初読みの作家の作品です。
本屋の文庫コーナーに平積みされていて、気になって手に取った本。私好みのお話でした。
ああ、これだから本屋巡りはやめられない。
何百、何千という本の中から、気になる本を選んで読んで気にいる確率ってどれくらいなんだろう。
今回は、その極めて低い確率にスマッシュヒットした作品でした。
他の本も読んでみたいと思って調べたら、続編がでているとのこと。それも読みたいわ。
今回のお話。連作短編集で、12の物語からなっています。1編20ページくらいなので、隙間時間に少しずつ読めます。
みんなどこかで誰かと繋がっている、不思議な繋がりのある話で、読んでいくと前に出てきた登場人物がさらりと登場したりして、面白いです。
短編のサブタイトルにも面白い仕掛けがあり、色と都市が書かれています。最初なんだろうと思っていたけど、短編のテーマカラーでした。それぞれの短編にテーマカラーがあるのは初めてでした。
印象に残ったのは、「あなたに出会わなければ」の中の一節。
「きっと知らずのうちに、わたしたちはどこかの人生に組み込まれている。」
自分自身が誰かの影響を受けているように、私も誰かに影響を与えている。人は1人ではないのだな、と妙に感慨深いものを感じました。
続編があるので、それも読んでみようと思います。