草おばあさんが活躍する生活密着型ミステリーの続編です。

本作品は、連作短編集です。
それぞれの短編で解いた謎が、最後にひとつになって大団円を描いています。
個々の短編でも十分楽しめるけれど、最後まで読み終えると、より楽しめる作品です。

今回、草おばあさんにアクション映画さながらの危機が迫りますが、
そこは76歳の草おばあさん。全く動けません(笑)。
どんなアクションシーンもこなす超ウルトラおばあちゃんではないところが、
妙にリアルで、生活密着型ミステリーを感じさせます。

早足で歩いて息を切らせたり、湿布を貼ったりする
身近にいるおばあちゃんに愛着感がわきます。

本作品で印象に残ったのは、「水無月、揺れる緑の」。
女子高生独特のあやうい雰囲気が漂う短編です。
憧れ、妬み、友情、孤独。
様々な感情が渦を巻き、人々を巻き込んでいく。
静かな嵐の中で、静かに蠢く想い。
油絵の道具を燃やしたのは誰だったのか。
旧講堂の窓辺にいたのは誰だったのか。
真相に辿り着いた時、自分だったら同じようにしただろうかと考えさせられました。

登場人物が増え、ライバル店が現れ、ますます草おばあさんの周りは賑やかになります。

ただ謎を解くだけでなく、その謎に寄り添う想いにも焦点をあて、丁寧に描かれているので、何度も読み返したくなる作品でした。