面白い本でした。
早く続きが読みたくて、一気読みしました。

何が面白いか。

まず第一に、登場人物が魅力的であること。

「立花君、最高~!」と叫びたくなるほど。(立花君は、主人公ではありません。)

第二に、たんなる謎解きミステリーではなく、笑いやホロリとくる場面もあること。

第三に、和菓子に関する知識が豊富なこと。

まず、登場人物が魅力的であることについて。

主人公は、高校を卒業して、進路の決まっていない
ぽっちゃり体型の18歳の女の子、梅本杏子(通称 アンちゃん)。
その彼女がデパ地下の和菓子店「みつ屋」でアルバイトをすることになり、
店長や同僚と一緒に働きながら、和菓子の奥深さに気づき、
また、お客様や同僚たちの隠された謎に迫っていくミステリー小説です。

主要な登場人物は4人(5人か?)。

ぽっちゃり可愛い主人公の梅本杏子(アンちゃん)。
落ち着いた感じの大人の女性である「みつ屋」の椿店長(中身はおっさん)。
知識が豊富な和菓子職人志望のイケメン店員、立花くん(中身は乙女)。
可愛らしい女子大生店員、桜井さん(実は、元ヤン)。
そして、立花くんの和菓子職人の師匠、松本さん(外見がヤクザ)。

見た目と中身にギャップがありすぎて、面白いです。
裏タイトルは「アンちゃんと愉快な仲間たち」(←勝手に命名)

特に私のおすすめは、乙女モード全開の立花くんとそれを軽くあしらうアンちゃんのやりとり。
座布団、5枚くらいあげたいです!!

第二のたんなる謎解きミステリーではなく、笑いやホロリとくる場面もあることについて。

トリックに固執するのではなく、ミステリーはあくまで物語のスパイスで、
その謎に隠された人物の過去、思い、願いが話の中心になっているので、
ほっこりしたり、しんみりしたり、読んでいて清々しい気持ちになります。
この「和菓子のアン」は、ミステリーという言葉より、とんち、なぞなぞ、言葉遊びというほうが似合っているかもしれません。

第三の和菓子に関する知識が豊富なことについて。

この本を読むと、和菓子について知識が増えること間違いなしです。
和菓子用語がよく出てくるけれど、初心者でもわかるように説明されているので、とても読みやすいです。

そして、読みながら無性に和菓子が欲しくなります(笑)。

以上の3つの点から、「面白いから読んでみて!」と人に薦めたくなる本です。
そして、続きが気になる本でもあります。
アンちゃんと立花くんの関係はいかに!?

最後に、私が印象に残った会話を。

アンちゃん「でも占いが白紙っていうのも、ちょっと面白いですよね」
店長「あら。なんで?」
アンちゃん「未来が自由、って気がしませんか」

私が過去にタロットリーダーをやっていた時、
占いに縛られる人(占いが全てと思っている人)を何人も見ていたので、
そういう人にこの白紙の占いを引いてもらいたいな。
「未来は自由なんですよ」って。