こんにちは侍ままんです。
この週末。
サイクリングの翌日は、洗濯&布団を干したのち、せっかくの晴れだから!韓国映画!!
(笑)

今回は歴史のお勉強

前回からのイ・ビョンホンつながり
【王になった男】(2012)
この作品を見終わって、改めて思ったこと。
「国」って何??!
「王様」って何???
「政治」って誰のためのもの???!

ますます分からなくなりました。
だって!!
今までの韓国の王様を描いた物語。
どれもみ〜〜んな例外なく
必ず王様は毒を盛られてます。


何なの?王様って。
毒を喰らう職業なのかと、錯覚するほどにみんなが毒を盛ろうとすきを窺っている。
王様って政治の頂点でしょう??
一番の権力者でしょう???
いないと困るんじゃないの???
そんな安易に殺しちゃっていいの??
この辺はさ、あれと同じよきっと。
夏休みの最後の日に「誰かが学校に火つけて、全焼しちゃえば学校に行かなくて済むのに
」心理。

自分に宿題をサボっていたという【落ち度】があるにもかかわらず、学校の焼失を望むという自己中心的な発想よ。
でもそれで、本当に学校に火をつけに行く人はいないし、つけたところで焼失するほど燃えるはずもない。
でも王様はめっちゃ毒盛られてるのよ。
それで本当に殺されてるのよ。
大人って怖くない???
子どもはやろうとは思ってもやらないのに、大人はやっちゃう。
良いの??

そういう運命を考えると、王様って可愛そうだよね。別にやりたくてやってる訳じゃないのに、そして適性があるからやってる訳じゃないのに、「無能だ!!」「暴君だ!!」「仕事してねえ!!」とにかくなんやかんやで毒を盛られるか、刺客に狙われる。
仕事をしててもしてなくても、とにかく「王様だ」という理由だけで命を狙われている気がします。人となりなんかお構いなしでもう、気の毒としか言いようがない
。

そんな王としての運命に、立ち向かって行った王様の物語【王の涙〜イ・サンの決断〜】
なんてのも見ましたが、これはまたの機会に。
この王様(ヒョンビン)は超〜強いの!!

「盛られてたまるか!!
」って物語です(笑)。こちらも宜しかったらどうぞ。

さて【王になった男】ですが、ざっくり言うと王様の影武者として連れてこられた「ただの男」がどうなったのか?という話なのですが、実はこのタイトル間違ってるんです。ネタバレしますけれども
男は王になってないんです。
でも、王になったんです。
そこに『本当の王様って何ですか??!!』
っていう強烈なメッセージが込められていて、この『王になった男』というタイトルを付けた人は実にセンスがあるなあああ
と感心した作品です。

イ・ビョンホンの情けない男の演技が実に上手い!!

お付きの人(若い女子たち)がズラリと見守る中で、うん○をしなければならない場面とかほんッと!秀逸。
出たらみんなで「おめでとうございます〜」の大合唱(笑)

あの演出を付けた人、ホントに尊敬するわ〜。だってあれ見たら
「ぜってー王様になんかなりたくない
」

間違いなく!みんなそう思いますもの(笑)。
でもこの影武者の男。
イヤイヤやらされる王様の役を、初めは「面倒くせえなあ
」と思うのですが、そのうち結構楽しくなってきちゃう。(本物こそ面倒だから職務から逃げていた感あり
。)


これ、成功者の秘訣よね。
どんな状況にあっても、そこに「楽しさ」を見い出して、自分なりに出来る努力をする。
時代や境遇に関係なく、人生を充実させる上で大切なことです。
それで男がニセモノだと知る側近たちも、初めこそ、王様の命令で仕方なく影武者に仕えることになり、苛立ったり、庶民である男を見下す態度を取るのですが、男が真面目に王様をやろうとするものだから、だんだんみんな男のことが「好き
」になっちゃうの。

この辺りの心理描写が良いよね!

今までは「王様だから」仕えていただけで、そこに自分の意思や感情はなくて、ただ長い物に巻かれるだけの無味乾燥な職務だった。
そんな現代の会社員にもつながるような彼らが、無理矢理王様をやらされているはずの男の振る舞いをそばで見ているうちに、仕えたい人に仕える、時には決まりを破ってでも守りたい人を守るっていう「生きがいややりがい」みたいなものに気付いていくのです。
全体を通して、登場人物には「おじさん」が多く、乙女がときめくようなイケメン要素は全くないのですが、不思議とおじさんが可愛く見えてきてしまうストーリーとなっております(笑)。
これね、おっさんずラブに通じるものがあると思うよ。

で、最終的には影武者の男が本物の「王様」の心をも動かすこととなり、、、
朝鮮王朝第15代皇帝光海君は、後世にその功績が広く知られるような立派な王となるのですが、、、果たして最初から「あなた」は立派な王様でしたか??
っていうのがメインテーマです。よって
王を王にした男
というのがこの作品の正しいタイトルなのですが、王になれなかった(ならなかった)男の中にも、王の心が芽生えたという意味では【王になった男】というのが、やっぱり正解なのだと思います。
何と言っても、ラストシーンが感動的でねえ。
一言のセリフもなく、おっさんとおっさんが出てくるだけの、ただそれだけのシーンなのにどんなラブストーリーより泣けました。






おっさんが美しい

(笑)



最終的に韓国版「おっさんずラブ」みたいな解説になってしまいましたが、
『YOU!!
正しいと思うことは迷わずやっちゃいなよ!!』
っていうとっても前向きなメッセージが込められた作品です。
ご興味のある方は
『王になった男』(映画版)是非どうぞ
