主人公の瑞輝が、祖母から受け継いだ北関東にある外国人向けアパート「ランタン楼」で起こる様々な問題に対峙することで成長していく、連作推理短編集。
一言で言ってしまうと、こんな感じ(笑)。
タイトルと表紙絵で購入した文庫でしたが、なかなか楽しめました。
単行本の時のタイトルは「アンジャーネ」。このタイトルだったら買わなかったですね。(^_^;)
アパートの話でありながら、あくまで主人公は瑞輝。アパートの住人は、それぞれの短編のゲストになっているのが、印象的でした。そのためか、瑞輝の心情や成長が丁寧に書かれていたように思います。
その一方、もっと登場して欲しいゲスト住人については、もの足りない感じもあります。
個人的に気に入った短編は、「住人祭」。
ミステリーながらも、心理描写がしっかりしていて、淡々と進みながらも予想外の展開を見せてくれます。
それまで、近隣住民から厄介者のように思われていたランタン楼の住人たちでしたが、近所の人たちと適度な距離を取りながら少しずつお互いを理解してゆく様は、ほのぼのした暖かい気持ちになれました。
ランタン楼の様々な国籍の住民が起こす問題は、まるで様々な世界料理のようでいろいろ楽しめる作品でした。
