谷中 敦(やなか あつし/1966年12月25日~)は、日本のミュージシャン、作詞家、俳優。東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックス、フルート、ヴォーカル担当として活動。

 

 

 

東京都日野市出身。

幼少期は科学者になることを夢に見ていた。これは、父親が自らを世界でも5本の指に入る電子顕微鏡の設計技師である、と豪語していた事が影響している。

早稲田大学高等学院卒業後、早稲田大学第一文学部に進学し、哲学を専攻するが、後に除籍。

 


1988年3月、ライヴハウス「新宿JAM」でのイベント「MARCH OF THE MODS」で「東京スカパラダイスオーケストラ」(以下「スカパラ」)がステージデビュー。場内では観客による喧嘩が絶えなかったという。
5月、谷中がスカパラに正式メンバーとして加入、これを機に谷中はバリトンサックスを始めた。
6月、「ブルー・トニック」でメジャー・デビューしていた冷牟田竜之が加入。

同年、スカフレイムス主催のインクスティック芝浦ファクトリーでのイベント「CLUB SKA」に出演。サーモンピンク色のスーツをメンバー全員で揃えた。

同年、クリーンヘッド・ギムラが笠置シズ子のカヴァー“ジャングルブギ”(作詞:黒沢明/作曲:服部良一)で初ヴォーカルを披露。
10月、GAMOを介し、当時既にプロ演奏者として活動していた北原雅彦が加入。
11月22日、六本木インクスティックで初の単独ライヴを行う。
12月、NARGOが加入。このメンバーで“スキャラバン”、“ペドラーズ”、“ジャングルブギ”、そして“キラーストリート・ジャンピン”(初のオリジナル曲、未発表)を収めたデモテープを録音。

 

 

1989年1月18日、フィッシュボーンの来日公演の前座を日本青年館で行う。この頃から口コミにより評判が広がり、動員数も増える。
4月29日、ブルー・トニックの解散ライヴに、NARGO、北原、GAMO、ASA-CHANGが参加。
6月、林昌幸が加入。メジャー・デビュー時のメンバーが揃う。
11月18日、3日間で完成させたファイルレコードからアナログ盤『東京スカパラダイスオーケストラ』をリリース。
 

 

1990年1〜2月、メジャー・デビューに向けてアルバムのレコーディングを実施。
3月30日、新宿ステレオホールにてデビュー記念のコンベンションライヴを行う。このライヴで演奏された“36-22-36”と“妖怪人間ベム”は1991年3月21日発売のライヴ版『東京スカパラダイスオーケストラライブ』に収録。
4月、武内が就職により脱退。
4月21日、1stシングル“MONSTER ROCK”をEPIC/SONY RECORDSから発売してメジャー・デビュー。オリコン54位。

 

5月1日、1stアルバム『スカパラ登場』を発売。オリコン初登場10位を記録。

 

 

1991年6月21日、2ndアルバム『ワールド フェイマス』を発売、オリコン13位。
同年、バンド初となる日本武道館公演(10,000人動員)を成功させる。

 

 

1992年6月、ギターの林が脱退。寺師徹がサポートギタリストとして参加する。
 

 

1993年3月21日、3rdアルバム『PIONEERS』を発売、オリコン21位。
同年、創立者でありバンマスのASA-CHANGが脱退。
7月頃、ギターの寺師徹が加入。
 

 

1994年4月21日、4thアルバム『FANTASIA』を発売、オリコン32位。
 

 

1995年4月23日、クリーンヘッド・ギムラこと杉村英詩が永眠。32歳没。
6月21日、5thアルバム『GRAND PRIX』をリリース。オリオン25位。このアルバムには、小沢健二、キミドリ、石川さゆり、竹中直人、高橋幸宏、スリラーU、ミスティ・オールドランド等がゲスト参加。また、ギムラの病気療養中に制作された。
同年、パーカッションの大森はじめが「ALL JAPAN GRAND PRIX」ツアーからサポートメンバーとして参加。

 

 

1996年元旦のストリートライヴから、大森はじめ(Perc)が正式加入。
同年、冷牟田がワールドツアー中のタイでバイク事故に遭う。
 

 

1997年4月1日、竹中直人出演のTBSバラエティ番組『デカメロン』にレギュラー出演(9月30日まで放送)。
6月17日、日本武道館公演。前年の事故から療養中だった冷牟田が一時復帰。デビュー時に脱退した武内雄平と番組で共演している竹中がゲスト出演する。
 

 

