南 こうせつ（みなみ こうせつ/本名：南 高節/1949年2月13日～）は、
日本のフォークシンガー・元かぐや姫のリーダー。
大分県大分市竹中（旧：大分郡竹中村）出身。
大分市（旧：大分郡竹中村）の曹洞宗勝光寺の生まれ。3人兄弟の三男。
寺は次兄・光洋が継ぐ予定だったが早逝したため、現在は東京でサラリーマンをしていた長兄・慧昭（えしょう）が定年退職後に跡を継ぎ、住職を務めている。その長兄は2006年に民教協のドキュメンタリー番組『生きる×2』（大分放送制作）で取り上げられた。なお、竹中と言う地名はかぐや姫の楽曲“ひとりきり”（作詞・曲：南こうせつ）の歌詞にも出てくる。
大分県立大分舞鶴高等学校に入学、後輩の伊勢正三を誘いコーラス部でバンドを結成。
高校卒業後、明治学院大学社会学部に進学するため上京するも、大学はほとんど授業に出ることなく後に中退。
1970（昭和45）年4月1日、シングル“最後の世界 / むなしいうた”で日本クラウンから「南高節」名義でソロ歌手としてデビュー。しかし売れ行きが芳しくなかったため、グループ結成を模索する。
10月25日、同郷の森進一郎、ベース奏者の大島三平と「南高節とかぐや姫」を結成（所謂「第1期かぐや姫」）し、1stシングル“酔いどれかぐや姫”（作詞：阿久悠/作曲：南こうせつ）をリリース、オリコン79位に達する。
認知度を上げるため、所属事務所の指示で全日本歌謡選手権に出場、4週勝ち抜いた翌週、審査員をしていた竹中労に「フォークをやるならこの番組に出るべきでない」と言われ辞退した。
1971（昭和46）年2月5日、「南こうせつとかぐや姫」に改名し、2ndシングル“変調田原坂”（作詞：中山大三/熊本県民謡/編曲：高橋五郎）を発売、オリコン100位に入る。
名前を平仮名表記にしたのは、レコードに印刷された「南高節」という文字を見て近所に住んでいた老人が「私はこの『なんこうぶし』という曲を聴いてみたい」と発言したからだ、と本人が『徹子の部屋』や『TALKゲリラ』で後に説明している。また、小室等がこうせつの持参したデモテープのラベルに「南高節」と書かれていたのを、「なんこうぶし」と読んだというエピソードもある。
6月25日、3rdシングル“ひとり寝のかぐや姫”（作詞：阿久悠/作曲：南こうせつ/編曲：大柿隆）と1stアルバム『レッツ・ゴー! かぐや姫』を同時発売するも、いずれもチャート入りを逃す。
第1期かぐや姫は1年間程で活動を終了。森は地元で銀行員として、大島も地元でイベンターとして働き、南とは別の道を歩む。
同年、高校の後輩で、上京し千葉工業大学に入学したばかりだった伊勢正三（1951年11月13日～）と、カレッジフォークグループ「シュリークス」を脱退した直後の山田パンダ（本名：山田嗣人/1945年5月13日～）とともに、新生「南こうせつとかぐや姫」（第2期かぐや姫）を結成。
9月25日、シングル“青春”（作詞：伊勢正三/作曲：南こうせつ/編曲：大柿隆）で再デビュー。
1972（昭和47）年3月、テレビアニメ『海のトリトン』（朝日放送・TBS系）の主題歌“海のトリトン”（作詞：伊勢正三/作曲：南こうせつ/編曲：小山恭弘）を「須藤リカ／南こうせつとかぐや姫」名義のシングルとして発売。番組のオープニング（最初の6回まで）またはエンディング（7回以降）で、須藤リカとかぐや姫がこの曲を歌う実写映像が使われた。
4月20日、アルバム『はじめまして -かぐや姫フォークセッション- 』を発売。吉田拓郎らの協力を得て制作され、5万枚を売り上げる。オリコンLPチャート（以下「オリコン」）45位。
1973（昭和48）年7月1日、4thシングル“僕の胸でおやすみ”（作詞・曲：山田つぐと/編曲：石川鷹彦）を発売、オリコン72位と初めてオリコン100位以内にチャートイン。「山田つぐと」は山田パンダのペンネーム。
7月20日、アルバム『かぐや姫さあど』を発売、オリコン1位。
9月20日、5thシングル“神田川”（作詞：喜多条忠/作曲：南こうせつ/編曲：木田高介）を発売。深夜放送のリスナーから支持を得て、『かぐや姫さあど』よりシングルカットされた本曲は、最終的に160万枚を売り上げる自己最大のヒット曲となる。この年『NHK紅白歌合戦』に出場の話が来るが、歌詞に登場する「クレパス」が商標であるため「クレヨン」への変更を要請されたことから、出演を辞退。なお、“神田川”は後に東宝により映画化されるが、主役のイメージが歌と大きく違いすぎたと南こうせつは話している。
