儲けにする事も出来る場合は
僅かでそれなりの工夫も必要に
なってきます。

実際の販売する商品以外での
使い道は、

スープの出汁に野菜の皮を
使ったり、

スタッフの「まかない」に
食材のヘタを利用したりします。


現在の飲食店は
営業努力で工夫され利益やロスを
考えて対策を取っているお店も
多くそれでも価格で負けたりする
激戦の時代なのです。

倉持
「皆さんに聞きますが実際のお店で
考えられるロスの種類は何があるか

あなたが店主なら把握して
おかなければなりませんよね?」

そう言うと倉持は
ロスの種類をグループで
挙げるように指示しました。


つづく