第155話:シフトを人時売上から作成する手法 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。


第155話:シフトを人時売上から作成する手法

倉持は働く人員のコントロールと
シフト作成の難しさを説明した所で
講義に参加した全員に

実際のお店のシフトを予算に合わせて
作成してみるように指示しました。

実際にシフトを作成するときに
気をつけるポイントは何でしょうか?

普通忙しさの状況に合わせて
必要な人員を配置していくだけの
シフト構成を作って

暇なら絞り、忙しいなら補充するか
一人当たりの負担を増やして
対応する感じなのでしょう。

現場責任者であればこの程度で
構いませんが

オーナーや管理職の人間は数値で
現状を分析しなければ問題点が
ハッキリ見えてきません。

店長が現場責任者を担う様な
現場であればその両方を
一人で管理しなくてはいけない
ということになります。




シフトの予算を作る場合、
人時売上を把握して作成する方法
人件費率から作成するという
場合があります。


人時売上とは1時間当たりで
スタッフが売り上げる
売上金額の事
を言います。

スタッフが10人いて
1時間に10万円売上があると
人時売上が1万円有ると言う事です。

この数値でお店の忙しさや
コストパフォーマンスを図る
指標にしてシフトを作成します。

過去の傾向からお店の忙しさと
状態を把握して理想的な人時売上を
把握しておきます。

普通の居酒屋などは
~5000円くらいで儲けの状態が
良いお店が多いとされます。

例えば、

この5000円を基準に人時売上から
シフト予算を考えてみます。

手順


年間予算から1カ月単位に割り振った
月間予算を人時売上の5000円で
割ります。

予算400万の場合
4000000÷5000=800


出た数値がシフトに使える労働時間
なので800時間を1カ月の中で
割り振ってシフトを作成する。

シフトを1カ月単位で作成しない
というお店はシフトを作成する
期間で売上を割って考えます。


シフト=1カ月に2回作成
予算400万を2回に分けて
人時売上で割り、

出た時間数で使えるシフト時間を
割り出します。

この時の注意点は予算400万を
単純に2回に分けて200万
と言うのではなく


1日ごとに割り振った予算を
半月なら半月分足した額を
半月分の予算とします。

これは、

週末や月末などで通常の売上と
誤差があり予測できる売上の
上下を考えると

1カ月の中で上旬と下旬の
売上額に差が出る事が
あるからです。

1カ月の後半に売上が高くなって
行くお店は当然予算の割合が
後半高くなりますし

使える労働時間数も増える
と言う訳です。


考え方

1週間単位でシフトを作る店なら
1週間で売り上げる金額が予算で
決まっています。

その1週間分の予算に見合う
労働時間を割り出します。

出た時間数を1日の予算に合わせ
割り振ります。

1日の使える時間数が出ます。

その時間内でスタッフの
シフト作成を行っていきます。


簡単に言うとこの様な感じに
なりますがこの中には
休憩時間やアルバイトの時給など
細かい計算をしていく
必要があるので

専用の帳票を用意して
計算し易い態勢を作っておく事が
シフトと予算作成時に
悩む時間を減らす事になります。

人件費を合わせる作業が出来る
という人は

売上の予測が出来ていて、
スタッフを使える時間数を
把握していて

上限をオーバーして使わないから
売上が上下しても人件費が
予定どおりに設定値に合うのです。


倉持はシフト作成を人時売上から
作成する手法をこの様に
説明したのでした。

つづく