最近林道の入り口で至近距離で見れるヤマドリの写真があちこちで出ている。

ヤマドリと言えばお参りしている県内のお山の林道でもたま~に遭遇するがだいたい遭遇の瞬間すでに飛び去っているのがデフォルト。

襲い掛かって来られるのは困るが近くであの姿、見れるものなら見てみたい。

 

いろいろ検索していると昨年の夏に山歩きをした際にヤマドリに見送られたというブログがあった。

随分古い話なのが引っかかるが場所もそれらしいのでダメもとで行って見ることに。

 

朝始発で地元を出発、初めて乗ったJRの線で終点の武蔵五日市駅。

そこからバスに乗って出かける。

車内十数人のうちそれらしい方は自分の他にお二人。

はたしてこんなものか。。。行き先はあっているのやら。

 

①線路はここで終わりの終点駅。駅の中には風情のあるステンドグラス。いい感じ。

 

バス停で降りて渓谷沿いの道をだらだらと歩いて約15分。もうすぐ8時といった頃合い。

 

②周囲が山の道を歩く。電線にはキセキレイ。夏のお山らしい雰囲気。

 

トイレが見えるあたりで人だかり。

そこまで舗装道路が続いていたが左にカーブした先は舗装のない道で車両が進行できないようになっている。

そのカーブから右に山に向かって林道が伸びている。

その路上にあらら30人以上の方が。ここで正解だったらしい。

おそらく鳥見の方以外来ないからか道路の真ん中に椅子、三脚の列と盛況な様子。

 

まったりとしたその場の雰囲気はさながら中高年の社交場。

カメラ談義や最近の鳥見のお話やら弾んでいる。

また別の集まりの方は林道分岐点のお立ち台の岩陰に雑穀らしい餌を撒いている。

そうかと思うと出を待つ間何度も「お立ち台」に餌を撒いている方に、出てこないのにそんなに撒いてもとぶつぶつ言っている方や。

また林道に入っていこうとする人にそっちからヤマドリが来るんだから奥に行かないと「交通整理」をする人もいれば、そういう「空気」を気にかけず林道と手前の道路を行き来する人あり。

なかなか最近人の集まる場所には行っていないせいか久しぶりに見た混沌の世界。

皆さんそれぞれ楽しそうであるが。

とりあえずお目当てが出るまではとその周囲をうろつきながら鳥の様子を窺う。

すぐ脇の渓谷からは勢いよくミソサザイのさえずり。

ヤマドリの出待ちに飽きた方は川原に降りてミソサザイ探し。

周囲の林の梢からはオオルリのさえずり。しかし遠い。

 

③林道わきの林。木の梢からオオルリの声が聞こえる。曇天の空抜けと真っ黒け。

 

車止めの向こう側の道を少し歩いてみた。

林の中、渓流沿いの道といい感じなんだがその時の状況なのかカラ類などの鳥の声が非常に寂しく、途中でいちどクロツグミの声を一度聞いたくらい。

なんかいい感じな場所だけにちょっともったいない感じ。

そのあたりでお会いした山歩きの方の話だと自分が見たブログの通り、ヤマドリは昨年から見られていて人気のない時期は車道に出て食べ物探しをしていたらしい。

自分の見ているヤマドリの習性とはえらい違い。

 

久しぶりのにぎやかな人だかりの界隈で二時間あまり、そろそろギブアップして10時台のバスで帰ろうかと思っている頃、不意に林道の奥からお目当てのヤマドリが飛び出してきた。

皆さん一斉にお話をやめてカメラを手に取り集中。その切り替えはさすが。

自分はといえば仕込み付の鳥は撮らないときっぱり回れ右すれば潔いが、3時間以上もかけてわざわざ来たし、次はいつ撮れるかもわからないとあって節操もなく自分も写す。

 

 

 

 

 

④林道の脇の茂みあたりから不意にお出ましのヤマドリ。せっせと撒いたもののおかげかお立ち台でゆっくりとポーズ。

 

撒いた方の思惑通り(撮った後お仲間と撒いて成功、と喜び合っておられた)お立ち台の上に乗ったヤマドリ。確かに絵になる。

(撒いていた方はこの日が初めてだったようで常時餌付けされていてのお立ち台かどうかはわからないが)

 

 

 

⑤お立ち台の岩でなくても背景は一面の新緑。普通に歩いていても赤い色が目立ちとても印象的。

 

その後林道の入り口当たり、雑草の実、種探しの様子。

しばらくお出ましのあと林道を少し入ったあたりの茂みで一休み。

そしてまた手前に、といった感じで約30分余り。

ヤマドリの動きにあわせて人も動く。

思わず撮っている方の前に立つ人。

車道の端で出待ちをする人たちにそこ、近すぎ!と声をあげる人。

人気の鳥撮りならではのいかにもの風景。いやにぎやか。

そのうちヤマドリは林道の奥に進んで姿を消した。

 

いろいろ複雑だがこの時期新緑の緑にひときわ映える赤、それに尾の長さと見栄え。

そのまま普通に茂み、道端を歩いていても十分絵には(自分には)なると思うがいい写真、という思いには上を見ればきりがないらしい。

 

すると皆さんやれやれ一仕事終了と緊張も一気に解消。

撮れた撮れたと喜ぶ人あり、さて用事は済んだと片付けだす人。

そのうち車道にずらっと駐車してあった車に乗って撤退する人、またのお出ましを待つ人とそれぞれ。

しばらく周囲の様子を見て11時過ぎに撤退。

戻る途中、このくらいの山の中の渓流だからと期待していたカワガラスを眺めてバス停へ。

 

 

 

⑥帰りに渓流を眺めていると岩の上でまったり動かないカワガラス。のんびりあくびに名物の「白目」ちゃん、久しぶりに見た。

 

11時台のバスに乗って帰宅、帰ったら地元では午後2時を過ぎていた。

新幹線に乗っていれば大阪まで行って帰って来れる時間。

東京は近くて遠い。やれやれ。