こんにちは侍ままんです。
栃木県のド田舎から東京へ来て2年半。
先日末っ子三女の小学校にて、今年度最後の保護者会が行われました。
私が東京に来て、驚いたことの1つに「学校で保護者が発言を求められる機会が、やたら多い」ことがあげられるのですが(ただしクレームの類ではなく)、今回も保護者会の締めには「この1年で、子どもの成長が一番感じられたこと」を一人ずつスピーチすることになりました。
突然お題を出されて、その場で1分間のフリートーク。
これ、簡単そうに見えますが、結構難しいんですよ。
ところが東京の皆さんは、一様に卒なくこなされるんですからオドロキ。
ちょっぴり皮肉を入れたり、笑いを挟んだりしながら、適度な解説を踏まえ、端的に分かりやすく、無駄にダラダラ話さない。
その様は「ひな壇芸人ですかっっっ!!?
」と言いたくなるほどのレベルなんです。

これ、東京のなせるワザよね〜。
トークのレベルがまるでプロ。
思い当たるのは、職業の差じゃない?
東京では営業職やサービス業が圧倒的に多いでしょう?身近な求人を見ても、とにかく人と関わる仕事ばかりです。
奥様方も、とにかく喋り慣れているわけ。
片や、田舎での主婦向けの仕事といえば、工場勤務で倉庫管理か検品作業とか、社員食堂で皿洗いとか、老人ホームでヘルパーさんとか。
気付けば1日誰とも喋ってなかった!
みたいな仕事で溢れています。

ですから、総じて田舎のお母さんたちは、人前でしゃべることが苦手。むしろ人前に立つこと自体を、極端に恐れている人が多い印象でした。『出る杭は打たれる』的な発想も、田舎では未だ色濃いのが現実ですしね。
少なくとも、以前私がいた学校はそうでした。
もちろん、おしゃべり自体が嫌いなわけではなくて、井戸端会議みたいなのは大好きなんですよ。隣人のうわさ話なんかのネタは尽きませんから(笑)。
でもオフィシャルに人前で話せ、となると「死んでもやりたくない」って人がとにかく多い。
役員が決まらない理由も「人前でしゃべりたくないから」ただそれだけであることも少なくなかったほどです。
そんな田舎からやって来た私が見た、東京の公立小学校の『謝恩会』。
昨年次女が卒業だったので、1年半しか在籍しないのに参加させて頂きました。
保護者が主体なので、企画運営は保護者。
そこで司会を務めた奥様なぞ「どこかでアナウンサーしてるんですか?
」と言いたくなるほどに、容姿、服装、立ち居振る舞い、もちろん話術も含めて、東京の風をビュウビュウに吹かせたお方でありました。

高々小学校の謝恩会なのに、映画の試写会を思わせる雰囲気だったよね。
もう、そんな人がゴロゴロ。
なんじゃコリャァァァ〜〜!!

ってのが私の、東京の小学校に対する印象です。
で、当然。
そんな親から生まれた子どもたち。
彼らも芸達者なのは間違いありません。
謝恩会でも、お調子者と呼ばれる子たちはステージ上で、思い思いに「寸劇」だの「お笑い」だの「フレディマーキュリーのものまね」だのを披露しておりました。
すごくない??

友だちや親、校長先生を含む諸先生方を前にして、タンクトップ着てフレディマーキュリーやるんですよ。英語の歌詞で。
上手いとか下手とかじゃなくて、とにかく、やろうと思ったその度胸に、感心せざるを得ない。

そしたらね今年になって、我が家の三女さんが「クラスの歌コンで3位になった!!
」と言ってきました。

歌コンって何??

詳しく聞いてみますと、クラスの係活動の一種に【コンテスト会社】なるものがあるらしい。※ちなみに三女さんは「漫画会社」に所属しているのだとか。
そのコンテスト会社というのは、クラスを盛り上げるためにコンテストを開催するのが仕事。
例えば、歌のコンテストだとか、イラストのコンテストだとか、恐竜の知識を競うコンテストだとか。まあ、かつてのテレビチャンピオンみたいなことなんだと思います。
要するに、コンテストを通して、友だちのすごいところを発見しよう、ってのがコンセプトらしいです。
で、もちろんコンテストなので、やりたい人だけがエントリーする制度。
どのカテゴリーでもエントリーするのはせいぜい5、6人くらいなんだそうで、多くの子は観客兼審査員であり、「傍観」する側であるという。
だよね〜。

で、そんなコンテスト会社の「歌の回」に、我が家では音痴で通っている三女さんがエントリーしたと言うのです。
「だ、大丈夫かっっっ
」

我が家が心配するのは、、、下手すぎてイジメられはしないか、、、ということ。
仲良しの子に「一緒に出ようよ〜」と誘われたと言うのですが、私は知っている。誘ったその子は、劇団四季のオーディションに行けるほどにガチで歌が上手い子なんです。
結果は誘ったその子がダントツで1位。ですが、三女さんがまさかの3位だというではありませんか。エントリーしたのは5人ほどらしいので、まあ下から3番目と捉えることもできますが、一応上からも3番目。(笑)
何より、クラスのみんなの前でアカペラで【檸檬】(米津玄師)を歌ったと言うのです。
あんた、、、すげえな。

それで先生がおっしゃるには、子どもたちも上手いとか下手とかよりも「エントリーしてみんなの前で披露した」その勇気に尊敬の意を込めて、投票している節があるんだとか。
子どもたちも大人だなあ



そんなわけで【郷にいれば郷に従え】
田舎で育ったはずのうちの子も、徐々に東京の子になっているのを実感し、感慨深いものがありました。
子どもの適応力って本当にスゴイ



これが私の「今年1番に子供の成長を感じた話」でした。
田舎に生まれし我々も、いつかは東京に馴染む日が来るのか。
我々の旅はまだ始まったばかりです。。。