第136話:相手に聞いて貰えない話 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
課題として総務の板野次長の所に
講義を聞きに来ていました。


第136話:相手に聞いて貰えない話

板野次長は新入社員の研修として
「人に伝わる話し方」の話を
していました。

続いて板野次長は悪い事例を挙げ、
「相手に聞いて貰えない話」
どういうものなのか説明しました。

板野次長
「皆さんが聞く立場だとして、
あまり耳に入って来ない話を
イメージしてみて下さい。」


【態度】
【声】
【内容】


こういった部分で
何を言っているのか解らなかったり
聞きとりにくい声の大きさや
話し方だったりしませんか?

具体的な例で言うと、

【態度】

・相手の目を見ない
・人を見下した話し方
・一方的に話し続ける
・話す姿勢や振る舞い
・元気や明るい感じが無い
・他に動作しながら話す

【声】

・話が早口すぎる
・声が小さい
・棒読み
・同じ話を繰り返す
・敬語が使えない
・「え~」などのクセが多い
・語尾が尻すぼみになる

【内容】

・結論が不明な話
・長々と話して内容が薄い
・前置きが長く良く解らない
・専門用語が多い
・相手が聞きたい事を話してない
・具体的な話が無い


話が上手くないな~と思う人が
近くにいるならこんな事を
感じたりしていませんか?

または自分がこんな事を誰かに
指摘されたり、

自分に思い当たる節があるなら
相手にとって「聞いて貰えない話」
となっているのかも知れません。

もし自分に当てはまっていても
気にする事はありません。

人には個性があって強みを
プラスに作用させる事が出来れば
簡単に帳消しに出来ます。

例えば、

態度や話し方もガラの悪い感じだが
熱意や情熱だけは強力に感じる
説得力がある先生
とか
いませんでしたか?

他にも、

頭は悪そうだけど信頼できる。

とか、

人を悪く言うけど筋が通っている

など、

個性に勝る強みはありません。


ただし、

それは個性をプラスに作用
出来ている人の場合だけ
です。

何も考えなくてもそれが出来る
という人もいますが、

自分がそうだと感じていないなら
そうなる為の努力が必要です。

自分たちがこの例の様に
個性をプラスに作用させるには

①自分のマイナス部分を知る
②自分の強い部分を知る
③訓練と経験を積む


というステップが必要となります。


相手に聞いて貰えない話の
事例であったように、

どのように自分が
マイナスイメージの話し方を
しているかを知ることが先決です。

自分の個性や強みを知る為には
グループディスカッションなどで
お互いに話し合い、長所や
短所を伝え合う事が有効です。


この様に説明した板野次長は、
全員を何名かに分けて
実際にグループディスカッションを
やらせてみました。

板野次長
「話の内容は世間話でも何でも
かまいませんが誰かが、
まず議題を決めて話して下さい。

普段の通りの話し方で
包み隠さず話さないと短所が
見えてこないので恥ずかしがらず
自分の普段通りの話し方を
して下さい。」


グループディスカッションが
終わって板野次長が再び
説明を始めます。

板野次長
「いきなり上手くは行きませんし
自分の話し方を出せない人も
中にはいます。

その場合でも短所は見える
はずで積極的では無い部分などを
指摘して下さい」


そう指示され全員がお互いの
短所や長所を指摘し始めました。

「注意点としては、
指摘する時に相手を嫌な気持ちに
させない事です。

アドバイスや主観は要りません。
事実だけを伝えて下さい」


普通に話し合うと自分は出来て
相手が出来ていない事を
指摘していくので、

指摘される方は出来ていない事を
注意される様な形になります。

直した方が良い場合が多いですし
自分でもコンプレックスに
思っている事が多いですので
言われた側は怒られてる気分で
良い気はしません。

だから、
板野次長は主観やアドバイス等の
余計な事を排除して事実だけを
伝えるように説明したのです。


そうすると赤の他人に言われた
事でも「事実だけ」なので
受け入れやすくなるのです。

そしてまずは指摘された話し方の
短所を自分でメモして、
普段の話し方や会話で気をつけ
意識していく事から
始めて行くと良いでしょう。

特に仕事の会議や発表、
大勢の前に立つ場面では
この時の注意点を振り返り
気をつけるだけでも
違いがあります。

ですが本当に毎日意識して
毎回話す時に気をつけないと
つい癖で普段通りの、

「相手に聞いて貰えない
自己満足の話し方」

戻っているかもしれません。

会話を楽しんだりする中でも
頭の片隅から放さない事で
自分に身についていずれは
「良い癖」になります。

板野次長はこの様に話し、
訓練方法を伝えていきました。

態度や話し方の欠点についての
対策を立てた所で、

板野次長は
「内容の組み立て方」についての
話を始めて行きました。


つづく