笑ってコラえて!初夏は映画「ホタルノヒカリ」ちょいコラボ
綾瀬はるか「夢のようなイタリア!スペシャル企画その4 」
【笑ってコラえて!イタリア支局】5/30 その4前編
真地勇志ナレーター;5月某日
とある街で取材中の三林支局長がネットを覗いていると、
三林「おっ!何だコレ!」
真地;そこには見た事のない巨大なフライパンの写真があった。
三林「festa 祭りかこれ。」
真地ナレーター;祭りの開催日は5月13日、場所はイタリア北西部ジェノヴァ市近郊のカモーリという街だ。
祭り前日の5月12日、支局長はジェノヴァ・コロンブス空港に降り立った。
そこへ、
三林「オ~お久しぶり。お疲れ様。」
サラ・バイタ「お久しぶりです!よろしくお願いします。」
前回のVTRから~
真地;この女性サラ・バイタさんは 、『春の夕 たえなむとする 香をつぐ 』
与謝蕪村先生のは俳句です!
前回ウディネという街の取材で出会ったヴェネツィア大学で日本語を学ぶ大学生。
サラ「支局員として頑張りたいと思います。北イタリアの取材は私にお任せください!」
というわけで初仕事のリポートのため、わざわざ飛んで来てもらったのだ。
2人は空港を出発。
しばらく車で走ると、
サラ「あっそろそろ見えて来ましたね !」
三林「コレ?コレ何?」
サラ「これは港ですね。」
三林「こんなに大きいの港って!めちゃくちゃ大きい船とかいっぱい並んでいる 。」
サラ「ジェノヴァはイタリアの1番大きな海運都市ですね!」
三林「これどれくらい続いてるの?」
サラ「そうですね、ちょっと聞いてみましょうか?」
「Per quanto continua il porto piu' o meno?」
運転手「そうだな、ココからなら4kmかな。」
三林「4kmも港が続くの?」
真地;コロンブスが生まれたとされるジェノヴァは、
年間約7000隻の大型貨物船が世界中から着港する。
1000年以上の歴史を持つ海外貿易の中心地だ。
サラ「ジェノヴァは昔、13世紀から14世紀にかけて私が(大学に)通っているヴェネツィアの街と地中海の 権力争いをしていました。」
真地;10世紀から12世紀にかけてイタリアには4つの有力な海洋都市国家が存在した。
なかでも栄華を誇っていたのが、
アドリア海に臨むヴェネツィア共和国とリグーリア海に臨むジェノヴァ共和国だった。
2つの国は両方とも東方から買い付けた絹や貴金属、貴重な香辛料などを中継する交易港だったが、
地理的に離れていることで勢力はうまく住み分けられていた。
ところが13世紀、ジェノヴァの挑発にヴェネツィアが応じて、地中海の覇権争いが勃発。
両海洋都市国家はその後1世紀もの間、争い続けた。
三林「どっちが勝ったの?」
サラ「もちろんウチのヴェネツィアが勝ちました 。」
三林「ウチのヴェネツィア」
真地;1380年「キオッジャの戦い 」でジェノヴァが降伏し、やっと終戦。
長い戦いに間にヴェネツィア人・マルコ・ポーロがジェノヴァの捕虜となった際、
牢獄で記したのが東方見聞録だといわれている。
タクシーで走ること15分、プリンチぺ駅に到着。
そこから列車に乗り込むと、海沿いをカモーりへとひた走る。およそ1時間後。
サラ「ハイ!着きました、行きましょう!」
真地;祭りが行われるカモーリへ到着した。
ヤシの木でテンション上げ上げの三林支局長が駅を出ると、
三林「ボンジョルノ 」
真地;突然、横断歩道のおじさんに話しかけた。
おじさん「Piacere.ミツバヤシ 。」
三林「フランコさん!」
真地:ショーンコネリー似のフランコ・ピチュッティさんは、
手回しがいい三林支局長が連絡して置いた、元カモーリの郵便局長。
この街を知り尽くしたガイドには、もってこいの人材だ。
まず3人が向かったのは祭りのメーン会場。
フランコ「Adesso fi faccio vedere il punto piu' importante della festa.」
