前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
あるお店の成功事例を取材しに来て
店長の峰岸に話を聞いていました。
第128話:売れ筋商品の販売促進
ここまで峰岸店長は前田に飲食店の
メニュー構成について
1お店のジャンルを専門店にする。
2看板料理(その店だけの)を作る。
3売れ筋商品の特化
と言う事をしていました。
お店では看板商品を作る事が
繁盛店になる為のポイントだと
峰岸は説明します。
そして、
看板料理が売れ筋の商品となった時に
販売促進していく事で販売占有率が
拡大していきます。
4売れ筋商品の販売促進
メニューの表記でよくあるのですが
「お薦め料理」や「店長オススメ」と
見かける事は無いでしょうか?
メニュー表の目的はお店の商品を
紹介するだけではなく、
料理の魅力やカロリー表記、
売上№1のアピール、季節商品の
おすすめなどの色々な特徴や
アピールポイントを表記できます。
居酒屋でただの紙に文字だけで
メニューが書かれているお店と、
写真付きで、お薦め料理や
商品の説明などが魅力的に書かれて
アピールされているメニューでは
商品の売れ方が違います。
「結局客数が同じなら売上も
大差無いんじゃないのか?」
これは間違いで、
売りたい商品にメニューから
誘導する事で売上高は大きく
変化していきます。
例えば、
寒い季節に美味しいもつ鍋専門店の
看板メニューが
「味噌もつ鍋¥1980」
だったとします。
文字だけの表記でメニューに、
・もつ鍋¥1500
・味噌もつ鍋¥1980
・カニもつ鍋¥2980
と、書かれていたとすると
一番安いもつ鍋¥1500が
売れてしまいます。
理由は、
文字の表記ではお客さんの印象で
「もつ鍋に味噌が入っただけで
500円UPは高いな・・・」
というイメージになるからです。
実際には、
味噌もつ鍋にはツクネや具材が増えて
豪華な内容なのですが
残念ながら伝わらない事で売上も
少なくなります。
文字表記で
・味噌もつ鍋¥1980を
・名物味噌もつ鍋¥1980とか
・当店自慢の味噌もつ鍋¥1980に
変更するだけでも誘導率が高くなり
注文数は増えて行きます。
さらに写真や説明、
こだわりのポイントや楽しみ方を
記載してあげるともっと注文は
増えて行きます。
この様に販売数を促進させる為の
取り組みを販売促進と言います。
出来上がった看板メニューに
こう言った販売促進をいろいろと
仕掛けて行く事で主力商品に
注文が集中し
看板商品のクオリティ維持の
相乗効果も得られます。
注文が増えると言う事は商品の
回転率も上がっているので
常に新鮮な食材が使用されると
言う事なのです。
販売促進には色々な方法があって
お店独自の取り組みも工夫次第で
生まれて行きます。
・店内に貼られているPOPや
ポスターなどのアピール
・店員からオススメされる
・その商品専用のクーポン券がある
・広告やチラシに記載されている
・スタンプやポイントカード
このような取り組みは普段から
よくお店で見かけます。
広告やポイントカードには
来店頻度を上げる目的もありますが
主力商品の販売促進にも使えます。
あるお店ではこういった
メニューの表示変更によって
1日の平均で
1500円の商品販売数が100個売れて
1980円の商品販売数が20個売れる
お店だったのが
1500円の商品販売数が20個売れて
1980円の商品販売数が100個売れる
逆転になったケースがあります。
売上に換算すると同じ客数で、
1日48000円もの売上差があります。
もしこれが一カ月続くと、
1500円100個で15万×30日=
450万円の売上
1980円100個で19万8千×30日=
594万4千円の売り上げで
差額が144万円も開くのです。
この数値がどこのお店でも
行っている理由なのです。
当然、
主力商品でそれだけ売る為には
ありとあらゆる販売促進で商品を
アピールして、
満足度も高まるようにクオリティも
上げ続けなければいけません。
そうすると何もやっていない
お店と比べるとそれだけの
差が出来る事になります。
逆に何もやらないとそれだけ
差がつけられているのかも
知れないと言う事なのです。
続けて峰岸店長はメニュー構成で
商品の価格の話を始めました。
つづく