サエキ けんぞう(本名:佐伯 健三[読み同じ]/1958年7月28日~)は、日本のミュージシャン、作詞家、音楽プロデューサー。日本のロックユニット「パール兄弟」のヴォーカルとして活動。作詞家として数々のアーティストに詞を提供している。

 

 

 

1958年7月28日、佐伯健三が生まれる。千葉県市川市出身。5つ上の兄は、日本の国文学者で、青山学院大学文学部日本文学科名誉教授となる佐伯 眞一(さえき しんいち/1953年5月4日-)。

 

幼稚園と小学校時代の同級生に、ニュースキャスターとなる安藤優子がいる。

小学生の頃からロック・マニアとなり、小学5年からディスクユニオンに入り浸った。

千葉大学教育学部附属中学校に進学。

はっぴいえんどのコンサートに行き、大きな影響を受ける。

千葉県立千葉高等学校に進学。

高校時代に、比賀江隆男、石原智広らと、メンバー非固定のバンド「少年・ホームランズ」を結成。後にハルメンズに参加する上野耕路(同じ高校の1年後輩)もサポートメンバーとして参加する。

1978年、1年の浪人の後、徳島大学歯学部に入学。

 

 

1979年、佐伯・比賀江・石原が在籍する少年・ホームランズのデモ・テープ制作に、上野と泉水敏郎のいるパンク・バンド「8 1/2」(ハッカニブンノイチ)が参加したことが契機となり合体、ニュー・ウェーヴ・バンド「ハルメンズ」を千葉で結成する。ラインナップは、佐伯健三(Vo)、上野耕路(Key)、比賀江隆男(G)、泉水敏郎(Ds)、石原智広(B)。


1980年12月、佐伯は大学を休学し、ハルメンズのヴォーカリストとしてアルバム『ハルメンズの近代体操』でビクター音楽産業よりデビュー。ディレクションはムーンライダースの鈴木慶一。

 

 

1981年7月、2ndアルバム『ハルメンズの20世紀』を発売。

 

この年、上野が脱退、戸川純らと「ゲルニカ」の結成に動く。

また、泉水も脱退するなど、ハルメンズの活動は停滞する。



1982年12月29日、戸川純、野宮真貴を加え、ハルメンズの解散ライヴ「ハルメンズの伝説」を目黒鹿鳴館で行う。

バンド解散後、メンバーは分かれて、パール兄弟とヤプーズをそれぞれ結成する。

9月25日、ムーンライダーズの7thオリジナル・アルバム『青空百景』の“青空のマリー”(作詞:佐伯健三・ムーンライダーズ/作曲:白井良明)の詞の原案を手掛ける。

 

12月15日に発売されたムーンライダーズの8thオリジナル・アルバム『MANIA MANIERA』に“バースディ”(作詞:佐伯健三/作曲:白井良明)を作詞提供。

 


1983年、窪田晴男(G)、中原信雄(B)らとニュー・ウェーヴ系ロック・ユニット「パール兄弟」を結成。ユニット名が表す通りメンバーは兄弟であるという設定で、サエキは長男とした。

サエキは当初、本名と同じ漢字表記でミュージシャン活動をしていたが、画数占いにより、カタカナ・ひらかな表記に変更。


1985年1月、中原が脱退。後任ベーシストとして、バカボン鈴木が加入した。

同年、徳島大学歯学部を卒業し、日本大学松戸歯学部補綴学教室に入局(1992年頃まで在局)。

11月21日、PSY・Sの2ndシングル“BRAND-NEW MENU”(作詞:佐伯健三/作・編曲:松浦雅也)を作詞提供。SEIKO「ALBA」CMソング。これ以降、PSY・Sのシングル曲の作詞を多数手掛ける。

 


1986年3月5日、PSY・Sの3rdシングル“Another Diary”(作詞:佐伯健三/作・編曲:松浦雅也)を作詞提供。SEIKO「ALBA」CMソング。

 

11月21日、PSY・Sの4thシングル“Woman・S”(作詞:佐伯健三/作・編曲:松浦雅也)を作詞提供。フジテレビ・関西テレビ系『さんまのまんま』EDテーマ。

 

11月25日、1stシングル“鉄カブトの女”(作詞:サエキけんぞう/作曲:窪田晴男)と1stアルバム『未来はパール』を同時発売して、ポリドール・レコードからパール兄弟としてデビュー。

 

 

 