サラ「今から祭りに目玉を見せますよって 。」
真地;港に造られた特設ステージに上がると、
フランコ「これだよ。」
三林「オッ?」
フランコ「これだよ!これが祭りの目玉、巨大なフライパンさ!」
サラ「すごいですね 。」
真地;目の前に現れたのは直径3.8m重さ3.6トンの巨大なフランコ。
1952から60年続くカモーリ魚祭りのメーンイベントは、巨大なフライパンで作られたフライの大盤振る舞いだ。
サラ「イヤ!なんか楽しみですね。」
三林「楽しみですね。食べたいですね 。」
サラ「食べたいです 。」
真地;だが祭りの本番は翌日。そこで街中を散策していると、
三林「オッ!あれ!」
真地;支局長が何かを見つけた。
建物の壁に手を当てながら三林支局長、「サラさんこれ!本物のブロックじゃないよ!」
サラ「アレ!本当ですね。」
三林「コレ絵!コレどういう事?」
グーグル地図より
フランコ「
これはイタリア語でFinzioneフィンツィオーネ 。」
サラ「
日本語だとすると――、だまし絵ですね 。」
フランコ「
ダマシエ(日本語で言う)、カモーリにはあちこちにだまし絵があるよ !」(この人耳がいいですね。)
真地;そう思って見てみると…
三林「こっち側の窓は全部だまし絵じゃない?小窓以外全部絵だよコレ! 」
サラ「本当ですね、すごいですね !」
真地;豪華な窓枠も壁の装飾も全てだまし絵。
街全体を見てみると、ほらこの通りだまし絵でいっぱいだ。
フランコ「だまし絵はこの街の伝統です。家に窓を作ると1つ1つが課税対象でした。
カモーリ人は税金は払いたくなかったけど、金持ちには見られたかったんです。
スゴイズルイでしょ?ふっふっふ。ズルいってこうやるんだよ!」
(片方の目の下辺りを手で押し下げるような感じでした。ちょうど“あかんべぇ~”をするような感じかな。)
三林「見栄っ張り!」
フランコ「ミエッパリ (日本語で言う)」
真地;そこで2人はだまし絵職人のお宅を訪ねた。
サラ「Buongiorno.」
そうすると女性が出て来ます。
真地;こちらがだまし絵職人のラファエッラさん、この道20年のベテラン職人だ。
すると我々の為にだまし絵を描いてくれるという。
まず描く絵の実寸大の型紙を用意し、デザインの輪郭だけを描いていく。
そしてローラーに針が付いた道具を鉛筆の線に沿って転がしていくと、下書きの絵と同じ穴の線が出来上がる。そして薄い布地に目の細かな土を包んで縛り、絵を描く壁に型紙を当てて叩いて行くと、
三林「オ~ 」
真地ナレーター;型紙を外すと、デザインの下書きが小さな点となって写しとられていた。
ラファエッラ「これはミケランジェロも使っていた技術です。」
三林「すごい凄い。拍手 」
ラファエッラ「ブラボー!ミケランジェロ!」
真地ナレーター;続いて顔料を解いて11色の色を作ると、
壁に直接塗って行く先ずは四角を4つ描くとダークイエローを調合、ディテールを加えて行く。
ラファエッラ「太陽があそこなら光はこうよ 。」
三林「あ~そういうこと。」
ラファエッラ「光と影がだまし絵の秘密なの。」
真地;最初に作った基本となる黄色を白い絵の具に入れて、光が当たる部分に明るい色を置いて行く。
逆に影になる部分には暗い色を混ぜ壁画に影を作って行く。そして描き始めてから2時間後――。
ラファエッラ「Finita 出来たわ!遠くから見てみて!」
そう言われて遠ざかる。
三林「よっしゃ~!この辺かな、あ~すごい!」
サラ「ア~スゴイ!」
真地;離れてみると、さすがはだまし絵。何もなかった壁に窓が浮き出したように見える。
三林「細かいなと思うのはこの辺の影ね。それとあと…この汚れ、なんとなくの。
さっきだまし絵のポイントは光と影って言ってましたが――、」
ラファエッラ「太陽の日差しはこの方向から当たります。朝10時頃の光です 。」
三林「でも光がこうなら影はこうじゃないですか?」
ラファエッラ「錯覚よ!錯覚を利用しているの。こう描くと窓の枠の厚さが表現出来るのよ 。」