1974（昭和49）年1月10日、グループ名を「かぐや姫」に変更して、6thシングル“赤ちょうちん”（作詞：喜多条忠/作曲：南こうせつ/編曲：石川鷹彦）を発売。“神田川”の次のシングルとして南こうせつが考えていたのは“22才の別れ”か“なごり雪”であったが、すでに映画化が決まっていたためレコード会社側が一方的に決めた“赤ちょうちん”をリリースした。オリコン4位。
3月5日、アルバム『三階建の詩』を発売、“赤ちょうちん”、“22才の別れ”、“なごり雪”の他、“うちのお父さん”（作詞・作曲・編曲：南こうせつ）収録。オリコン1位。
5月20日、7thシングル“妹”（作詞：喜多条忠/作曲：南こうせつ/編曲：瀬尾一三）を発売。オリコン16位。本曲も映画化の話が絡みシングルに決定された。こうしたアーティストの意思が無視するプロセスでレコード発売が決まるようなことが続き、それが原因で解散が早まったという。
9月15日、ライヴアルバム『かぐや姫LIVE』を発売、オリコン1位。
1975（昭和50）年3月5日、グループ初のベスト盤で、解散前最後のアルバムとなった2枚組『かぐや姫フォーエバー』を発売、オリコンアルバムチャート最高位1位を獲得し、同チャートトップ100に186週ランクインを記録した。
4月12日、東京神田共立講堂で行われた解散コンサートを最後に、かぐや姫は解散。南こうせつと山田パンダはソロ、伊勢正三はフォークデュオ「風」として、各々音楽活動を継続する。
7月15日、解散後「南こうせつ」として1stソロアルバム（LP）『かえり道』を発売し、ソロとして再デビュー。オリコン2位。
1976（昭和51）年2月10日、1stソロシングル“今日は雨”（作詞：喜多条忠/作曲：南こうせつ/編曲：水谷公生）を発売、オリコン21位。
3月5日、2ndソロアルバム『ねがい』を発売。オリコン2位。
3月、日本武道館にて、日本人ソロ・シンガーソングライターとしては初めてのワンマン公演を開催する。
同年5月には追加公演も行われた。
1977（昭和52）年1月25日、2ndソロシングル“愛する人へ”（作詞：岡本おさみ/作曲：南こうせつ/編曲：木田高介）を発売、オリコン29位。
6月5日、3rdソロシングル“夏の少女”（作詞・曲：南こうせつ/編曲：水谷公生）を発売、オリコン32位。
6月25日、3rdソロアルバム『今こころのままに』を発売、オリコン1位。
1978（昭和53）年4月25日、かぐや姫として4thアルバム『かぐや姫・今日』を発売し、期間限定で再結成。オリコン1位。翌月から再結成コンサートで全国を回る。これ以降、時折かぐや姫は限定的な再結成を繰り返す。
10月25日、アルバムからの先行リリースとなった4thソロシングル“夢一夜”（作詞：阿木燿子/作曲：南こうせつ/編曲：石川鷹彦）を発売、本曲は資生堂の「78年冬のキャンペーンソング」に起用され、CMモデルは小林麻美が務めた。オリコン3位。
11月25日、4thソロアルバム『こんな静かな夜』を発売、オリコン1位。
1979（昭和54）年3月5日、5thソロシングル“れくいえむ”（作詞：阿木燿子/作曲：南 こうせつ）を発売、オリコン27位。
9月25日、6thソロシングル“旅立つ想い”（作詞：喜多条忠/作曲：南こうせつ）を発売、オリコン51位。
11月5日、5thソロアルバム『旅立てばそこから男』を発売、オリコン4位。
1980（昭和55）年6月25日、7thソロシングル“海と君と愛の唄”（作詞：阿木燿子/作曲：南こうせつ/編曲：水谷公生）を発売、オリコン50位。
9月15日、8thソロシングル“思い出にしてしまえるさ”（作詞:岡本おさみ,作曲:南こうせつ）を発売。
1981（昭和56）年、キャニオン・レコード「SOH」レーベルに移籍。
3月21日、移籍第一弾となる9thソロシングル“ときめき”（作詞・曲：南こうせつ/編曲：水谷公生）を発売、オリコン97位。
4月25日、6thソロアルバム『MY HEART』を発売、オリコン11位。
夏、オールナイトの野外コンサート「サマー・ピクニック」を熊本で初開催。以降、九州の地で1990年まで10年連続で南が中心となって開催し、多数の観客を集めた。
1982（昭和57）年1月21日、10thソロシングル“美映子”（作詞：岡本おさみ/作曲：南こうせつ/編曲：石川鷹彦）を発売、オリコン31位。
2月21日、7thソロアルバム『ひとりごと』を発売、オリコン12位。
9月5日、11thソロシングル“友ありて”を発売、オリコン73位。
