神様のコドモ目線から見た「この世」の様子を描いた42編の短編集。

1編が短すぎて結末がないものが多く、個人的にはすっきりしない感じがしました。結末は読者の想像にお任せします、ということでしょうか。

最初は面白い話が多く、だんだんホラーばかりになり、最後はホラーというよりブラックですね。

その中で心優しくなれたのは、「タンポポ」。
93歳のおばあさんが25年前に一万円札の隅にタンポポの絵を描き、そのお札が回り回って自分の元へ戻ってくる話。この一万円札がもし自分の元へ戻ってきたら、亡くなった夫が会いに来てくれると願いを込めて、手放した一万円札。そのお札が25年経って戻ってきたということは、そのときがもうじき訪れるということ。おばあさんは恐れることなく、夫の遺影に向かって「待ってますよ、お父さん」と話す様子は、心穏やかにジーンときました。

ダークな話が多かっので、この「タンポポ」は優しく感じました。