わたくしの幼少期を少し・・・。

貧乏ボロ長屋に住んでいたと、何度か書きましたが。
そう、いまでもたまに見かけますかね、モルタル瓦のいわゆる
町営住宅とか県営住宅とか言われるやつですよ。


父親の実家がすぐ近くにありまして、父のお兄さんがお嫁さんを
もらうタイミングで、父はボロ長屋に追い出されたんだとか。
ま、自分が結婚するまでの仮の住まい、程度の考えだったのでしょうね。ご飯は実家に食べに行っていたようですから。

それが母とお見合い結婚をした後も、そこに住むことになったようです。
いま思うと、『良い暮らし』に特別執着がなかったのでしょう。


父も私と同じ『ザ・アウトドアライフ』を絵に描いたような人ですから、
仕事に行く以外、1日のほとんどを庭及びその周辺で過ごしていました。
なので、家なんかご飯食べて寝られれば十分なわけで
『良い家』が欲しいと思ったことがないんだと思います。


そんなボロ長屋。
あとから聞いたら家賃は『5000円』!!!


ジーザス !!!( ̄□ ̄;)



良くわかりませんが、バブルとか賑わってなかったっけ???


当然そんな家賃ですから、恐ろしくボロいんです。


どのくらいボロいかって?
『近代住宅』に住む友達を我が家に連れて来ると
『本当に、ここに住んでるの???(゜д゜;)』
と言われました。
きっと彼女らにとっての『ウサギの小屋』と同じくらいのレベルだったのでしょう・・・(;´▽`A``


ですから、わたしは子どもの頃に誓いを立てました。
大人になったら叶えること!!
1)洋式トイレがあって
2)水道からお湯が出て
3)インターホンのついている

家に住む!!!!


けなげすぎる・・・(ノ_-。)


しばらくののちに、これらのことが容易に叶うことを知りましたね・・・
いやでもね、まじでこれを達成するために必死で勉強したりしたんですよ・・・
両親に学歴がなかったものですから、誓いを果たすためには『学歴』が絶対に欠かせない!!と小3くらいの頃には固く信じていた気がしますよ。
学歴がなくたって、お湯の出るうちに住んでいる人はたくさんいますわね・・・ヽ(;´ω`)ノ

純粋ですね、私(涙)

とにかく現代住宅『3種の神器』といったら
洋式トイレ、お湯の出るシャワー、インターホン
ここを目指して生きていました。


そんな純粋な私が、一体どんな家に住んでいたのか。


まず、トイレはくみ取り式です。いわゆるぼっとん便所ってやつ。
これ、近頃分かりましたけどね・・・
究極の『リセットできない』文化なんですよ。
分かります?
ゲームの普及によってリセット文化が根付いて、子供らが命の重みとかを無視するようになった、と言われていますが
私に言わせると、ぼっとん便所の衰退がリセット文化を助長したんだと思えてなりません。


リセットできないんですよ!!ぼっとん便所。
何度お気に入りのハンカチを落としたことか!!!
便器に張り付いたティッシュを下に落とそうと、足でつついて何度スリッパを闇に葬ったことか!!
とにかく『あそこ』に落ちたら『二度と』帰って来ません。
文字通り『必死』ですよ。
落ちる可能性のあるものは、すべて置いてから闘いに行くわけです。
命がけ!!
現代人はこの辺の必死さが圧倒的に足りないんです。
落ちても拾えば何とかなるさ・・・。
ぼっとん便所、何ともなりませんから(;´Д`)ノ
そういう気のゆるみから、平気で携帯電話をトイレに落とすわけです。
平和ぼけですね。


つぎに水道からは水しかでない。
これ私の中では常識ですから。
お湯は『湧かして作る』ものです。
お風呂も水を張って、ガスで湧かして、入るんです。
この辺は割と団地族の人は同じ仕組みだったはずですが。
『湯かき棒』知ってますか?
お湯は沸かすと、熱い部分だけが上に昇ってくるので、上だけ触って
熱いと思ってガスを止めちゃうと、下はまったくの水だったりするわけです。
『対流』ですね。
なにも理科の時間にアルコールランプとビーカーで水を湧かさなくたって日常ですからね、こんなこと。