1998年1月17日、ギターの寺師が脱退。
エピックレコードジャパンからavex traxへレーベル移籍。

8月26日、移籍後初となる7thアルバム『ARKESTRA』を発売、オリコン20位。
同年、スカパラ初のヴォーカリストとして、ギムラの実弟である杉村ルイ(ex.ザ・ヘアー)が加入。また、ギターの加藤隆志がサポートメンバーとして参加。

 

 

1999年2月、ヴォーカルの杉村が脱退。
5月2日、ドラムスの青木達之が列車に撥ねられ死亡。自死とされる。
5月中旬からのツアー「荒野を走る」はサポートドラマーとしてBLANKEY JET CITY(当時)の中村達也を招聘し、遂行された。

5月12日、17thシングル“火の玉ジャイヴ”を発売。オリコン51位。

 

8月の「闘魂'99」以降、活動停止中のフィッシュマンズのドラマー茂木欣一がサポートとして参加。
12月12日、フランク・ザッパへのトリビュート・アルバム『meets Frank Zappa』シリーズの『東京スカパラダイスオーケストラ 谷中敦 meets フランク・ザッパ』が発売、谷中は選曲を担当した。谷中はフランク・ザッパ崇拝者でコンピレーション・アルバムもコンパイルしている。

年末、スカパラ(当時まだサポートだった加藤、茂木を含む10人)、Fantastic Plastic Machine、サワサキヨシヒロが集結した総勢14人からなる音楽集団「SPEED KING」が結成され、2000年初頭にかけて活動した。

 

 

2000年7月26日、8thアルバム『FULL-TENSION BEATERS』を発売、オリコン32位。本作は同年にヨーロッパでもリリースし、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダを12日間(ライヴ11本)の海外ツアーを行なう。
同年、サポートギターとして参加していた加藤が正式加入。
同年はメジャーデビュー10周年であったが、前年のメンバーの死去・加入など慌ただしい年だったため、周年記念ライヴなどは行わなかった。
 

 

2001年8月8日、スカパラが楽曲(作詞含む)を準備し、外部から男性ヴォーカリストを招き入れる歌モノ三部作の第一弾として、田島貴男(ORIGINAL LOVE)をフィーチャーしたシングル“めくれたオレンジ”を発売。キリンビール「チューハイ氷結果汁」CMソングに起用され、オリコン35位。外部からヴォーカリストを迎える、いわゆる「歌モノ」はこの時から始まる。なお、本作“めくれたオレンジ”以降、ほぼ全てのヴォーカル曲の作詞を谷中が担当。

 

11月の「Goin' Round The SKA」ツアーから、ドラマー茂木が正式加入。
12月12日、歌モノ三部作の第二弾シングルとして、チバユウスケ(当時:ROSSO)を迎えた“カナリヤ鳴く空”を発売。オリコン17位。2019年公開の映画『人間失格』主題歌に起用された。

 

 

2002年2月14日、歌モノ三部作の第三弾シングルとして、奥田民生がヴォーカルを取った“美しく燃える森”を発売。キリンビール「チューハイ氷結果汁」CMソング。オリコン6位。

 

5月22日、9thアルバム『Stompin' On DOWN BEAT ALLEY』を発売。自身初のオリコンアルバムチャート1位を獲得。

 

6月4日、24thシングル“A Quick Drunkard”を発売、NHK『難問解決!ご近所の底力』テーマ曲、ANB系ドラマ『OL銭道』オープニング・テーマ。

 

 

2003年2月5日、ドラムスの茂木が歌唱する23rdシングル“銀河と迷路”がオリコン9位を記録、他からヴォーカルを招かないスカパラ単独の楽曲としては最高順位を記録した。フジテレビ系ドラマ『美女か野獣』主題歌。

 

3月5日、10thアルバム『HIGH NUMBERS』を発売、オリコン2位。

 

 

2005年3月9日、11thアルバム『ANSWER』を発売、オリコン14位。
同年、ヨーロッパ11か国157公演のツアーを成功させる。

12月14日、ハナレグミ(永積タカシ)をフィーチャーした28thシングル“追憶のライラック”を発売、歌モノシングル3部作その2・第一弾。オリコン23位。

 

 

2006年2月15日、CHARAをヴォーカルに迎えた29thシングル“サファイアの星”を発売、歌モノシングル3部作その2・第二弾。オリコン16位。

 

2006年4月26日、SPEEDSTAR RECORDSから発売された、作詞家の森雪之丞のトリビュート・アルバム『Words of 雪之丞』をプロデュース。

5月10日、甲本ヒロトを迎えた30thシングル“星降る夜に”を発売、歌モノシングル3部作その2・第三弾。オリコン13位。

 

