何かのきっかけで、図書館で予約した本です。そのきっかけが全然思い出せず、またどうやってこの本を知ったのかさえ思い出せないという(笑)。夏ボケ!?

読んでいて、希望が持てる本でした。
希望と言っても、未来に夢見る夢子ちゃん的な希望ではありません。
日々の暮らしを精一杯生きている人間の辛酸の先にある一条の光のような希望。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、これから主人公の行動によってハッピーエンドになるか否か。
5編の短編集ですが、どの短編もそのような終わり方です。

タイトルの「神様のケーキを頬ばるまで」。同タイトルの短編がなかったので、どういう意味なのか気になりつつ最後まで読むと、なんとなく意味がわかります。

人は出会いと別れ(対人間だけでなく)を繰り返して、いろいろ学んでいくのだなぁ、と感じました。恋愛や職場、勤務地など、人や場所や状況が変化していく中で、自分も変わっていく。もちろん、変わろうとしないと変われませんが(笑)。

登場人物はどこにでもいそうな、ごく普通の人たちで、だからこそ身近に感じて感情移入できる作品でした。

どの短編も好きですが、特に「龍を見送る」「塔は崩れ、食事は止まず」の2編が好きです。

「龍を見送る」は、客観的に物事を見ながらも、感情を割りきることができない部分が共感できます。私も同じことするだろうなぁ。
相反する2つの願いを持った時、人はどんな決断を下すのか。考えさせられますね。

「塔は崩れ、食事は止まず」は、短編の登場人物たちがいろんな想いを抱えて過ごしてきた塔(ビル)が崩れなくなっていくけれど、登場人物たちは想いを胸に巣立っていく様子が目に浮かぶようで感慨深いものを感じました。

かすかな希望を感じたい人にお薦めしたい本です。