高田 ひろお(たかだ ひろお/1947年3月28日~)は、日本の作詞家、絵本作家、脚本家。日本の歌謡曲で史上最多のシングルレコード売上を記録した“およげ!たいやきくん”の作詞者として知られる。

 

 

 

1947年3月28日、高田ひろおが生まれる。北海道釧路市出身。

希望学園釧路第一高等学校(廃校・買収後に統合され、現:北海道釧路明輝高等学校)を卒業後に上京。

日本大学法学部に進学して弁護士を目指す。

 

大学院まで進んだものの、「弁護士(合格)には時間がかかる」と言われたため法曹志望を断念。

 

25歳の時、作詞家の星野哲郎(ほしの てつろう/本名:有近 哲郎[ありちか てつろう]

/1925年9月30日-2010年11月15日)に弟子入りする。作詞家や絵本作家を目指した理由は、都会の子どもにも故郷の釧路のような自然に触れてほしいという思いから。


絵本作家からスタートし、子ども向けの楽曲の作詞を多く手掛ける。

 

 

1975年、児童向けテレビ番組『ひらけ!ポンキッキ』で新しい歌を募集していると知り、“そらとぶ さんりんしゃ”、“ママのみぎては まほうのて”に続き、3番目に持ち込んだのが“およげ!たいやきくん”だった。釧路で暮らしていた10歳頃に冬の銭湯帰りに鯛焼きを買って腹巻きに入れた。この経験を練馬で屋台の鯛焼き屋を見て思い出して、釧路の海で鯛焼きを泳がせてやりたいと考えたことが元になったという。

10月、『ひらけ!ポンキッキ』で生田敬太郎が“およげ!たいやきくん”(作詞:高田ひろお/作・編曲:佐瀬寿一)を初披露したところ、リクエストカードやテレビ局へのレコード発売の問い合わせが殺到した。※以下、作詞はすべて高田ひろお

11月末、生田が他のレコード会社と専属契約を結んだため生田ヴァージョンは終了。

12月9日、子門真人へ交代して“およげ!たいやきくん”の放送を再開。

12月25日、子門歌唱で番組からのシングル第二弾としてテレビ局系列のキャニオンレコ―ドより“およげ!たいやきくん”を発売すると大ヒット。オリコン史上初のシングルチャート初登場1位、11週連続1位を記録。翌1976年には第9回全日本有線放送大賞特別賞、第5回FNS歌謡祭最優秀ヒット賞を受賞した。なお、子門が歌ったヴァージョンは2021年3月現在、売り上げ枚数が450万枚とも500万枚ともいわれ、日本で最もレコード売上枚数が多いシングル盤(フィジカル・シングル)とされている。

 

 

1976年6月25日、『ひらけ!ポンキッキ』で使われた楽曲“パタパタママ”(作曲:佐瀬寿一/歌:のこいのこ)がシングル発売。B面の“ホネホネロック” (作曲:佐瀬寿一/歌:子門真人)とともに大ヒットした。なお、作曲家の佐瀬 寿一(させ じゅいち/ 1949年3月30日~)とは学部(佐瀬は芸術学部)が異なるが日大の同窓で、この後も長く一緒に仕事をする。

 

 

 

発表年不明だが、前述後述以外に高田が作詞を手掛けた主な作品を以下に列挙する。

〇“てるてるぼうずがあるいたら”(作曲:佐瀬寿一/歌:竹田のぶあき)

 

〇“おふろのかぞえうた”(作曲:茅蔵人/歌:ビックリ・エレクトリック・カンパニー)※作曲者・歌ともに佐瀬寿一の変名。

 

〇“ジョキジョキ・テーラー”(作曲:茅蔵人/歌:キド・アイ)※作曲者は佐瀬寿一の変名。

 

〇“パンダうさぎコアラ”(作曲:乾裕樹/歌:神崎ゆう子・坂田おさむ)

 

〇“野菜畑の演奏会”(作曲:佐瀬寿一/歌:子門真人)

 

〇“ママの右手は魔法の手”(作曲:佐瀬寿一/歌:なぎらけんいち)

 