1987年3月25日、2ndシングル“ケンタッキーの白い女”(作詞:サエキけんぞう/作曲:窪田晴男)と、2ndアルバム『PEARLTRON』を同時発売。

 

 

9月21日に発売されたPSY・Sの6thシングル“Lemonの勇気”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:松浦雅也)を作詞提供。オリジナル・アニメーション・ビデオ『TO-Y』テーマ曲。

 

9月25日、3rdシングル“ヨーコ分解”(作詞:サエキけんぞう/作曲:窪田晴男)を発売。

 

11月25日、1stミニ・アルバム『PEARL & SNOW』を発売。

 

 

1988年2月25日、3rdアルバム『BLUE KINGDOM』を発売。

10月、マネージメント・オフィス「パール兄弟社」設立。

 

 

1989年3月16日、ビデオ・シングル“タンポポの微笑み”(作詞:サエキけんぞう/作曲:窪田晴男)を発売。

 

4月7日、4thアルバム『TOYVOX』を発売。


9月6日、4thシングル“色以下”(作詞:サエキけんぞう/作曲:窪田晴男)を発売。マツダ「ファミリア」CMソング。

9月20日、沢田研二の53枚目シングル“ポラロイドGIRL”(作詞:サエキけんぞう/作曲:奥居香/編曲:吉田建)を作詞提供。オリコン64位。

 

 

1990年5月25日、5thシングル“PANPAKAクルージング”(作詞:サエキけんぞう/作曲:バカボン鈴木)を、移籍したワーナーミュージック・ジャパン / WARNER RECORDSから発売。

 

6月25日、5thアルバム『六本木島』を発売。

 

 

1991年、音楽性の違いからバカボンを「勘当」。

3月25日、西城秀樹の65枚目シングル“Rock Your Fire”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:織田哲郎)を作詞提供。

 

 

1992年2月25日、6thシングル“君にマニョマニョ”(作詞:サエキけんぞう/作曲:松永俊弥)と6thアルバム『大ピース』を同時発売。“君にマニョマニョ”はテレビ東京系バラエティ番組『浅草橋ヤング洋品店』(後の『ASAYAN』)の初代テーマソングで、当時の放送時間帯は火曜21時開始だった。

 

 

 

1993年4月25日、7thアルバム『公園へ行こう』を発売。

 

5月25日、7thシングル“サンデーナイトはin the パーク”(作詞:サエキけんぞう/作曲:サエキけんぞう・鈴木智文)をリカット。フジテレビ系バラエティ番組『大石恵三』OPテーマ。

 

 

1994年、サエキ、窪田、バカボンのユニット「Flip Flop Lover」を結成。

12月7日、8thアルバム『貝殻のドライヴ』を、移籍したアルファミュージックから発売。


1995年、セルジュ・ゲンスブールをリスペクトするイベント「ゲンスブール・ナイト」を開始。

4月1日、ゲンスブール作品のトリビュート・アルバム『ゲンスブール・トリビュート'95』が発売、フランス・ギャルの歌唱で知られる“夢見るシャンソン人形”(日本語詞:サエキけんぞう/作詞・曲:セルジュ・ゲンスブール/歌:細川ふみえ)の日本語カヴァー曲の日本語詞を手掛ける。

 

 

1997年11月3日、「モーニング娘。」のインディーズデビュー・シングル“愛の種”(作詞:サエキけんぞう/作曲・編曲:桜井鉄太郎)の作詞を担当。バラエティ番組『ASAYAN』での「5日間で5万枚手売り達成でメジャーデビュー」企画の課題となった楽曲。本作ではつんくは一切プロデュースに関わっておらず、『ASAYAN』が『浅草橋ヤング洋品店』時代の初代OPテーマ“君にマニョマニョ”を手掛けた縁で、サエキがプロデューサーとして起用された。1店舗で売れたCDの枚数(約1万5000枚)は今でもギネス記録(世界記録)である。

 

 

2000年5月10日、満島ひかりが所属していたアイドルグループ「Folder5」の1枚目シングル“SUPERGIRL”(日本語詞:サエキけんぞう/作詞:トニー=ギバー/作曲:トニー=ギバー・ダニー=サクソン・S.G.P/編曲:緒津大陸)がavex tuneより発売、イギリスの音楽グループ「スーパーガール」(Supergirl)の“恋するスーパーガール”(My Name Is Supergirl)の日本語カヴァーで、サエキはに本腰を担当。ロッテ「ソフ王」CMソング、日本テレビ系『TVおじゃマンボウ』EDテーマ、また本作発売の半年ほど前の1999年秋にフジテレビ系『プロ野球ニュース』のイメージ・ソングとしてオンエアされていた。オリコン28位。

