今年最後の感想文は、青井秋さんのデビュー作「爪先に光路図」です。

この漫画は、以前ご紹介した「ステラリウム」と同様BL漫画ですので、同性愛やBLが苦手な方はこの感想文を読まないでくださいね。


「爪先に光路図」は、表題作の「爪先に行路図」、「さかなの体温」、「八月、夏の底」の3つの短編作品からなっています。
またそれぞれの作品の書き下ろしショートショートストーリーが3編入っています。

「爪先に光路図」は、帯に『人見知りな学者と面倒見のよい助手のゆったり恋物語』とあるように、静かに穏やかに、しかし確実に、お互いの存在が無くてはならないものへと成長していく恋物語です。

「爪先に光路図」とは不思議なタイトルだなと思い、読み込んでみると、「指先」の言葉は何度か出てくるのに、「爪先」は出てきません。

タイトルを「指先」ではなく「爪先」にしたのはどうしてだろうか?と考えてみました。
私個人が思うに、指先より爪先の方がより先端にあるので、
幸せな光溢れる未来が自分の手を伸ばした先、かろうじて爪先に届く位置にあることを表しているのかもしれません。

もしくは、キノコは地中にある菌床の指先みたいなもので、菌糸が雨に焦がれて指先を伸ばすように、
助手が自然と学者に焦がれて、指先より先にある爪先を学者へと伸ばすように、学者に惹かれていくことを、表しているのかもしれません。

あくまで、私個人の推測なので、真実は作者のみぞ知る、と言うことになりますが(笑)。

絵はストーリー同様、繊細かつ緻密です。
キノコやシダや毛虫や鳥や蝶や鉢植えの植物や採集した植物を入れた瓶や食事の絵まで、細やかに描かれています。味噌汁や炒めものの中にエノキを確認することができるくらいです(笑)。

本のカバーを外した表紙、裏表紙に描かれている植物や魚のデッサンを見ても、実力のある絵師だとわかります。

BLが苦手な人も、この方のイラストは見て欲しいと、切に願います。

青井秋さんのBLは、軽いキスくらいしかないので、BL初心者に自信を持ってオススメできる本です。

素敵な漫画家に出会うことができました。青井秋さんの今後のご活躍が楽しみですラブラブ


三浦しをんさんの「三四郎はそれから門を出た」に影響されて、本の感想やご紹介をブログに書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?

気になった作品などありましたでしょうか?

ブログに感想を書くことが楽しくて書き続けてきました。
もしその副産物として、作品と皆様との橋渡しが出来ていたのなら、幸いです。

今年最後のブログになりますが、
皆様、どうぞよいお年をお迎えください睆。