〇“そらとぶさんりんしゃ”(作曲:佐瀬寿一/歌:なぎらけんいち)

 

〇“ハッスルばあちゃん”(作曲:佐瀬寿一/歌:のこいのこ)

 

〇“ふしぎなジーパン”(作曲:佐瀬寿一/歌:竹田のぶあき)

 

〇“トランプ村の日曜日”(作曲:佐瀬寿一/歌:竹田のぶあき)

 

〇“オイラのてんきよほう”(作曲:佐瀬寿一/歌:石岡ひろし)

 

〇“サンデーパパ”(作曲:佐瀬寿一/歌:フーコ)

 

〇“ひとりぼっちのスニーカー”(作曲:佐瀬寿一/歌:MOJO)

 

〇“こよみをめくってきしゃがゆく”(作曲:佐瀬寿一/歌:子門真人)

 

〇“牛ちゃんマンボ”(作曲:佐瀬寿一/編曲:伊豆のりお/歌:山崎バニラ)

 

〇“パパとあそぼう”(作曲・歌:五木ひろし) 

 

〇“てるてる坊主はオサムライ”(作曲:佐瀬寿一/歌:小沢亜貴子)

 

〇“千年の樹”(作曲:小林秀雄)NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲

 

〇“青空天使”(作曲:青山八郎/歌:八木美代子)

 

〇“スーパートレインしんかんせん”(作曲:あしざわかずのり/歌:三浦秀美)

 

〇“エアポートエクスプレス” (作曲:関谷雅子/歌:クリップ)

 

〇“ニュートンファミリー”(作曲:佐瀬寿一/歌:のこいのこ)
〇“メガネかけたでめきち”(作曲:佐瀬寿一/歌:堀絢子&シンガーズ・スリー&タイムファイブ)

〇“燃えろ!吠えろ!タイガーマスク”(作曲:幸耕平/歌:古舘伊知郎)

〇“ぼくらの夢をのせて”(作曲・歌:あしざわかずのり)

〇“Dr.イエロー”(作曲:富田伊知郎/編曲:平岩嘉信/歌:MoJo)

この他に歌謡曲も作詞し多くの歌手に提供している。

 


1979年、テレビアニメ『ドラえもん』(テレビ朝日版)初代EDテーマ“青い空はポケットさ”(作曲:菊池俊輔/歌:大杉久美子)を作詞。

 

 

1981年10月2日~1983年11月11日、『ドラえもん』のEDテーマ“まる顔のうた” (作曲:菊池俊輔/歌:大山のぶ代)を作詞。

 

この頃、『ドラえもん』関連楽曲“サンタクロースはどこのひと”(作曲・菊池俊輔・青木望/編曲:青木望/歌:大山のぶ代)を作詞。

 

 

1983年、テレビアニメ『パーマン』(第2期)“パーマンマーチ”(作・編曲:たかしまあきひこ/歌:三輪勝恵・大竹宏・増山江威子・肝付兼太)の作詞を担当。

 

 

1990年7月、絵本『たこやきマントマン はじめてのぼうけんのまき』(作:高田ひろお/絵:中村泰敏)を金の星社から発行。人気を博し、シリーズ化される。

 

10月21日、山本譲二の23枚目シングル“ワッショイまつりっこ”(作曲:佐瀬寿一/編曲:小林信吾)が発売。『ひらけ!ポンキッキ」挿入歌。

 

 

1991年7月、絵本『たこやきマントマン おばけのくにのぼうけんのまき』を出版。

 


1992年7月、絵本『たこやきマントマン やさいばたけのぼうけんのまき』を出版。

 

 

1993年7月21日、特撮オリジナル・ビデオ『スーパーバトル ウルトラマンVS仮面ライダー』が発売。主題歌“戦うために生まれた戦士”(作曲:小林亜星/編曲:鈴木武生/歌:影山ヒロノブ)の作詞を手掛けた。

 

 

1994年2月、絵本『たこやきマントマン にぎやかもりの ぼうけんのまき』を出版。
8月、絵本『たこやきマントマン のんびりおそらのぼうけんのまき』を出版。

 