6月7日、12thアルバム『WILD PEACE』を発売、オリコン2位。

 

9月20日、Puffyとのコラボシングル“ハズムリズム”を発売、オリコン15位。

 

 

2007年3月21日、自身3枚目となるベストアルバム『BEST OF TOKYO SKA 1998-2007』を発売、オリコン2位。


 

2008年3月26日、13thアルバム『Perfect Future』を発売、オリコン9位。

7月17日、1996年に受けた事故の傷の療養専念のため、アルトサックスの冷牟田が脱退。

9月24日に発売されたEXILEの28枚目シングル“The Birthday 〜Ti Amo〜”のMVに谷中が美波とともに出演。EXILEとは飲み友達で、楽曲提供もしている。

 

 

2009年2月4日、14thアルバム『PARADISE BLUE』を発売、オリコン7位。

10月7日、31stシングル“KinouKyouAshita”を発売、LIXIL住宅研究所「アイフルホーム」CMソング。オリコン15位。

 

 

2010年1月27日、奥田民生をフィーチャーした32ndシングル“流星とバラード”を発売。オリオン9位。

 

3月10日、15thアルバム『WORLD SKA SYMPHONY』を発売、オリコン9位。
 

 

2011年3月16日、33rdシングル“Break into the Light〜約束の帽子〜/The Sharing Song〜トリコのテーマ〜”を発売、“Break into the Light〜約束の帽子〜”(作曲:沖祐市/編曲:東京スカパラダイスオーケストラ)は東映配給アニメ映画『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』主題歌。シングルは500円のお手頃価格で発売された。オリコン26位。

 

 

2012年3月21日、16thアルバム『Walkin'』を発売、オリコン12位。
11月17日、17thアルバム『欲望』を発売、オリコン20位。

 

 

2013年7月3日、18thアルバム『Diamond In Your Heart』を発売、オリコン15位。
12月4日、34thシングル“閃光 feat. 10-FEET”を発売、25周年スペシャルプロジェクト バンドコラボ第一弾。オリコン13位。

 

 

2014年3月12日、35thシングル“流れゆく世界の中で feat. MONGOL800”を発売、25周年スペシャルプロジェクト バンドコラボ第二弾。オリコン18位。

 

7月2日、36thシングル“Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION”を発売、25周年スペシャルプロジェクト バンドコラボ第三弾。オリコン9位。

 

7月26日、福島県いわき市いわき芸術文化交流館アリオスにて25周年のツアーファイナル公演。ASA-CHANGがゲスト出演し、脱退以来21年ぶりにスカパラとの共演を果たす。

8月13日、19thアルバム『SKA ME FOREVER』を発売、オリコン5位。

 

 

2015年3月28日、日本武道館公演。ゲストに10-FEET、MONGOL800、ASIAN KUNG-FU GENERATION、亀田誠治らが出演する。

7月29日、ヴォーカルに尾崎世界観(クリープハイプ)をフィーチャーした37thシングル“爆音ラヴソング/めくったオレンジ”を発売、オリコン21位。

 

12月9日、片平里菜をヴォーカルに迎えた38thシングル“嘘をつく唇”を発売、オリコン16位。

 

 

2016年6月22日、横山剣をヴォーカリストとするバンド「Ken Yokoyama」とコラボレートした39thシングル“道なき道、反骨の。 feat. Ken Yokoyama”を「東京スカパラダイスオーケストラ feat. Ken Yokoyama」名義で発売。オリコン12位。

 

9月7日、Ken Yokoyamaとのコラボ第二弾となる40thシングル“さよならホテル feat. Ken Yokoyama”を発売、オリコン7位。

 

 

2017年3月8日、20thアルバム『Paradise Has NO BORDER』を発売、オリコン6位。

11月29日、斎藤宏介 (UNISON SQUARE GARDEN)をヴォーカルに迎えた41stシングル“白と黒のモントゥーノ feat. 斎藤宏介 (UNISON SQUARE GARDEN”を発売、オリコン22位。

 

 

2018年2月2日、MAN WITH A MISSIONのデジタルシングル“Freak It!”(作詞:Kamikaze Boy・Jean-Ken Johnny/作曲:Kamikaze Boy/編曲:MAN WITH A MISSION・大島こうすけ・北原雅彦)を「MAN WITH A MISSION feat. 東京スカパラダイスオーケストラ」名義で配信限定にてリリース。テレビ東京系ドラマ25『MASKMEN』オープニングテーマ。オリコン9位。

