東京の端っこ在住。
22才のカジノディーラー兼通信制大学生長女を筆頭に、専門学校生、高校生(2025年現在)3人の娘を育てるアラフィフ女子。
特筆すべき点もないありふれた日常を、独断と偏見でぶった斬る???娘たち曰く「見た目はオバさん、心はオジさん。世の中の常識が通用しない、サバイバル系不死身の過激派」らしいです。お暇なときにちらりと覗きに来ていただければ幸いです。
清々しいほどに、いつも大好きな韓流アイドル・テギョン君を追っている侍ままんです。
豪華客船で仕事をするための資格を取るべく、北九州市小倉にある『日本サバイバルトレーニングセンター』に研修に行っていた長女が、1週間ぶりに帰ってきました。
開口一番
『もうとにかくスゴかった
』
長女が帰ってきた時、私はお風呂に入ろうとしていたのですが、とにかく長女は言いたいことが山ほど溜まっていたようで、私がお風呂に入っている間ずーーーっと脱衣所で独りで喋っていましたそれで要所要所、話がヤマを迎えるとわざわざ浴室のドアを開けて『ここテストに出るよっ
』と言わんばかりに念を押して来たくらいです。
とにかく、これまで極普通の人生を送ってきた彼女にとって、北九州での毎日はそれだけ刺激的だったということでしょう。
私が聞いた限りでも、その訓練内容はとても素人向けとは思えないものばかりでした。だって『それって普通だったら、海上保安庁とか消防士とか自衛官とかがやることなんじゃね』そういうハイレベルなことばかり。
つまり船というひとつの惑星においては【自助共助】何でも自分たちでやるという精神がなければ生きていけないということです。
何かトラブルが起こった時『ドラえも~ん』そう叫んだところで誰が来てくれるわけでもない。すべてはそこにいる人間で何とか解決していくしかないという、良く考えれば当たり前だけれども、平和ボケと言われる現代人の我々が忘れていた感覚なんだと思いました。
その昔には村とか部落とか、そういう最小単位で助け合って生きていた時代が日本にも存在していました。それがいつしか犯罪の処理は警察に、救命は消防に、生活不安は行政に、その道のプロに頼めばいいやと考えることで、個人個人は何もしなくなっていったのです。
【皆の者
今こそ己の力を呼び醒ませ】
それが日本サバイバルトレーニングセンターの最大のテーマと言えるでしょう。
それで長女が行った訓練がどんなものだったかというと、『生き残るスキル』を身に付けるというテーマの元、実に様々なことをしてきたようです。
これらの訓練の感想を掻い摘んでご紹介致します。
まずは
①船からの脱出訓練
およそ4mの高さから水深5mのプールに足から飛び込む。これが前回『走馬灯が見えた』と言っていたやつです。もうね入水した瞬間からパニックになって、どっちが上とか下とか全く分からなくなるそうです。教えられたのは、自然に上に浮くまで脱力せよ決して藻掻くべからず。
もちろん『怖い〜』といってやりたがらない人もいます。そんな時の決まり文句は『生きるか死ぬかだから。がんば
』
やって助かる保証はないが
やらなければ確実に死ぬ
現代の日常ではまず起こり得ない、究極の二択ですよね
そして『生身で海に飛び込むのはちょっと』というあなたにオススメなのがコチラ
。通称『フリーフォール』と呼ばれている救命艇です。固定している縄を切って重力の力を利用して着水する原理となっております。
これに乗った人の感想です。
『入水角度は体感だとほぼ垂直90℃だからねっ衝撃は大気圏突入と同等だと思う
(あくまで個人の体感です
)』更には『もう二度と富士急ハイランドに行く必要はない
』だそうです。
②消火&救助訓練
実際に防火服を着て酸素マスを付けて、煙が充満した部屋の中から『サトルくん人形(体重40キロ)』を救出する訓練。
体験者の感想は、防火服を着て酸素ボンベを背負った時点で、もはや常人には何も出来ないそうです。そして煙で何も見えない。
まっすぐ前に歩くことすらママならないので、縄で繋がれたバディとは犬の散歩のようにグルグルに絡み合うだけ。
とにかく何も見えないので、救護者がいるかどうかなど分かるはずもなく。必ずサトルくんがいるという情報だけを頼りに、足に触れた『何か』の『どこか』を無心に掴んで、ズルズルに引っ張って部屋の外に運び出すのが精一杯だったそうです。
映画で見るような、お姫様抱っこで煙の中から颯爽と登場なんて『到底ムリ
』だってさ。
仰向けだろうとうつ伏せだろうと、我々にはとにかく引きずることしか出来ない
これが人命救助のリアルです。
③怪我人の回収&搬送
基本的に怪我人は担架に乗せて運ぶのですが、如何せん船内には狭い通路も多いでしょう。骨折などで手足があらぬ方向にはみ出してしまった場合には、、、『躊躇なく担架内に収まるサイズに形成しちゃって構いません』つまりは、あっち側に曲がってしまった足は『オラッ
』って曲げ直せということです。
思い出して下さい。
想定はあくまで生きるか死ぬかの状況です。救助しているコチラもうかうかしていたら危険なのです。
課題はあくまで人命救助。出来るだけ速やかに事を進めなければならない。『細かいことは気にしないそれワカチコワカチコ
』
④不審者&密航者の捕縛
現在は世界各国、密入国に関してとても厳しい基準が設けられているため、船内に少しでも不審な人物が認められると入港させてもらえないそうです。
更にもしも船に密航者が乗っていた場合、そいつを自国に強制送還するための費用は船の持ち主が負担する決まりです。
そのため密航者の捕縛は最重要案件。
『皆さん密航者を見かけたら必ず捕まえて下さい』『どうやって
』
以上が、長女が受けたサバイバルトレーニングの概要です。
そしてこの研修は海に携わる仕事をする人が、5年毎に受け直すことになっている。
長女たちは今回初めての体験でしたが、一緒に訓練をした人の中には『実際に海賊と銃撃戦をしたことがある』という海上保安庁の猛者や、自ら危険な海域へと出向いていく海洋調査隊の人たちもいたそうです。
そういう方たちとも過酷な訓練を共にして仲良くなりました。
5日間の研修を終えてそれぞれが家路へ着こうかという時、誰かが言いました。
生きてまた会いましょう
まさかこの現代で、こんな別れの言葉を聞くとは思わなかった
戦時中と錯覚するような、相当なカルチャーショックだったことでしょう。
日本は平和な国と言われて久しいですが、海上でのお仕事は今もなお、危険と隣り合わせなのかも知れません。
それでも誰かがやらなければならない。
だけれども出来る限り犠牲を減らしたい。
そういう使命感を持って働いている人がいるということ、今まで全く存じ上げませんでした。こういう方々のおかげで今日も平和な日本が守られていること、心からありがとうと伝えたいです
【メンタルが強い自信はありますか】
あの日の面接を経て海の人になると決めてから、長女は心も体も更に強くなっている気がします。なぜならば、過酷な訓練さえとても楽しそうに語ってくれました。もともとはスポーツマンでも何でもない、何なら吹奏楽部でタンバリンを叩いていた人です。
私なぞ動画を見ただけで、全然笑えねえよ
長女の海上デビューはもうすぐです。
アメリカでは全員が入国審査官の質問に英語で正確に答えられないと、入港させてもらえないという事実が明かされ、急きょ慌てて英語も勉強中です。
引き続きがんば