こんにちは侍ままんです。
高校時代に先生から日本文学を読め、と言われ有名どころを読み漁っていた時期がありました。
あるとき夏休みの宿題に「日本の古典文学を読んで感想文を書け」というのがあった。
確か「倫理」の授業だったと思うのですが、倫理的な観点で書く課題だったのかどうか、そこまでは覚えておりません。
覚えているのは、夏休みが明けて課題を提出したところ私の感想文が「とても良く書けている」ということで、みんなの前で読むことになったのです。
実はここで1つ困ったことが起こりました。
物語の主要人物に「美禰子」という女性がいたのですが、私はこれが読めなかった。
「みやこ」とも読めるがみよこ?みねこ??確信が持てぬまま、どうせ自分で読む分には何でも良いだろう、と思い適当に「みやこ」と読んだり「みねこ」と読んだりして、作品を読み進めておりました。
それで当然この「美禰子」なる人物は【自分で書いた感想文】にも頻繁に現れるわけです。
当然読み仮名はない。
それを「みんなの前で読め」と。
私の気持ち、お分かりになりますか?
とにかく読み方を知らないのよ。(笑)
しかもやたら出てくるのよ、この「美禰子」が!!

お前、もうええっちゅうねん!!
で、そんな私がどうしたのかと言うと、幾度も出てくるこの「美禰子」を「みにゃこ」(笑)とまるで英語の発音記号【æ】のような曖昧な発音をできる限りの小声を駆使して(笑)乗り切った??(乗り切ったのか??
)

そんな苦い思い出の作品であります。
不運なことに、倫理の先生というのが質問を一切寄せ付けないような堅物でして、笑う姿も見たことがありませんでしたので、、、とても「(自分で書いた)漢字が読めません」とは言い出せなかったのですね。
あの時思ったのは。
【人間いかなるときも油断してはいけない】
もしかすると先生は私が「美禰子」を読めていないことを見透かして、ひと泡吹かせるべく、ワザと大した出来でもない感想文を、みんなの前で読ませたのではないか。
そんな下らない疑念が湧いてきて、軽い人間不信に陥ったかどうだか、、、。(笑)
とにかくそれ以来猛烈に
「読めない漢字はすぐに調べるべし」
「知るは一時の恥、知らぬは一生の恥」
心に刻んだのであります。
で今になって、私に苦い経験をさせたこの作品が何だったのか、急に気になり出しました。
おそらく暇だから、でしょう。(笑)
私の中では漠然と武者小路実篤の「友情」だと思っていた。でも先日「友情」を調べてみたらヒロインは「杉子」という実に読みやすい名前ではないですかっっっ!!
「杉子!!すぎこならば読めないはずはない!!一体私を苦しめたあの女はどこにいるの??!
」

半狂乱になったワタクシは血眼になって捜しましたよ、憎っくき「美禰子」を。(笑)
そしたらおりました。
夏目漱石「三四郎」
ヒロイン:里見美禰子(さとみみねこ)
おそらくこれだね。
内容は恐ろしいほど覚えていない。

高校生の私は「三四郎」を読んで、一体何を思ったのか。
私を苦しめた?
ヒロイン里見美禰子は何者だったのか。
あんなに苦い思い出ですから「三四郎」という芸人がいることさえ、軽く腹立たしい(笑)。
でも実際に生で見たことがある、数少ない芸人だったりして。彼らに罪はありません。(なかなか面白かったよ〜
)

様々な感情が混ざり合い、二十余年を経て再び夏目漱石「三四郎」読んでみたくなりました。

果たして私は美禰子を許すことができるのか!!(笑)
以上、侍ままん因縁の「美禰子」についてでした。