 

2月21日、峯田和伸(銀杏BOYZ)をヴォーカルにフィーチャリングした42ndシングル“ちえのわ feat. 峯田和伸”を発売、オリコン30位。

 

8月11日、『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO』クロージングアクトとして出演。サプライズも含め、これまでコラボしたヴォーカリストら史上最多の10人:中村達也、奥田民生、チバユウスケ、キヨサク、TOSHI-LOW、ハナレグミ、甲本ヒロト、尾崎世界観、斎藤宏介、峯田和伸がゲスト参加した。

3月14日、21stアルバム『GLORIOUS』を発売、オリコン11位。
9月26日、43rdシングル“メモリー・バンド/This Challenger”を発売、オリコン23位。“メモリー・バンド”の歌詞は、作詞を担当した谷中が関ジャニ∞(当時)の渋谷すばるを思い浮かべて書いたものである。

 

11月28日、宮本浩次(エレファントカシマシ)をヴォーカルに迎えた44thシングル“明日以外すべて燃やせ feat. 宮本浩次”を発売、オリコン12位。2019年11月3日にアナログ盤発売。

 


2019年8月7日、桜井和寿 (Mr.Children)をヴォーカルに招いた45thシングル“リボン feat. 桜井和寿”を発売、キリンビール「ビールはいつも」篇 CMソング。自己最高となるオリコン5位を記録。

 

10月30日、メキシコシティで開催している同地最大の音楽アワード『Las Lunasdel Auditorio2019』にてライヴパフォーマンス賞にノミネートされる。

11月20日、22ndアルバム『ツギハギカラフル』を発売、オリコン5位。

 


2020年3月18日、5枚目となるベストアルバム『TOKYO SKA TREASURES 〜ベスト・オブ・東京スカパラダイスオーケストラ〜』を発売、オリコン4位。

 

3月20日、代々木第一体育館にて行われる予定だった30周年記念公演が新型コロナウイルスの流行により中止。急遽スペースシャワーTVとの協力によるYouTubeでの生配信ライヴ『TOKYO SKA JAM "8"』が行われる。
4月3日、テレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』に出演。aikoとのコラボ曲を披露する。
7月29日、テレビ朝日の特撮テレビシリーズ『仮面ライダーセイバー』の制作発表会見に登壇。同番組の主題歌とエンディングテーマを担当することが発表された。

12月23日、川上洋平 ([Alexandros])をフィーチャリングした46thシングル “ALMIGHTY 〜仮面の約束 feat. 川上洋平”を発売、テレビ朝日系ドラマ『仮面ライダーセイバー』主題歌。オリコン12位。

 


2021年3月3日、23rdアルバム『SKA=ALMIGHTY』を発売、オリコン8位。

 

8月8日、国立競技場(オリンピックスタジアム)で開催された2020年東京オリンピックの閉会式に出演。

 

 

2022年3月9日、47thシングル“君にサチアレ”を発売、映画『ウェディング・ハイ』主題歌。オリコン17位。

 

7月27日、幾田りらをヴォーカルに迎えた48thシングル“Free Free Free feat. 幾田りら”を発売、オリコン23位。

 

12月31日、『第73回NHK紅白歌合戦』のオープニング・テーマを、東京スカパラダイスオーケストラが担当。スカパラが「紅白歌合戦」に出演するのは初めてとなる。

 

 

スカパラの現在のラインナップは、年齢順に、ホーンセクションのリーダー北原 雅彦(きたはら まさひこ/1961年9月7日~/Trb)、GAMO(ガモー/本名:蒲生 俊貴[がもう としき]/1965年1月26日~/テナーSax)、大森 はじめ(おおもり はじめ/本名および旧名義:大森 一/1965年6月29日~/Perc,Vo)、沖 祐市(おき ゆういち/ 1966年9月5日~/ Key,Vo)、作詞担当の谷中 敦(やなか あつし/1966年12月25日~/バリトンSax,Vo)、川上 つよし(かわかみ つよし/本名及び旧名義:川上 毅/ 1967年1月21日~/B)、茂木 欣一(もてぎ きんいち/1967年12月15日~/ Ds,Vo)、NARGO(ナーゴ/本名:名古屋 君義[なごや きみよし]/1968年4月4日~/Tp)、加藤 隆志(かとう たかし/1971年9月20日~/G)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「谷中敦」「東京スカパラダイスオーケストラ」

 

 

(関連記事)