本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
あるお店の成功事例を取材しに来て
店長の峰岸に話を聞いていました。
第122話:メニュー作りの構成ポイント
前田は峰岸店長に王道メニューと
看板料理の違いを聞いていました。
峰岸店長が言うには、
・王道メニューはお店のジャンルで
どこでも置いてある定番料理。
・看板料理はお店が最も売りたい
自信のある料理。
という事でした。
峰岸店長
「以前からお店のメニュー変更では
販売数の少ない売れない商品を
新メニューと入れ替える形で
半年に一回全体の4分の1位の
品数を変更していました。」
前田
「売れない商品は人気が無い商品
ということだから新メニューに
入れ替えると効果的ってことなの
でしょうか?」
「実はそうでもありません。
結局、人気のある商品も
売れない商品もお店という【枠】の
中のくくりで順位付けされている
だけなので
メニューを入れ替えてもまた、
お客様の中で新しい順位が付いて
売れない商品が出てきます」
「全部売れると言う事は
あり得ないという事なんですね」
峰岸店長は開店当初、
自分の経験からの売れ筋商品を
メニューに揃えて販売して
更にメニューの入れ替え時に
自分の店の売れない商品と他の店の
売れ筋商品を入れ替えて行く事で
人気メニューばかりになると
思っていたそうです。
例えて言うなら、
野球で4番バッターばかり集めて
強力な打線を作っても
ピッチャーや守備、走力といった
重要な要素を持っていなかったので
ちゃんと戦略を練った総合力の
チームに敗れるといった事例を
よく聞くと思います。
つまり、
定番の人気料理ばかり揃えても
お店が人気になるわけではないと
言う事です。
峰岸店長はこの事に気付いてから
自分の考えを改めてメニューを
変更する為に試行錯誤しました。
そこで得たメニュー作りの
構成ポイントはこの様になります。
1お店のジャンルを専門店にする。
2看板料理(その店だけの)を作る。
3売れ筋商品の特化
4売れ筋商品の販売促進
5中心価格の設定
6価格帯や平均単価の明確さ
7変化するメニューの作成
【お店のジャンルを専門店にする】
大手フランチャイズのファミレスや
食べ放題などの何でも置いてある
「品揃え勝負」のお店と戦っても
作業量・品揃え・価格においても
戦う前からコスト面で負けます。
残る味勝負に持って行きたいところ
なのですが現実は甘くありません。
専門店というのは中華料理を
ラーメン屋にするという単純な
事だけでは無くて
ラーメン店の味噌ラーメンだけに
特化したお店にして、
更に
チャーシューを乗せている
お店の中で一番美味い
チャーシューを出せるお店
という様な
何万店とあるラーメン屋からかなり
絞りこんで差別化出来るポイントを
探って戦っていくのです。
イタリアン・カレー専門店、
韓国料理・すし店etc.
最近の専門店はもっと絞り込んで
考えています。
イタリアンでも地方を限定するとか
カレーでもスープカレー専門とか
韓国料理ならプルコギ専門店など
工夫して考えるお店も
増えているのです。
例え自分に才能があっても競合が
強い激戦区で勝負すると独り勝ち
する事はなかなか難しいです。
競合の少ないポイント、
地域や価格、メニューなどで
穴場ポイントを探っていけば
独り勝ちする事も出来ますし
腕のある人ならなおさら
人気店にする事も出来ます。
【看板料理(その店だけの)を作る】
看板料理とは売りたい商品だと
峰岸店長は言いました。
でも看板料理の条件としては
売れて、人気が出て、毎回頼まれて
話題になって初めて「看板料理」に
なります。
つまり作った時点では看板料理では
ありません。
目標としては、商品の完成度を
極める努力は当たり前なのですが
販売数を増やす努力もしなくては
人気料理になりません。
ひとまず目指す販売数は商品の
26%以上売る事を目指して下さい。
つまり4分の1以上看板料理で
売上を作ると言う事です。
この数字は少ない様で実は
驚異的な数値です。
ドリンクもサイドメニューも
全て含めて考えると8割のお客様に
売れないとこの数字にはなりません。
その為にはちゃんとアピールも
オススメもメリットも全部伝えて
全員で努力しなくてはいけません。
なぜ26%なのかというと、
統計的に26.1%の市場占有率を
超えた商品の業績は拡大する事が
証明されているからなのです。
スマホでも日本では普及が
遅いとはいえ26.1%を超えて
50%以上になっていますし
過去の多くの事例から
看板商品が目指す販売占有率の
指標となっている数字です。
簡単に言うと、
自店の看板料理が26.1%以上の
売上を獲得すると人気商品になって
売上が伸びて行くと言う事です。
峰岸店長
「私はこの看板料理を作る事を
念頭に全てのメニュー構成を
一新して考えるようになりました」
前田
「他の人気メニューを捨てたって
事ですか?」
「まあそうですね。他の料理も、
もちろん自信がありますが
看板料理をいかに出せるように
するかを工夫したメニューを
考えるようになりましたね」
峰岸店長は続いて
売れ筋商品の特化について
話して行きました。
つづく
- “看板メニュー”で繁盛飲食店にする法
- ¥1,785
- 楽天