第137話:人の集中力は3分しか持たない | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
課題として総務の板野次長の所に
講義を聞きに来ていました。


第137話:人の集中力は3分しか持たない

板野次長は新入社員の研修として
話し方・聞き方についてを議題に
「相手に聞いて貰えない話」
していました。

本田の指示で前田は新入社員に混ざり
研修を聞きに来ていました。

そしてその話で、
態度や話し方の欠点についての
対策を立てた所で、
「内容の組み立て方」についての
話を始めていきます。

板野次長は相手に聞いて貰いやすい
基本的な話し方の条件をこの様に
言います。

・簡単さ(聞き手が解り易い)
・起承転結(本筋と結論がある)
・具体性(データや実例)
・結論(結局どうなのか)
・言葉(敬語や口調のチョイス)


板野次長
「話が上手い人と言うのは、
会話する中で一瞬で話の内容を考え
全体をまとめて

どういう話をするかイメージして
話し始めます」


要するに話し始める時には、
話の「オチ」が決まっている、
ネタの様な話が毎回出来る人が
話の上手い人だと思えば解り易い
でしょう。

相手に聞いて貰いやすい話し方の
もう一つの条件として、
「ユーモアがある」と言う事が
あります。

「ネタ」の話の様に始めから
面白い話に持って行くのでは無く
話の本筋を外さないながらも

聞き手に共感したり誘導したり、
「あるある」と思わせて
思わず笑わせたりする事で
話に深く興味がでるのです。

ただデータを並べて説明するより
面白い例え話を言われる方が
頭に入り易い事ってありますよね。

そのような頭に入り易い話には
ちゃんと実例や結論と言った、
「聞いて貰えやすい話」の条件
含まれているのです。

これは訓練ですが、
放そうと思った瞬間に、

①まず結論を決めます。

②次に例えや事例を思い出します。

③結論に繋がる話し出しを決めます。



これが一瞬で出来ると
簡潔に話すだけで相手に伝わり易く
なっていきます。

簡潔に話す事の条件として、
制限時間を「3分以内」とします。

これには理由があって、
「人の集中力は3分しか持たない」
と言う事が挙げられるからです。

その事を理解している
長い講義の話し手や、演説を行う
人達は上手く「3分」の話を
繋げて時間を取っている
のです。

つまり、
要点を理解できる話を3分で
まとめる能力が話をするコツ
だと
いうわけなのです。

アメリカ合衆国大統領の
エイブラハム・リンカーンが
名演説と言われていますが
その演説も2分だったそうです。

そして最後に必要な条件は、

「熱」です。

熱は「アツさ」「想い」「気持ち」
といった感情的な部分の事です。

話す時に自分に「熱」が入っている
と言う時の話は相手に勝手に
伝わります。

これは「激怒」「説教」の様な
ネガティブなアツさではダメです。

話す本人が楽しくなっていると
効果が発揮されます。

激怒や説教でも、
何でこんな初歩的なミスを
するんだ!」
というような
嘆かわしいと思っている場合と

「どうやってこいつを一人前に
してやろうか!」

という前向きな目的意識がある
場合の熱では違うと言う事です。

つまり後者には達成した時の
展望や喜びがあると言う事です。


板野次長
「誰でも上手く話せる訳では無く
話し方や性格にも個性があります。

その中で自分に合った話し方で
訓練や経験を積めば

人に自分の想いをより伝える事が
出来ます。

この事は軽視する人が多く
あまり練習する人が多くないかも
知れないですが、

話し方一つで自分の環境を
変える事が出来る

訓練で得られる
立派な能力なのです。」



普段仕事でも話し方をそこまで
気にしている人は少ないかも
知れないですが、

ちょっと気にするだけでも
違いは生まれ、
仕事環境、人間関係、恋愛等にも
効果は表れます。

自分は人付き合いが良い、
話すのは得意だから大丈夫」

思っていても

実は「上手」では無いのかも
知れないので実践すれば
大幅な成長のチャンスがあるかも
知れません。

板野次長が言いたい事は、
「自分のアツい想いを効果的に
伝える事が出来れば
効果が倍増する」
という事でした。

板野次長はそう締めくくり、
最後に会話のスキルについての話を
話し始めました。

つづく