本田承太郎は部下の前田と一緒に飲食店基礎講座を受講していた。
リスクヘッジについて考えた本田はひとつの方法にとらわれない
もう一つの考えを始めていました。
第25話:メディアの拡大戦略とパレートの法則
本田承太郎が思いついた戦略は
よくよく考えると昔から提唱されているものだったが
自分で学んでたどり着いた事に意味があった。
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートという人が発見した
「パレートの法則」は経済において応用できる法則として有名です。
本田はこの事を新規事業のリスクや戦略に組み込んで考えていました。
基本的な考えでは、
ビジネスの売上の8割は顧客の2割が生み出す。
と言うのがこの法則の大雑把な解釈だ。
80:20の法則とも言われている。
これを応用していくと
仕事の成果の8割は2割の時間で作られる。
失敗の8割は2割の原因に起因する。
作成率が8割でも2割が優秀であれば成果が上がる。
このような感じになります。
つまり、リスクも成果も2割のポイントに
焦点を絞るということなのです。
この場合本田承太郎が取る戦略は
この2割をどのように確保していくかという事が
目的になってきます。
今回はプロジェクトが飲食店という特殊な事業なので
今までの知識や経験も通用しませんが、
メディア戦略においては考える余地がありました。
飲食店を単純に経営するとすればどういう営業を行うでしょうか。
土地を購入し、お店を建築、従業員を雇って営業開始する。
これが基本ですがその中にいろいろな施策が盛り込まれていくと思います。
飲食店でよく見かける施策とは?
・のぼりが上がって○○フェアー開始
・生ビール100円セール
・学生割引キャンペーン
・福引&プレゼント・景品交換
・ポイントカード
・割引券
他にも様々ありますがこのような感じではないでしょうか。
しかし、本田承太郎が考える施策とは
「メディアミックスマーケティング」という手法でした。
メディアミックスマーケティングとは、
一体どんなものなのでしょう。
例えば、解り易く言うと
メディアミックスマーケティングを使っている
ある有名企業があります。
それは、「ジャ○ネットたかた」です。
この企業のマーケティングは実は非常に優秀だと
本田承太郎は常々思っていました。
その理由がメディアミックスマーケティングだったのです。
例えば、
まず売りたい商品があるとします。
売れ残りのひとつ型落ち家電TV「▲▲」
これを売るためには社長はTVに出演して宣伝します。
この時に社長にキャラクター要素がプラスされます。
最近ではかなり有名になってモノマネもよくされてますよね。
それに、「イメージソング」
CMの戦略ともかぶってくる要素ですが
耳に残るので耳からも覚えるという手法です。
映像では最近は、CGで社長のディフォルメキャラが登場していますよね。
これもキャラクター要素で印象を付ける要因となります。
こうしてイメージ戦略で印象をつけた後に、
次は価格を全面に押し出してきます。
価格は型落ち商品などを利用することにより
従来より低価に設定されて、
お手頃なセット商品を抱き合わせることで
更にお得感が倍増していきます。
ここでの注意点は実際にお得で使い勝手の良い
優良商品であるという事です。
そこでCMされるのは直接契約の電話番号、
○○で検索に社長の決めゼリフである
「詳しくは明日の朝刊をご覧下さい」です。
メディアミックスマーケティングとは、
このようにTV・ネット・TEL・メルマガ・チラシ等に
導線があり誘導される仕組みになっているのです。
興味を引き、誘導するという手法が
それぞれ入り乱れて交錯する状態ですね。
この手法はどんな仕事にも使えるのでは無いでしょうか。
本田はこのメディアミックスマーケティングを
飲食店の営業体制に組み込んで施策を行おうと考えていたのです。
パレートの法則で言う2割の顧客とは
飲食店で言う「常連客」「上客」を指します。
本田はこの上客を取る戦略にメディアミックスを利用する事を
イメージしてプランを練り直し始めていました。
ここで、飲食店基礎講座の午後最後講義で
興味深い内容のお話を聞くことが出来ました。
この時の話が本田承太郎がイメージした戦略と
関わりのある内容の実例だったのでした。
つづく
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