タイトルの「江の島」や「ねこもり」に惹かれた本です。

食堂「半分亭」に来るお客様がメインではなく、食堂を営む曽祖母、祖母、母、娘の四代に渡る女性たちの物語です。100年後には誰も彼女たちを知る者はいなくなる、そんなごく普通の女性たちを描いています。
 
「ねこもり」は猫守りですが、猫がメインだと思って読むと「なんか違う?」と感じると思います。あくまで人間(女性)が主人公です。
猫が奇跡的なことをするわけではないのですが、一歩踏み出せないでいる女性や、素直になれない女性に、猫は小さな勇気や優しさを与えてくれます。そこがリアルでありながら、不思議な縁も感じます。

曽祖母、祖母、母、娘、の四代に渡って受け継がれいく生命。数年前にこの本を読んでいたら、私の人生も変わっていたのかしらん。先祖から受け継がれてきたこの生命を次の生命へと繋いでいくよう行動していたのかな。
まあ、この本は2017年2月第1刷発行だし、たらればを言えばキリがないか

派手なストーリーではないけれど、味のある台詞が心に染みます。

「きっとさ、神様は筆ちゃんに、普通の人とはちょっと違う速度で歩く人生をお与えになったんだ。だから、何も気にすることはない。筆ちゃんの歩幅で進めばいいの。」

自分へのメッセージのような気がしてホロリときました

そしてもう一つの台詞。

「頭で考えた返事はいらないから」
「え」
「あ、ごめん。今の状況とか周りの境遇とかこれまでのいきさつとか、頭で考えちゃうと、『無理』って言葉しか出てこないでしょ?だから俺は、佐宗さんの心の返事を待ちます」

この台詞、まさに自分のことのよう。
心よりも頭が先に動くからなぁ。

夏が過ぎたら、江の島へ行って見たくなりました。江の島丼、食べたいな。猫にもご挨拶したい。たまには損得感情なしに、心で感じるままに行動してみようかな