Book review
ピエール・ルジャンドル「西洋が西洋について見ないでいたこと」
ドグマ人類学のエッセンスとそのアクチュアルな意味が伝わるようなかたちで話をした、日本における講演の記録が一冊になった書物。
ドグマとは何か。
ドグマ【dogma】
〔宗〕教義。教条。 独断。独断的な説・意見
(広辞苑)
筆者も言うとおり、ドグマとは、思考の自由や自律性、信仰や行動に関する個人主義的な選択の自由に対立する、否定的な価値を担わされてきた言葉である。
筆者の議論はドグマを必ずしも否定的に捉えているものではない。
「ドグマ的な次元、それはフィクションによって支えられた明証性の次元、ひとがそれを真実と認めるに当たっていかなる証拠も必要としないほど強力な明証性の次元です」
「そのような構築された明証性のシステムの練り上げと機能についてです。それが文化と呼ばれているものですね」
佐々木中の本などで興味を持ち、とりあえず読んでみたが、今の自分には使えない内容。