ビブリオバトルでこの本を知り、タイトルと表紙絵に惹かれて、手に取りました。
内容は、免穢地と呼ばれる世間から隔絶された施設で暮らしていた宗教団体の教祖の16歳の娘が、
教祖の死により、後継者として信者を導いていくため、
以前世間(外の世界)へ旅立って行方不明になっているもう一人の後継者である兄を探しにいく話です。
産まれてからこのかた、一度も外の世界を見ずに育ってきた純粋培養のお嬢様である静と、
静のお世話係だった手塚と二人で外の世界へ探しに行きますが、
早々に二人がはぐれてしまい、静は一人で兄を探すことになります。
相田という名の女性や、杉本という名の男性に助けられながら、兄を免穢地へ連れて帰る使命を果たそうとする静。
兄は見つかるのか、これからの静の運命はいかに。
三文小説ならぬ、三文要旨ですが、内容はざっとこんな感じです。
外の世界を知らない少女が、外の世界へ出ようとするだけでも勇気がいるのに、
外の世界は穢れていて、この免穢地だけが救いの地であると教えられて育ってきているから、
その勇気はどれほどのものだったのだろうと感じると共に、教育って大事だなと改めて考えさせられました。
タイトルの「不浄の塔」とは、スカイツリーのことです。
ちなみに、お金を「汚財」、外の世界の住人を「泥人」と宗教団体では呼ばれていました。
作者の細かい設定が、より話をリアルにさせているように感じます。
設定が細かくて、言葉に慣れるまでくどい感じがしましたが、慣れるとスイスイ読めます。
タイトルの「四月、不浄の塔の下で二人は」。
「二人は」の後に続く動詞が、小説の最後に解き明かされます。
「二人は」何をしたのか。
静の決意の前半部分は予想通りでしたが、後半は予想を外しました。
ここまで来て、こういう展開!?と。
まあ、この展開もありだとは思いますが、静の選択にせつなさを覚えます。
静の今までの16年間は取り戻せないけれど、
これから少しずつ足りないものを補って幸せになってくれたらいいなあと思いました。
それにしても、室木が女性だったとは…。