 

1995年12月、絵本『たこやきマントマン うちゅうのぼうけんのまき』を出版。
 

 

1996年7月、絵本『たこやきマントマン にんじゃじまのぼうけんのまき』を出版。
 

 

1997年11月、絵本『たこやきマントマン クリスマスのぼうけんのまき』を出版。
 

 

1998年4月4日~1999年9月25日、絵本『たこやきマントマン』シリーズを原作としたテレビアニメ『たこやきマントマン』が放送。OPテーマ“たこやきマントマン主題歌”、EDテーマ“カレンダーにまる”(ともに作曲:小杉保夫/編曲:丸山和範/歌:さねよしいさ子)、及び番組内の実写コーナーで使用される、“レッツ! たこやきジェンカ”、“たこやき音頭でパッキュンコ”(ともに作曲:小杉保夫/編曲:丸山和範/歌:さねよしいさ子 with たこやきマントマン)の作詞も自らが手掛けた。

 

 

7月、絵本『たこやきマントマン やしのみじまのぼうけんのまき』を出版。

 

 

1999年7月、絵本『たこやきマントマン マリンランドのぼうけんのまき』を出版。

 

 

2002年4月3日、“およげ!たいやきくん”の続編となる“踊れ!たいやきくん”(作曲:佐瀬寿一)がシングル発売。この曲のために新結成された「たいプリ」(みゆき&サンフラワー/エミ&サンフラワー)という5人組女子ユニットが歌唱を担当した。2002年度年間8位(着信メロディGIGA、童謡・叙情歌部門)。

 

 

2008年、“およげ!たいやきくん”が「日本で最も売れたシングル曲」として『ギネス世界記録2009』への掲載が決定。既にCD発売の問い合わせが殺到していたこともあり、同年3月5日に『ギネス世界記録』掲載記念としてオリジナル盤シングル同様“いっぽんでもニンジン”をB面にしたマキシシングルをポニーキャニオンから発売した。同CDには『ひらけ!ポンキッキ』で放送された同曲のアニメ映像を収めたDVDが付属する。2008年版のDVD付きCDは約5万枚、携帯電話・パソコンの音楽配信では約5万ダウンロードを売り上げた。

 

 

2009年9月2日、子役の加藤清史郎が「加藤清史郎&アンクル☆させ」名義で、シングル“かつおぶしだよ人生は”(作・編曲:佐瀬寿一)をEMIミュージック・ジャパンから発売。NHK『みんなのうた』(2009年8・9月)。なお、作曲者の佐瀬寿一は「アンクル☆させ」として歌にも参加。

 

10月7日、コンピレーション・アルバム『決定盤 ひらけ! ポンキッキ ベスト』が発売。何度も再版を重ね、高田が作詞した70年代の『ひらけ! ポンキッキ』関連楽曲を収録したものとしては現在比較的入手しやすいと思われる。

 

 

2011年8月8日、加藤清史郎のシングル“ぼくとの約束(交通ルール)”(作曲・編曲:佐瀬寿一)を、劇団ひまわり限定販売。警視庁交通事故防止キャンペーン。

 


2013年9月18日、コンピレーション・アルバム『藤子・F・不二雄生誕80周年 ドラえもん 歌の大全集」が発売。

 

10月16日、川中美幸と水谷千重子(友近)のデュエット曲“恋する大阪”(作曲:聖川湧)を作詞。

 

 

2017年11月15日、『およげ!たいやきくん』40周年記念として、CDアルバム『およげ!たいやきくん アニバーサリーベスト』をポニーキャニオンから発売。

 

 

2022年5月18日、コンピレーション・アルバム『レッツ・ゴー! のりものソング〔コロムビアキッズ〕』が発売。“スーパートレインしんかんせん”を収録。

 


長年交友を持つ音楽ディレクターの篠木雅博(しのき まさひろ/1950年~)によると、酒豪ながら飲んでも感情的にならず、飲み代は妻から小遣いとして受け取っており、「奔放な人が多い業界で、高田さんのような人は初めてだった」と記している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「高田ひろお」「たこやきマントマン」

 

 

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