 

5月10日、観月ありさの18枚目シングル“BREAK ALL DAY!”(日本語詞:サエキけんぞう/作詞・曲:Cathy Dennis・H.Rustan・Tor Erik Hermansen・Mikkel Eriksen/編曲:ダンス☆マン)の日本語詞を担当。S Club 7の“Viva La Fiesta”に日本語詞をつけてカヴァーしたもの。観月が主演したフジテレビ系ドラマ『ナースのお仕事3』前期主題歌。オリコン20位。



2003年、フランスでソロ・アルバム『スシ頭の男』を発表。

3月26日、9thアルバム『宇宙旅行』をKAHAKAI RECORDSから発売。

 

 

2006年、パール兄弟が再始動。


2008年、NHK『みんなのうた』で採用された楽曲“光のゲンちゃん”の作詞を担当。

 

 

2009年春よりイベント「TOgether」を継続的に主催するなど、アイドルのプロデュース活動も積極的に始める。


2010年、獨協大学にて「全学総合講座・メディア社会とロック」を講義。2022年現在も講義は継続中。

4~6月に放送されたテレビアニメ『WORKING!!』(第1期)のOPテーマ“SOMEONE ELSE”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:神前暁/歌:種島ぽぷら[阿澄佳奈]・伊波まひる[藤田咲]・轟八千代[喜多村英梨])、EDテーマ“ハートのエッジに挑もう Go to Heart Edge”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:神前暁/歌:小鳥遊宗太[福山潤]・佐藤潤[小野大輔]・相馬博臣[神谷浩史])および“ゴールデン・デイ”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:石濱翔/歌:伊波まひる[藤田咲])の作詞を担当。

 

 

 

10月7日より12月まで、TBS系列で放送されたテレビアニメ『それでも町は廻っている』のEDテーマ“メイズ参上!”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:バカボン鈴木/歌:メイズ[紺双葉〈矢澤りえか〉・嵐山歩鳥〈小見川千明〉・辰野俊子〈悠木碧〉・針原春江〈白石涼子〉])の作詞を担当。

 

10月20日、ハルメンズ関連の作品、サエキけんぞう&Boogie the マッハモータースによるカバー『21世紀さん sings ハルメンズ』、初音ミクとのコラボレーション『初音ミク sings ハルメンズ』、デビュー前に作られたデモ音源を収録したアルバム『ハルメンズの近代体操+8』、スタジオライブ音源を収録したアルバム『ハルメンズの20世紀+8』、野宮真貴(ピチカート・ファイヴ)によるカバー『ピンクの心+2』がビクターエンタテインメントよりCDで発売。


2011年、「ニュー ウェイヴほぼ30周年祭り」公式Ustream番組として、加藤賢崇とともに担当する『けんぞう&けんそうのHELLooニューウェイヴ」(後に「ハロニュー!」に名称変更)が開始。

10月1日~12月24日、テレビアニメ『WORKING'!!』(第2期)のOPテーマ“オープニングテーマ“COOLISH WALK”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:石濱翔/歌:種島ぽぷら[阿澄佳奈]・伊波まひる[藤田咲]・轟八千代[喜多村英梨])、EDテーマ“いつものようにLOVE&PEACE!!”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:岡部啓一 /歌:小鳥遊宗太[福山潤]・佐藤潤[小野大輔]・相馬博臣[神谷浩史])の作詞を担当。

 

 


2012年、獨協大学での講義内容をまとめた著書『ロックとメディア社会』(新泉社刊)により、ミュージック・ペンクラブ音楽賞ポピュラー部門・著作出版物賞を受賞。

2月1日に発売された、声優・歌手である中島愛の通算6枚目シングル“TRY UNITE!/Hello!”の両A面の1曲“TRY UNITE!”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:Rasmus Faber)を作詞提供。テレビアニメ『輪廻のラグランジェ』OPテーマ、KBS京都テレビ『食農教育特別番組』テーマ曲(2012~2014年)。オリコン11位。

 

 

2013年7月10日、「お元気ですか?30th…集合は高円寺!」を高円寺ShowBoatにて開催、一時バンドを離れていた松永、矢代が加わった5人編成でライヴを行った。ラインナップは、サエキけんぞう(Vo)、窪田晴男(G)、バカボン鈴木(B)、松永俊弥(Ds)、矢代恒彦(Key)。今後このメンバーで定期的に活動することを宣言して現在に至る。

