ルリユール・・・本が貴重品だった頃のヨーロッパで、オーダーメイドで表紙をつけたり、古くなった本をまた新しく装幀し直す仕事

この本を読んで初めて、ルリユールの仕事を知りました。
本がとても高価なものだった時代、革の表紙に金箔を押したり、美しい装幀本にして、代々受け継がれていたとのこと。
たしかに美しい革張りの表紙の本は、一種の芸術品ですよね。

この物語は、ルリユール職人であるクラウディアと、風早のおばあちゃんの家にやってきた中学生の瑠璃との不思議でせつなくも優しいお話です。
場所は、風早の街。コンビニたそがれ堂のある街ですね。またひとつ、風早の街に素敵な場所ができました♪

ひょんなことからクラウディアに弟子入りをした瑠璃。
クラウディアの「ルリユール黒猫工房」を訪れる様々な人・本を通して、
実のお母さんのために本を作る決心をします。
家庭事情がちょっぴり複雑で、育てのお母さんとお姉さんはそれぞれ人には言えない闇を抱えていたり、
瑠璃自身も自分の選択に迷い悩みもしますが、最後は静かに優しく温かいフィナーレを迎えます。


個人的には、第三章の黄昏のアルバムの話が好きでした。
みよ子さんのセリフには、おもわず泣けました。
「いつも幸せでしたね。ずっと幸せでした。最後の瞬間まで、そのおうちで幸せだったんです。だからね、だからあなたはこれからも幸せでいてください」

家族が死んだのは自分のせいだと、自分を責め続ける智史にとって、これ以上ない救いの言葉だったに違いないと思うと、ただただ胸がいっぱいになります。


第四章のクラウディアの肖像画は、私の好みど直球でした。
「宝冠を被り、炎のような色の長い赤毛が肩に背に波のように流れ、一冊の本と剣を胸に抱き、青い瞳はこちらを向いて微笑んでいる。」

う~ん、まさに本の守護者。美しい~キラキラ

ファンタジーの定番である黒猫や魔女、ドラゴン、魔人などが好きな方に、お薦めです。
本が好きな方にも、お薦めしたい本ですね。