僕からしたら2人は贅沢だ。
~ヨンべside~
まどかと久しぶりの仕事で、
まどかと久しぶりに話したから
封印していた感情が湧いてきた。
「ヨンべ!今日もよろしくね!」
相変わらずの通る声でお構いなしに肩ポンをしてくる。
僕がどれくらいガマンしてるか君は知らないんだ。
「まどかさ~ん!小物最終確認してもらってもいいですか?!」
「は~い!今行きま~す。」
彼女の仕事はある意味力仕事で、走っている時の方が多い。
彼女よりは年下であろうスタッフに呼ばれて行ったけど……
なんかさぁ…
近くない?
もっと距離とってもいいと思うけど。
「ねぇ撮影まだ?」
普段急かす事の言わない僕の発言に辺りはしーんとする。
「おい!まだか?!」
一気にスタッフ達の動きがスピードアップした。
ふと愛梨ちゃんが目にとまった。
別に意識した訳じゃないけど、まどかのそばにいたから余計目に入ったんだ。
愛梨ちゃんの目線の先にはジヨン。
この2人も素直になれてないんだ。
ジヨンもおそらく…いや、まだ愛梨ちゃんを好きだ。
ジヨンもジヨンで目線は愛梨ちゃんだし。
あ~イライラする。
…相変わらず、まどかは男の人と近いし…
この日の俺はなんだか苛立っていて、冷静な判断が出来なかったんだ。
だから、2人の為に思ってとった行動も裏目にでた。
僕は単純に親友が辛い姿を見たくなかっただけなのに。
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外に出ると乾いた風が吹いていて、涙で濡れた顔に丁度よかった。
駐車場につくとジヨンのランボルギーニが目に入って胸が痛くなった。
「あっやっと来た。」
声の主の方へ振り向くと、
「望くん…」
「片付け遅かったね?…………なんかあった?」
望くんは泣きはらした私の顔を見て気がついたのだろう。
「……うん…ちょっとね。」
「また…あいつ?」
「………。」
私が何も言わないとみてジヨンと何かあった事を察したのだろう。
「…俺にしとけばいいのに…」
「えっ…?」
気がついた時は望くんの胸の中にいた。
「…俺だったら、あ~ちゃんの事……泣かせたりしないよ?」
きっと、望くんが言ってる通り望くんと一緒なら毎日笑ってるだろう。
でも…
ふとポケットに手を入れると何かが指先にぶつかった。
「???」
それをポケットから出してみると、
初めてジヨンに会った時、ジヨンが落としていったピアスだった。
「でもっ…私!」
「もう…あ~ちゃんが泣いてる姿は見たくないんだ。」
望くんがそっと肩に手を置く。
「…あっだめっ…」
いきなりだった。
不意を突かれてる間に
望くんにキスをされた。
離そうとしてもあたまにがっしり掴まれていてなかなか離れない。
「っ…まって…」
「…なにしてんの?」
突然の声にびっくりする。
声がする方へ振り向くと
そこにジヨンが立っていた。