 

 

2014年2月26日、千菅春香の3枚目シングル“絶滅危愚少女!”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:北川勝利)を作詞提供。OVA『絶滅危愚少女 Amazing Twins』のOPテーマ。インパクトのあるぶっ飛んだ曲で、歌詞は作品のテーマである双子に因んだフレーズが散りばめられている。

 


2015年、泉水敏郎、吉田仁郎らとバンド「ジョリッツ」を結成。

7月5日~12月26日、テレビアニメ『WORKING!!!』(第3期)のOPテーマ “NOW!!!GAMBLE”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:石濱翔/歌:種島ぽぷら[阿澄佳奈]・伊波まひる[藤田咲]・轟八千代[喜多村英梨])、EDテーマ“まつ毛にLOCK”(作詞:サエキけんぞう/作・編曲:岡部啓一 /歌:小鳥遊宗太[福山潤]・佐藤潤[小野大輔]・相馬博臣[神谷浩史])の作詞を担当。

 

 

 

2016年、「マクロスシリーズ」のSFロボットアニメ『マクロスΔ』第18話EDテーマ“LOVE! THUNDER GLOW”(作詞:サエキけんぞう/作曲:SiZK・Stephen McNair/編曲:SiZK/歌:ワルキューレ[美雲ΔJUNNA・フレイアΔ鈴木みのり])を作詞提供。美雲のメインヴォーカル曲。

 

8月、サエキけんぞう、泉水敏郎、Boogie the マッハモータース、ジョリッツ他から構成されるプロジェクトとして「ハルメンズX」が始動。

9月21日、ハルメンズXとしてアルバム『35世紀』をリリース。アルバムには鈴木慶一(ムーンライダーズ)、野宮真貴、古川未鈴と夢眠ねむ(でんぱ組.inc)、アーバンギャルド、直枝政広(カーネーション)、テンテンコ(元BiS)、リアル3区、AZUMA HITOMIらが参加し、ジャケットアートワークは太田螢一が担当した。ハルメンズのベストアルバム『ハルメンズ・デラックス+11ヒストリー』も同時発売。
11月16日、コンサート「ハルメンズXの伝説」をもってハルメンズXの活動を凍結。


2017年1月、『ハロニュー!』が中断。

 

 

2018年2月7日、「モーニング娘。20th」のミニアルバム『二十歳のモーニング娘。』がアップフロントワークス(zetimaレーベル)より発売。グループのインディーズ・デビュー曲“愛の種”が「20th Anniversary Ver.」(編曲:鈴木俊介)として収録された他、デビュー時のメンバー中澤裕子・石黒彩・飯田圭織・安倍なつみ・福田明日香による歌唱の“タネはツバサ (Wings of the Seed)”(作詞:サエキけんぞう/作曲:桜井鉄太郎/編曲:河野伸)を作詞提供。モーニング娘。20th名義でのCD発売は今作が唯一である。本ミニ・アルバムはオリコンの週間アルバム・チャートで1位、2018年2月度月間アルバム・チャート3位意を記録。

 

4月25日、2ndミニ・アルバム『馬のように』をPearlnet Recordsから発売。

7月28日、サエキのソロ・シングル第一弾“OPEN YOUR DARK featuring ELEKTEL”をリリース。

 

12月28日、ソロ第二弾シングル“太陽は瞼の中に featuring Polymoog”をリリース。

 

 

2019年6月19日、3rdミニ・アルバム『歩きラブ』を発売。

8月11日、ソロ第三弾シングル“魔神theナイト featuring Polymoog”と第四弾シングル“DESERT(廃墟)めぐり featuring polymoog”を同時リリース。

 

12月11日、パール兄弟のサエキけんぞう+窪⽥晴男による異⾊ユニット「⼆⼈パール兄弟」名義で、窪⽥がギター1本でバンドサウンドと対峙する実験的1st アルバム『DELAY』をリリース。

 

 

2020年10月14日、10thアルバム『パール玉』を発売。

 

 

 

2022年、京都芸術大学にて 「サエキけんぞうの詞の歴史&作詞術講座」開講。

同年、polymoogをフィーチャーしたソロ・シングル“DECHNO BOY(デクノボーイ)”、“GET ザ 魂(SOUL)”をリリース。

 

 

2023年7月23日、「サエキけんぞう生誕祭2023」が下北沢Flowers Loftにて開催。

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「サエキけんぞう」「ハルメンズ」「パール兄弟」

 

 

 

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