時代は江戸。菓子職人一筋の兄と、菓子司「藍千堂」を切り盛りするしっかり者の弟が、あらゆる困難を乗り越えて、「藍千堂」を営んでいく話です。

商売仇からの嫌がらせに何度も合いながらも、知恵を絞り、機転を利かせて、転んでもただでは起きない粘り強さをみせる二人の兄弟を、ついつい応援したくなります。

菓子を通して、父との懐かしい思い出や、亡き人との馴れ初めの思い出、逝ってしまった春の季節、亡き親友への想いなど、様々なものと向き合う人たち。

時に優しく、時に厳しく、時に悲しく、時に静かに、菓子が人々の心の奥に眠る想いへと誘っていく。

私が「藍千堂」の菓子に出会ったら、どんな想いを感じるのでしょう。

この作品は、話の内容が面白いだけでなく、登場人物が魅力的です。

「藍千堂」の兄弟を見守る茂市や総左衛門、弟に惚れている商売仇の娘、侍の岡の旦那などなど、どの人物をとっても惹かれます。

どの人物が主人公であったとしても、スピンオフ作品として、しっかりした話が出来上がりそうな感じがします。

もしスピンオフ作品がでるなら、茂市の兄弟観察日記なんか面白いかも(笑)。


たかが和菓子、されど和菓子。

また一冊、素敵な和菓子屋話に出会うことが出来ました。
感謝。