『お風呂番』は子どもの仕事ですから、
頃合いの温度でガスを止めに行くんですが
かき混ぜないで、適当に止めちゃうとあとからみんなに怒られるんです。
お湯を沸かすのって結構時間がかかるんですよね。
入ろうと思ったときに、下の方が水だと、入れる温度にするまで30分くらいはかかります。

逆に熱すぎる事件も結構ありまして、
ついテレビに見入って忘れちゃったりすると60度とかに・・・
これがまた、お湯を捨てたらもったいないとか、母親がうるさいわけですよ。
たらいやら、バケツやら、ありとあらゆる容器に熱湯を移し、
湯船のお湯を水で『うめて』入れる温度にします。
いまね~『水でうめる』って言葉使わないでしょ。
意味分かりませんよね。

お風呂だけでこれだけの苦労があるんですから。
現代っ子、平和ぼけして当然ですよ。


お風呂でひとつ思い出がありまして。
私も年頃になって、『シャワー』と言うものが欲しくなりました。
しずかちゃんもシャワー使ってましたから。
そう、子どもの頃、テレビの中の生活は私にとっては全員『セレブ』でしたね。
のび太なんか完全なる中流階級ですけど『二階がある』だけで
私にとっては異次元の人でしたね。

さて、水道からは水しか出ません。
うちの父親、かなり手先の器用な人なので、かわいい娘のために考えました。
湧かした湯船のお湯を『洗濯ポンプ』でくみ上げて
ホースの先にシャワーノズルを取り付けた、『貧乏シャワー』
を作ってくれました。
感動しましたね・・・(iДi)
あこがれのシャワーがうちに!!!

しかしこのシャワーがんがん使うと当然湯船のお湯がなくなります。
頭と体を洗うと、つかるお湯がなくなりますから・・・(°д°;)
節約ですよ。目に見えてなくなれば必ず人は節約します。
エコロジー。
それまでは頭を洗うのは手動式。
洗面器で湯船からお湯を汲んで、頭を洗っていました。
疲れますよね。ムダに汲む体力なんかありません・・・(´□`。)
シャワーだと楽だから出しっぱなしとかやっちゃいますよね。
『手で汲んだお湯を使わないで、流しちゃう』
・・・絶対にやりませんよ、もったいない!!
汗と涙の結晶ですからね、洗面器の中のお湯は(笑)
やっぱり現代人平和ぼけですわ。


それから、インターホン。
窓の鍵なんかも、ねじの付いた棒を挿す、という単純構造の家。
玄関の鍵だって、現在の『交換日記の鍵』に毛が生えたような感じですから。
窓ガラスなんか石投げれば平気で割れそうな粗悪なガラスですし、
もはや防犯意識はみじんもない家でした。

だいたい、こんなボロい家に泥棒なんて来ませんからね。
なので、友達のうちにある『インターホン』が輝いて見えました。
我が家は基本、『トントン、○○さんこんにちは』って家ですから。
どんなに知らないオヤジでも、来たら対応しなければならないのが、結構苦痛でした。
ま、インターホンなんかあったって、家の中の声が外に丸聞こえでしたから・・・
絶対的に不必要だったんですけどね・・・
あこがれだったんです。


とりあえず、こんな家に住んでいたわけです。
公園に行ったときに『こんな汚いトイレには入れない』
と言う人いますけど、私はまったく問題ないですよ。
そんな家で育ってますから(笑)


大学の時も、学生宿舎、相当ひどかったですけれど・・・
トイレは共同トイレ。和式でも水洗でしたし、
お風呂も共同大浴場でしたけれどシャワーからはお湯が出ましたし、
のぞきが出たり、台風の日など部屋に着くまでには、結局全身びちょびちょ・・・
とかもありましたが、ぜんぜん辛くなかったです。
『よいとこのお嬢さん』みたいな友達は顔面蒼白で『耐えられない』といって半年あまりで普通のアパートに逃げていきました。

雑草魂っていうんですか??
私、たいていのことは平気ですね。

生きていく上で、けっこうこういう『強さ』
大事だと思うんですけれど・・・


うちの子供ら、恵まれすぎだなー( ̄ー ̄;