第120話:まず一番大事なのは人命優先 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田たちは新事業の為に倉持部長から
リスクマネジメントの講義を受けて
いました。

第120話:まず一番大事なのは人命優先

倉持は本田承太郎と前田にここまで


リスクマネジメントの項目で

・金銭管理
・クレーム対応
・衛生管理


について講義を行いました。

倉持はそれに加えて例外的事例で
命に関わる問題があると言います。

倉持
「本田君は資格を持っているから
既に知っていると思うけど、

お店を経営する時に必要な知識で
重要な資格と言えば何があるか
解るでしょうか?」


前田
「食品衛生管理と調理師免許の
資格ですよね?」


倉持
「飲食店以外でも必要な知識で他に
重要な資格と言えば何でしょうか?」


本田
「前田、お店に入った時に目に付く
よく見かける物を考えてみろ」


「あ、営業許可証ですか?」

「違います」

「う~ん、解りません…」

「答えは火元責任者ですね」

「そう、防火管理責任者と言って
店頭によく火元責任者のプレートを
見かけたりしますよね?」


「ああ、そう言えば…」

「飲食店でも30人以上の客数の
キャパがあるのであれば
資格を取っておく必要があります」


倉持は日々の営業の中で、
計器の故障、火の始末、ゴミからの
引火などで火災が発生する場合も
営業の中のリスクとして考える
必要があると言います。

30人以下の客数であっても防火管理の
対処法や知識を身に付けて
お店を守ったりお客様を守る事は
最低限必要な知識なのです。


火災発生時に適正な対処が出来ないと
お客様や従業員や自分の命の危険が
生じるので管理責任と火災時の
対応でパニックにならないように
今の内から学んでおく事が大事です。

普段営業中の問題発生時には経験で
対処できる人でも災害時の対応とは
経験値も少ないと思いますので
予備知識が必要なのです。


「まず一番大事なのは人命優先」

火災に限らず地震や倒壊、事故などの
災害時の大事な事は人の命を守る
という事が最優先となります。

経験値の無い人が突発的な状況に
置かれると「パニック」に
なってしまいます。


ですが責任者がパニックになって
判断を誤ってしまうとお客様は更に
パニックになり収拾が付かなくなって
とても言う事を聞いてくれる状況では
無くなります。

もし、
事故や災害が起こってしまった場合は
どんな時でも管理者として
冷静な対応をする事が責任なのです。

「まずは冷静になって人命を優先する
という事なんですよね」


火災時の対応としては、

火災発生・非常ベル

火元確認(初期対応)

初期対応で他の火を消す、ガスを切る

消防署・建物の管理者に連絡

お客様の安全確保・避難誘導

従業員の避難・初期消火

会社の重要な物の持ち出し

避難誘導や消火活動

緊急連絡先に連絡

消防の消火活動に協力

復旧活動

この様な手順を考えて事前に作成し
スタッフも把握しておく必要が
あります。


火災が発生する可能性がある場所や
メンテナンスが必要な機材のチェック
避難経路などの確認や動作チェックを
定期的に行い、

消火器や非常ベルなどの設備や備品の
メンテナンスも確認しておかなければ
いざという時に使えない場合も
あるので注意が必要なのです。

前田
「いざという時に使えないって
どういう事なんでしょうか?」


「例えば消火器なら使用期限が
あることは知っているでしょうか?」


「知りませんでした」

「お店で火災が起きないからと言って
置きっぱなしで何年も放置してあって
火災が起きた時に使えなかったら
怖いでしょう?」


「はい…すごく怖いです」

「他にも命を守る設備として最近
よく聞くのはAEDじゃないかしら?」


「AEDというと心臓発作の時に
使うヤツですか?」


「そう。大きな商業施設やコンビニ、
スポーツ施設などにも設置が増えて
きている事から

飲食業界にも設置出来るお店が
増えても良いし

管理者は隣接する施設等で設置個所を
事前に把握しておけば

もし店内でそういう事態が
起きた場合でも対処できるかも
知れないでしょう?」


「そうですね、
もしも自分がそういう場面に遭遇したと
考えると怖いですね。

対処できなかったとしたら
すぐ近くにAEDがあって使い方や
設置場所を知っていれば助かったのに
って後悔する事になりますよね。

その事を考えたら
事前に知っておくべき事ですよね」


倉持が説明する様に、
震災や火災などの災害時の緊急対応や
病気・事故などの対処についても
ある程度学んで備えておく事が
これからの管理者には必要な事なのかも
知れません。

リスクマネジメントでは
予想できる問題を事前に対処したり、
発生時の対処法を用意しておく事が
目的
なので

普段のニュースや事件からも
どんどん吸収して対処法や問題提起を
繰り返していく事が身を守る事に繋がり
お店を守る事にも繋がっていくのです。

倉持
「それではここまでの講義を
まとめておいた資料があるので
復習しておいて下さい。
次回は数値に関して話していきます」


そう言うと倉持は緊急避難の資料や
災害時の資料を本田承太郎と前田に
渡し次回の講義の予定を
説明したのでした。


つづく

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