「あずかりやさん」や「猫弁」でお馴染みの大山淳子さんの作品です。

雪のように真っ白な猫「タマオ」が、命の恩人である理々子に恋をする物語。

タマオはひょんなことから、夜限定で人間になって理々子を助けたり、空を飛ぶ猫が登場したりと、ファンタジー色が強いけれど、物語の根底にあるのは理々子への恋心。

物語はコミカルだったり、シリアスだったり、切なくなったり、まるで気まぐれな猫のようで面白いです。

それにしても、猫の生態に関する描写が詳しく書かれていて、作者の猫好きが伺えますね。(^^)

雄の白猫「タマオ」と、雌の黒猫「イヴ」が登場しますが、個人的には「イヴ」が好き。
「イヴ」が成し遂げられなかったことを、「タマオ」が成し遂げた場面は、思わずウルッときました。
「ぼくらはぼくらにできることをするしかないよな?」

カッコいいよ、タマオ!
ブラボー、タマオ!


最後のタマオの場面、雪が静かに降り積もり、全てを覆い隠す情景が、哀しくも美しく、切なさの中に希望がある。
悲しいはずなのに、暖かい気持ちになれる終わり方が印象的でした。

猫好きな人に、特にオススメしたい本です。