風早の街シリーズのお花屋さん「千草苑」の家族であり、植物と話ができる花咲家のお話、第3弾です。
花咲家の祖父、父、長女、次女、末っ子(長男)、飼い猫のそれぞれが短編の主人公となる連作短編集。
「花咲家の旅」とあるように旅がモチーフになっています。自ら旅に出る者、昔の旅行記を語る者、行く気はないのに旅をさせられてしまった猫など、バリエーションに富んだ旅物語です。
個人的には、次女が父から話を聞いて訪れた「鎮守の森」の話が好きですね。
花咲家の遠い親戚であるおじさんが辿った数奇な運命。あと少しで別れた妻子に会えるという時に、大きな決断をすることになったおじさん。そのおじさんの決断に胸打たれました。電車で読んでいたにも関わらず、思わず涙ぐんでしまうほど。愛故に美しい。心に響くお話でした。
植物と話ができる不思議な能力を持つ花咲家のお話。魔法やファンタジーが好きな方にお薦めしたい本です。
