674回目のブルース・スネア編

〜dwの12インチ〜


若かりし頃…

かなり無謀にボストンへ。

ちなみに自分は英語は全然話せない。

でも、色んな人に助けられながら

何とか無事帰国しました。


約3ヶ月くらいかな?

最初の1ヶ月はもうどうやって

生きていこうか悩むほどだったけど

残り2ヶ月は

なんだろね、言葉は全然覚えられなかったけど

かなり充実した時間を過ごせた。


ボストンでの話は…

まぁ、あまり立派な話はないので(笑

唯一話せるスネアドラムの話を。


ボストンで毎日みたいに通った楽器店。

なぜかというと…

お店の試奏用に置いてあった

スネアドラムに一目惚れしたから。


正直、今より全然知識も無いし

何が良きスネアかなんて

ホントわかってなかった。


でも楽器店に行くと、いつも

ジャズドラムのおじいさんが

そのスネアドラムを試奏していた。

おじいさんもかなり気に入っていたらしい。

でも、

そのスネアドラムは非売品で

絶対売らないモノだった。


自分は英語話せないから

ボストンで知り合った日本人の友達に

付き添ってもらって

交渉させてもらおうと思って

楽器店へ向かった。


友達が話を聞いてくれたら

『絶対売らない』と頑なに断られた。


その時、もう日本語交えて

『どうしても欲しい!』と伝えた。

店長のおじさんがニヤニヤし始めて

『帰国するまで毎日楽器店に

通ったら検討する』

みたいな事を言ってくれた。


そこから2ヶ月…

ひたすらアパートメントから

1時間くらい歩いて通ったね。


でも、そのスネアドラムを欲しいという人が

沢山いたらしく試奏は順番待ち。

自分はいつも何時間も

ただその試奏を眺めて帰っていた。


帰国が決まって、

楽器店へ行くのも最後の日。

お世話になったお礼の挨拶だけでも

しようと思ってお店に入った。


試奏スネアが無くなっていた。

あ〜やっぱり誰かに売れちゃったか。

最後に一目見たかった。


すると店員のおじさんが

『ちゃんと約束守ったから』と言って

スネアケースに入れて準備をしてくれていた。

泣いたね、もう嬉しくて。


既に25年前の話だよね…

夢見たいな話だ。

そのスネアドラムのメーカーも

なぜ皆んながそんなに試奏していたかも

なにもわかってない自分に

譲ってくれたのだ。


それがコチラのdwのスネアドラム 。

クラビオット単板メイプルの

12インチだったのでした。


日本に戻ってきてから

きちんと調べたら…

とんでもないスネアドラムだった事が判明。


今ではバンドで使うには

パワーが少し足りないのと

ウチのボーカルの音域とスネアのピッチが

高いところで合いすぎてしまうので

アコースティック編成の時などに

使ったりしています。


今は身体が線維筋痛症になってしまって

活動休止してますが

またドラムに向き合えるようになったら

本来のdwの音を探して

良き音を鳴らしてあげたいと思います。


でも、なぜ

あの楽器店のおじさんは

自分に売ってくれたんだろう…。

あのジャズドラムのおじいさんが

使ってあげた方が幸せだったかも…


それでも、譲ってくれたおじさんには

やっぱり大感謝なのだ。

自分の唯一のボストンの思い出。


今はグレッチのスネアドラムでの

音作りと格闘中です🥁


やっとわかり始めたスネアドラム 。

ドラムの事もホント

最近わかり始めてきた気がする。


昔の楽器には

作ってくれている

素晴らしい職人さんの思いとか

歴史とか色んなものが詰まってる。


早く身体を治して

バンド活動とかライブにはまだ戻れなくても

スネアドラムのチューニングくらいは

出来るようになりたいです。

大事にこれからも使っていきたいですね。


まだ、

スネアに叩かされてる感じです😎