美術作品にまつわる人間模様の物語。


全体的に暗いです。

暗いながらも、それぞれのストーリーの最後にかすかな光が見える、そんな印象を受ける作品でした。


それぞれのストーリーがバラバラで、全体的にまとまりがない気がしていたのは、書かれた時期が飛び飛びだったからなのですね。


個人的には、「富士山のハンマープライス」が好きでした。

亡き親友の仏壇の前にゴッホの絵を飾るために、史上最高金額で競り落とす老人の話。

主人公の老人がとった行動は突飛だけれど、最後は親友とあの世とこの世で、ゴッホの絵を前に、酒をくみ交わせていたらいいですね。


絵画作品に限らず、美術品といわれるものの所有者は、次世代へ受け継ぐ継承者でもあるのだなと、この作品を読んで感じました。新たな発見でした。