慢性痛患者を量産する医療
お尻を痛めたという80才台の患者がやってきた。4ヶ月前にいつもの生活通りにしていた時に痛みが走った。以来、生活を制限し安静に徹底したが痛みが軽減しないということである。医療機関で骨折が除外され通院していたが服用薬が多くなり疑問をもつ。
痛いから不活動になるのか。運動制限や不活動が痛みを生み出すのか。傷が治り痛みが消えるのを待つのか、しかし傷が治ったとしても痛みが残ることがある。不活動な生活は筋肉の伸張性や弾力性を低下させ、柔軟性を阻害するだけでなく、筋肉の過敏性(痛みを感じやすい)をもたらす。急性期もできるだけ不活動期間は短くすることが望ましい。
問題は急性痛と慢性痛を区別することなくごちゃ混ぜして、「痛いときは安静」「痛む時はサポーターやコルセット」「シップと痛み止め」慢性痛を急性の延長で同様に処置していている。時として改善するタイミングを外し痛みを悪化させ、痛みの悪循環に入り慢性痛患者を量産する。昔からこのよう な判断で医療者は処置している。
考えてみればよい腰痛や肩コリを訴えない健康人が3日間寝たきりになり、通常通りの生活に戻したとき快適に起き上がれ歩けるだろうか。長く寝ている不活動な生活はあちこちが痛くなり、逆にストレスを産む。安静が回復に結びつかなくなる。回復=安静にすることだと信じていると賞味期限切れの処置で、いつまでも付き合うことになる。絶対安静と安静は違う。
群馬 伊勢崎
内外治療室