青春ミステリーアンソロジー 「猫とわたしの七日間」
秋山浩司・大山淳子・小松エメル・水生大海・村山早紀・若竹七海

この作品は
「事件が起こる場所には、いつも『猫』が現れる」
「事件の謎をめぐる『七日間』」
という二つの共通設定で、6人の作家が書いているアンソロジーです。

ほのぼの話あり、ドキドキ話あり、ほろり話あり、ゾクゾク話あり、多種多様です。
殺人、殺猫の本格ミステリーもあれば、手品の種明かし風ミステリーもあり、一冊でいろいろな味がたのしめる本です。

青春ミステリーとありながら、どう読んでも漆黒ホラーにしか思えない作品もあります。

いや、ほんとに怖いんだって。
「この世で一番怖いのは人間だよう」という声が、どこからともなく聞こえてきそうです。

個人的に好きな作品は、
小松エメルさんの「消えた箱の謎」、
村山早紀さんの「踊る黒猫」、
大山淳子さんの「ひだりてさん」です。
ほぼ半分(笑)。

小松エメルさんの「消えた箱の謎」は、大学生のゼミでのミステリー。
物が消えるというミステリーに、「思い込み」という名のトリックが仕掛けられています。
「単純明快、気分爽快、これぞ青春ミステリー」なんていうと大げさですが、なかなかに面白い作品です。
最後に一言。「がんばれ、川嶋先生」。

村山早紀さんの「踊る黒猫」は、ダークファンタジー風のミステリー。
黒魔術、魔法陣、呪い。まさに、ダーク。
ダークな話だからこそ、最後の1ページがキラキラキラキラ輝いてみえます。

「先輩の描いた優しい世界は、あの頃確かに誰かの心に届いていた。」

この一文にほろりときました焏。

大山淳子さんの「ひだりてさん」は、「あずかりやさん」のスピンオフ短編です。
この「あずかりやさん」、半年前に図書館で予約しているのに未だ順番が回ってこない人気作品です。なので、本編よりも先にスピンオフ作品を読むことになりましたが、ますます「あずかりやさん」が読みたくなりました。

このほのぼの感、好きですね。しかも、くすりと笑える部分もあって。

40ページの中に心暖まる話が3つも入っているうえに、スピンオフ作品しか読んでいない私でも話がわかる。人気があるのも分かる気がします。

印象に残ったのは、店主のことでした。

「人がかかえきれないものを店主は引き受ける。じゃあ、店主のかかえきれないものは誰がひきうけるのだろう?」

このくだり、母性本能くすぐられますねえ(←私だけ?)。
話がシリアスな展開を迎えるかと思いきや、

「そこまで考えたら、寝てしまった。のんきで寝たんじゃないの。猫は寝るのが仕事なのよ。」

って、おい。寝るなって。ここからがいいところなのに~。所詮、猫は寝子でした(笑)。

ほとんど初めましての作家にもかかわらず、「猫とわたしの七日間」のタイトルに惹かれて読んだ一冊。
またまた、私の読みたい作家の引き出しが増えました。

読書って、楽しい♪