本田承太郎は社内の人事部長倉持に意見を聞きに来ていました。
第31話:管理職の必須スキルとは
社内でも隔離された部署である人事部には
45歳でしかも部長職に上り詰めた「倉持」という
エキスパートがいました。
「本田君、リーダーの心得って何でしょうか?」
「自分が心掛けていることは、自信を持ってやり切る事と
その自信に溺れず謙虚でいること、人の意見を素直に聞く事
自分が最後の砦となって責任を取ることでしょうか。」
「あら、どこかで聞いたような話ね。
では、リーダーが人を育てる時に注意するべき事は?」
「そうですね、私の場合ですが、
・人を見るときに長所に注目出来る様にする事
・頭の良さではなく真摯さを重要視する
・聞く力・伝える力を付けさせる
・基準の設定を高く設定できる様にする
という感じでしょうか。」
「なるほど、優等生な答えね。本心はどうなの?」
「本心ですよ。
もし自分の育てた部下が自分の子供の上司になったら
って考えて育ててます。
リーダーシップってカリスマ性があるように思われますけど
人気取りじゃないので誰かを惹きつけたり、
気を引く事じゃないと思います。
即効性があって誘導しやすいですけど
その後にちゃんと根っこの心を動かさないといけないと思ってます」
「そうね、そう思ってるなら自分の管理職の立場で
必須とされてることも理解してるんでしょう?」
「問題解決です」
「そうよ、管理職の必須スキルとは問題解決することなの。
問題とは、あるべき姿と現実との差のことを指してるんだけど
お店のスタッフがやるべき仕事をしてなかったらあるべき姿に持っていく。
商品があるべき姿じゃないなら、あるべき姿になるよう努力する。
技術があるべき姿でないならそこまで成長するように仕向ける。
こういう姿勢が問題解決に繋がるんじゃないのかしら。」
「前田さん、今本田君が行っているのは私に相談しに来たのではないのよ。
自分が理解してる事をアウトプット、
つまり間違いがあれば指摘してくれる私と話すことで自分の考えを確認しに来てるのよ。
それに、あなたに自分の考えを教える為に連れてきたのよ」
「倉持部長、言わないで下さい」
「え~本田課長、そうだったんですか?」
「本田君、難しい言葉を並べて表現できる人が本当に頭のいい人では無いのよ、
誰にでも理解出来るように伝えることが出来る人が本当に頭のいい人なの」
「そうですね、私も安易に横文字ばかり使いたがってしまいますからね」
「では、本田くんと前田さんに
まずは店長の姿、学ばせるべきポイントを話していきます。
ちょっと長くなるから正式に時間をとって
毎週1回レクチャーしましょう。」
「解りました、ありがとうございます。」
こうして、本田承太郎は倉持に現場の店長が学ぶべきポイント、
スキルなどを隔週で教えてもらえることになりました。
倉持が出した予定はこのようになっていました。
第1章:現状把握と意識改革
第2章:必要スキル
第3章:リスクマネジメント
第4章:計数管理
第5章:マインドセット
確かにかなりボリュームがありそうなので
次のレクチャーまでに本田承太郎が向かったのは
以前から興味のあったある伝説のお店でした。
そのお店は居酒屋なのですが
閑散とする商店街に息吹を吹き込み
今や全国区となったあのお店です。
リーダーシップと言えば一昔前からよく
このお店の名前が上がります。
本田承太郎は前田を連れ、そのお店へと向かったのでした。
果たして、前田と共に本田は一体何を見学に行ったのでしょうか。
つづく
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