タイトルの通り、こわい話が沢山詰まった短編集です。

こわいといっても、血みどろのおぞましい恐さではなく、畏怖を感じさせる怖さです。
非日常の世界、この世とあの世の曖昧な境界で不思議な出来事が繰り広げられています。

前半の短編集は、主に神隠しがメイン。子供の純粋無垢だからこその残酷さ、怖さが光る作品集です。

後半の短編集は、大人だからこそ切り捨ててしまいがちな、様々な不可思議な出来事がちりばめられています。

私が印象に残った短編は、「再見」。

たった5ページの短編ですが、美しさと哀しさと懐かしさと優しさが詰まっています。

故郷の晩夏の儚くも美しい様子が想像でき、しばしその余韻を楽しみたい作品です。

作者の香月日輪さんは、昨年12月に51歳の若さで亡くなられました。
ご冥福をお祈り致します。