三林「天才~ 」
ラファエッラ「Grazie .」
真地;街に戻ると3人は船でしか行けない場所へ向かうことにした。
フランコ「E qua sotto c'e' il cristo degli abissi una statua di bronzo.」
サラ「ココにはスキューバダイブをしている人がいるじゃないですか――、」
三林「うん、いるいる。」
サラ「海の中にはキリストの像があるそうですよ 。」
他の船に乗船している人に向かって支局長が「チャオ!キリスト像は見えましたか?」
船上の人達「見えたよ!ベリーベリーグ~ 。」
真地;これが実際の映像である。海底15mにキリストの銅像はたたずんでいた。
三林「なぜまた海の中にキリストの銅像があるんですか?」
フランコ「この海で友人を亡くした人が、故人をしのんで海中にキリスト像を設置したんだよ。」
真地;イタリアのスキューバダイビングの先駆者ダリオ・ゴンザッティは、
1947年ダイビング中にこの海で命を落とした。
その事実を知ったダイバーで親友のドゥイリオ・マルカンテはダリオを弔い、
そして海を愛するダイバー達の心のよりどころを作ろうと、
1954年イタリア海軍協力のもと高さ2.5mのキリスト像を海底に設置、
今やスキューバの隠れた聖地となっている。
街の中心部に戻るとメーンストリートには屋台が立ち並び、お祭りムードは一気に盛り上がっていた。
フランコ「今日はカモーリにイタリアの全部が来てくれてるよ!」
真地;確かに屋台にはイタリア全土の特産品が並んでいる。
サルディーニャ島名物ペコリーノチーズ、シチリア島名物アランチーニ
三林「だが特産品と言えば何と言ってもジェノヴァ名産ジェノベーゼソース。
新鮮なバジルをすりつぶし、松の実、パルメザンチーズ、オリーブオイル、ニンニクなどと合わせて作られる
ジェノベーゼソースは、よくパスタと絡めて食される 。
フランコ「コロンブスがアメリカ大陸を発見した時の伝説なんだけど、
このジェノベーゼソースの瓶詰をたくさん船に積んで航海したんだ。
ジェノベーゼソースがあったからこそ病気もせずに長い航海を続けることが出来たんだよ。」
真地;スペイン国王の命を受けバルセロナから出航したコロンブスだが、生まれはジェノヴァ。
命懸けの航海の為ふるさとの味を船に積み込み大海原で心細い時、口にしたのだろうか?
ようやく日が沈み始めた午後9時、街の守護聖人である聖フォルナートが乗った神輿が広場をねり歩いていた。
その後、像を教会へ戻すため選ばれし15人の屈強な漁師が、
500kgの神輿を担いで狭く急な階段を一気に駆け上がる。
三林「うわぁ!一気に行くんだ!」
サラ「スゴイ 。」
フランコ「スバラシイ!」
真地;続いて3人は騒がしくなっている海岸へ向かう。
するとそこにはライトに照らされた巨大なオブジェがあった。
映画「猿の惑星」のラストシーンからイメージした、壊れた自由の女神によく似ているが…。
一方右側にもオブジェが見える。
こちらは12世紀に神聖ローマ帝国の攻撃から街を守るジェノヴァ人の為に造られたという城門ソプラーナ門 だ。
夜11時、突然砂浜から火が放たれた。向かった先は先程の教会だ。
その後、聖フォルナートの祭られた教会は赤々と燃え始めた。
更にあの壊れた自由の女神像にも火の手が上がった。
そして大切なソプラーノ門もごうごうと燃え盛る。
カモーリ人にとって火は「感謝」を表す。
教会に火をともすのは聖フォルナートへ、
海岸のオブジェを燃やすのは母なる海への感謝の気持ちを表現しているのだ。
翌日ようやっと魚のフライにありつける。魚を揚げ始めるのは午前11時だが、
9時の時点で広場にはすでにこの人盛り。
巨大フライパンはキレイに拭かれ、近海で揚がった新鮮な青魚が続々と運び込まれる。
これは早く並ばなければ!と思ったら、フランコさんはあるテントへ向かった。
続く■ □1/2
だまし絵にした理由は税金逃れだったのかぁ。