こんにちは、松尾です。梅雨に入りました。
~♬ 夜明けの雨はミルク色、静かな街に ささやきながら降りてくる 妖精たちよ~~
ユーミンが静かに降る雨のことを優しく歌って、50 年は経つのでしょうか、降り止まぬ雨を見ては、ユーミンの歌声が頭の中でリフレインしてます。
近年の雨は、大雨や台風で川が氾濫するような激しさで、日本各地で災害が起こっています。
被災された方々にはお見舞い申し上げるとともに、今後も注意しながら過ごしていきたいものです。
今日はAさんのお話。Aさんは“人工授精を土曜日にしたい”という方でした。
診察で「ひょっとしたら、木曜日くらいになるかもしれない。」の医師の言葉に、それでも「土曜日がいい。」と言われます。ご自身のお仕事の都合かな…と思って、診察後にお話をすると「平日の朝に採るの、きついんじゃないかと思って…。」と夫を気遣うお気持ちからでした。
夫に「平日は困る。」とはっきり言われていなかったので、まず、聞いてみようとなりました。
「卵の大きさから人工授精が木曜日になりそうなんだけど、木曜日に採ってくれると私、助かるなぁ。」と言ってみて、とアドバイスを添えました。
そうして家に帰ったAさん、夫に話すと「そんなことならいつでもいいよ。」と言われたそうです。
「えっ、そうだったの~!!」Aさんはビックリ。
しばらく夫と話が出来ず、治療をどうするか迷われていたので、久しぶりに今後のことを話せるきっかけにもなったと嬉しそうに報告がありました。その後体外受精の説明にも夫婦で来られ、時間は少しかかりましたが数回の治療で妊娠・出産に至りました。
私がアドバイスしたという言い方は、実は今、小学生でも習います。
「ふわふわ言葉」と言って、誰も直接的に傷つけない言い方として授業で教えられるそうです。
ただ「ふわふわ」になると、焦点がぼやけてしまうので、大人には「わたしメッセージ」とお伝えします。
この言い方の主語は「私」。要するに「私」+「状況」+「感情」を文章にします。
例えばこういった文章を書く依頼をされた時、「そんなのめんどくさい、そんなことさせるな!」というのは「あなた」を主語にした言い方。「私はただでさえ、文章を考えるのとっても苦手で、だからできないと思います」が私を主語にした言い方。
同じ「出来ない」の言い方でも後者の方がよく伝わると思います。
前例の人工授精のケースで、感情にまかせた会話をすると、
(妻)「あなた、木曜日に人工授精だから。採精お願いね。」
(夫)「えっ、木曜日!?だめだよ。」
(妻)「なんでだめなの、これまで頑張って診察に行ってたの私よ、なんでだめなのよ。」
(夫)「木曜日は朝から会議があるんだ、急に言われても困る。」
(妻)「仕事しながら診察に行ってる私の苦労、なんでわかってくれないの、朝採ってくれたらいいだけじゃない。」
(夫)「朝採るのは大変なんだ、俺の苦労もわからないくせに…!」
と、相手の感情を害して会話自体が成立しなくなることもあるでしょう。
お互いだんだん話すのが嫌になってしまったり、気を使い過ぎたり…。
「私の気持ちをわかってほしい」という時には、ちょっとコツは要りますが、”心して伝える”意識が大切です。
自分の気持ちを伝えられない方は意外に多く、「自分はBの治療したいけど、夫はAでいい」と言う、「夫に検査を受けてほしいけど、検査を受けてくれない」など悶々とされている姿をお見受けします。
こういったことで悩んでいる時間は、労力ばかりが要り、解決していく日まで尾を引いたりと精神衛生上よろしくないです。
価値観の違いもあるので、言い方を変えてすべてが解決するわけではありませんが、夫だけでなく、職場、友人、子供とのコミュニケーションの質を良くしてくれる伝え方なので、覚えておくといろんなところで活用できます。抱え込むタイプだといわれる方は、ぜひトライしてください。
自分の気持ちを伝えることは、とても大切なことです。
そしてもし、あなたが何かを伝えたとして、あなたの期待通りになるとは限りませんが、相手の行動が変わったのなら「考えてくれたのね、ありがとう。」という言葉も忘れないようにしたいものです。
そう、どちらにも歩み寄りは必要です。
「一日、立ち仕事して足が痛いんだ、足をさすってくれると嬉しいなぁ。」と伝えたら、それから毎日、足腰をマッサージしてくれた、というご夫婦もいらっしゃいました。
「そりゃ、よかね~~♡♡♡」
(カウンセラーとしてはニンマリ、松尾は肩に手が廻らず、湿布がヨレヨレになりながらも本日も奮闘中!!)