桜風堂ものがたりの続編にして、完結編です。

前作の桜風堂ものがたりは、初っ端が理不尽で読んでいて辛く、なかなか読み進められませんでしたが、本作はさくさく読めました。

本作で新しく登場する人物もいれば、前作で伏線を張っていたものを回収するストーリーもあったりと、さらに桜風堂ものがたりを楽しめるお話です。

町の本屋さんの現状を知ると、なかなか世知辛いものがありますが、その中でも本屋店員の創意工夫でなんとか本を売ろう、お客様に満足してもらおうとする姿勢は、心温まります。

本作で心に響いたのは、
「地球は揺り籠のように、たくさんの命の思い出を抱いて、宇宙を巡ってゆく。」
作中で登場する小説「四月の魚」の一節です。
「四月の魚」は作中小説のため、あらすじを知ることは出来ても実際に読むことはできません。これだけ作中の多くの登場人物やお客様を虜にした「四月の魚」を読んでみたいですね。村山早紀さん、書いてくれないかしら?

本作の主人公である月原一整を中心に、さまざまな人の協力を得て迎える大団円。
他人の幸せを願う登場人物たち触れて、心穏やかで優しい気持ちになれました。