本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
本田からもうひとつ課題を与えられて
いました。
第135話:人に伝わる話し方
本田承太郎の部下である前田は、
本田が研修期間中の課題を
与えられていました。
その一つが
「人に伝わる話し方」を身に付ける。
と言う事です。
前田はもともとネガティブで人と
コミュニケーションを積極的に取る
タイプでは無い性格でしたが
仕事上必要な事はこなしていたので
自分では問題ないと思っていました。
研修前その前田に本田は、
「話し方について学べる機会を
作っておいたから総務の板野次長を
訪ねて話を聞いておいて欲しい」
と、言っていました。
今日はその板野次長と面談する日で
前田は総務を訪ねていました。
板野次長
「前田さん。
本田から話は聞いているよ、
今日は他の事業部からも何名か
同席して講義を行うので一緒に
参加して欲しい。」
そう言われると前田は板野次長の
特別講義を受ける事になりました。
この講義は新人社員に研修を行う
という主旨のもので参加しているのは
新入社員候補の採用者たちでした。
板野次長は、
「話し方・聞き方」という議題で
話を進めて行きました。
板野次長が参加者に質問します。
「説得力のある人間と言えば
どんな人を思い浮かべるでしょうか」
誰も応える人間はいません。
「では、そこのキミ。
芸能人で説得力のある人は誰が
思い浮かびますか?」
「お笑い芸人で番組の司会もやってる
千原ジュニアさんが私は話しが
上手だと思います」
「松本人志さんのすべらない話とか
有名で芸人さんは話が上手ですよね。
では他の著名人では誰が
いるのでしょうか?」
そう言って板野次長は次の参加者を
指名しました。
「私は個人的には、
小泉元総理とか池上彰さんが話し方や
説得力があると思います」
「なるほど、確かに人を納得させると
多くの人に評価されている人物ですね」
板野次長は、
ホワイトボードに書きながら説明を
続けて行きます。
説得力のある人物とは、
「強要された言葉では無く、行動に
繋がる力を持つ人の事」を言います。
それは、話し方が上手い人だけが
その条件に当てはまる訳では
ありません。
行動だけで人よりも多くの
メッセージを伝えられる人物も
自分の周りを振り返るといるはずです。
話し方や言葉の使い方にも個人差や
個性があって人それぞれですし、
伝わり方も置かれている環境によって
変化していきます。
板野が言うには、
説得力のある人は言動だけでなく、
行動や身ぶり、表情や声など様々な
条件で話を聞く人を納得させる力が
あると言います。
では、話し方を磨く為に
どうすればいいのか?
1解り易さ
2信頼
3共感
板野次長はこの3つのポイントを
書き出し説明しました。
解り易さ
難しい用語をあまり使わず、
伝えたいメッセージをまとめて
論理的に話が出来る事。
信頼
話をする中で相手から信頼を得て
行く事で更に納得させる。
納得するだけのデータなど。
共感
説得力がある話とは「話し」なので
人が使う言葉の力です。
つまり人どうし感情が大きく
左右するので自分の話を相手に
共感して貰う必要があるのです。
ここで板野は質問をします。
「あなたはコミュニケーションが
他人よりも得意ですか?
また、人を納得させる話を
出来る自信がありますか?」
参加者の多くは
「自信はありません」と答えました。
そう聞かれて自信がある人間は
当然多くは無いでしょう。
「説得力のある話し方や上手く
話を話せるようにしたいですか?」
この質問には全員が「はい」と
答えました。
研修だから当然かもしれませんが
半分本心でしょう。
ではなぜみんな上手く話がしたいと
思っているのでしょうか?
人には
「他人に良く見られたい」という
願望や欲求がどこかにかならずある。
ということです。
人前で話せるようになる事や
他人を納得させられる事は
・堂々と落ち着いて話せる
・劣等感から解放される
・説得力があると周りに思われる
・人に認められる
・人に好かれる
・リーダーシップを取れる
・仕事や環境が楽しくなる
このような事がイメージできると
思います。
実際に話が上手くできる人は
こう行った環境を作っていく事が
できます。
でも
実際は自信が無い…
人前で話す時に緊張することは
あたり前なことでしょう。
失敗した時のイメージを想像して
恐怖感や苦手意識を感じている事は
現状分析が出来ている事になります。
むしろ、
恐怖感を感じず失敗する人の方が
問題は大きいのではないでしょうか。
発する言葉は自分の人生を
反映していると言いわれ
一つのことば、一つの失言で評価が
一変していく事もあります。
それは私たちが
コミュニケーションによって
人間関係を築いている証拠なのです。
問題は、
「嫌でも避けられない」と言う事です。
ひきこもりで他人と触れあう事を
極端に嫌がる状態で無ければ
普通の社会生活において他人と
会話やコミュニケーションを取る事は
避けて通れません。
全くの他人でコンビニで買い物一つ
するだけでも、
「弁当温めますか?」
「はい」
と言うように会話が成立しています。
「人生で避けて通れない事があるなら
プラスに変えて楽しく過ごせるほうが
良くないですか?」
そう皆に問いかけて板野次長は次の
「相手に聞いて貰えない話」について
話し始めたのでした。
つづく
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