1983（昭和58）年2月21日、12thソロシングル“上海エレジー”（作詞：松本隆/作曲：南こうせつ）を発売、オリコン59位。
1983年3月21日、8thソロアルバム『SEASIDE STORY』を発売、オリコン34位。
6月、フジテレビ系列『ミュージックフェア』にて、ジョン・デンバーとデュエットで“故郷へかえりたい”を歌った。
1984（昭和59）年2月21日、9thソロアルバム『帰郷』を発売、オリコン28位。
3月20日、かぐや姫の9thシングルとして“22才の別れ”（作詞・曲：伊勢正三/編曲：瀬尾一三）を発売、オリコン58位。
10月5日、16thソロシングル“ひとときの別れ”（作詞：山上路夫/作曲：南こうせつ/編曲：水谷竜緒）を発売、オリコン46位。
同年、親交を深めたジョン・デンバーとともに、琵琶湖で行われた「世界湖沼会議」の前夜祭にてライヴを行った。
1986（昭和61）年2月21日、10thソロアルバム『僕は緑の風』を発売、オリコン54位。
1987（昭和62）年6月21日、11thソロアルバム『翔びそこねていた君へ』を発売、オリコン87位。
9月21日、23rdソロシングル“北の旅人”（作詞：庄司明弘/作曲：南こうせつ/編曲：石川鷹彦）を発売、NHK北海道『北海道中ひざくりげ』主題歌。
1990（平成2）年10月3日、ジョン・デンバーとのデュエット・シングル“岩を砕く花のように”（作詞：Joe Henry/訳詞：正司明弘/作曲：John Jarvis）を発売。
1992（平成4）年12月31日、『第43回NHK紅白歌合戦』にソロ歌手として初出場、かぐやひめ時代の代表曲“神田川”を演奏した。紅白には今回を含めソロで5回、後にかぐや姫として1回出場した。
1993（平成5）年12月2日に東京ドームで行なわれたサイモン&ガーファンクルの来日コンサート「Event of a lifetime Tour」東京公演で前座を務めた。その際、こうせつ自身が（自身も尊敬する）「サイモン&ガーファンクルの前座で緊張してんだぞ」と発言、コンサート前のスタジアムを盛り上げる。
1995（平成7）年7月5日、33rdソロシングル“ひと夏のしずく”（作詞：伊勢正三/作曲：南こうせつ/編曲：徳武弘文）を発売、デビュー25周年記念曲。オリコン87位。
1999（平成11）年12月31日、『第50回NHK紅白歌合戦』に「かぐや姫」として初出場、“神田川”を演奏した。
2000（平成12）年10月25日、かぐや姫の再結成に伴う10thシングル“青春の傷み”（作詞：南こうせつ&伊勢正三/作曲：かぐや姫/編曲：Maxi/ストリングスアレンジ：石川鷹彦）を発売、オリコン63位。
2001（平成13）年、古巣の日本クラウン / PANAMに復帰。
7月5日、38thソロシングル“息子”（作詞・曲；南こうせつ）を発売。
2002（平成14）年7月3日、38thソロシングル“あゝ旅の宿”（作詞・曲；南こうせつ）と39thソロシングル“国境の風”（作詞：荒木とよひさ/作曲：南こうせつ/編曲：河合徹三・斎藤ネコ）を発売、後者はオリコン49位に達した。
同年、拉致被害者の蓮池薫が北朝鮮より帰国した直後、自作曲“国境の風”を入れたMDを送り、話題を呼んだ。
2007（平成19）年3月7日、41stソロシングル“恋 はるか”（作詞：喜多條忠/作曲：南こうせつ）を発売、オリコン168位。
9月12日、20thソロアルバム『野原の上の雨になるまで』を発売、オリコン199位。
2009（平成21）年9月、こうせつの還暦記念として、つま恋で「サマー・ピクニック・コンサート」が行われ、約2万人の観客を集めた。
2010（平成22）年6月13日放送の『ザ☆スター』で、杵築の自宅の広大な土地で気に入った樹木を植えて育てている様子が紹介された。仕事を終えて自宅に戻ると、決まってそれらの樹と話をするという。また、家庭菜園にも勤しんでいると紹介された。さらに同番組で、南の歌声を日本音響研究所で分析したところ、通常人には聞こえない超音波の域まで声が出ていることと、風鈴や梵鐘の音にみられるようなゆらぎがあって、聞く者に癒しを与えるという結果が出た。
2011（平成23）年10月5日、ミニソロアルバム『愛よ急げ』を発売、オリコン212位。
2014（平成26）年1月1日、「3B junior」（ももいろクローバーZ ・ 私立恵比寿中学 ・ チームしゃちほこ ・ たこやきレインボー）がリリースした“七色のスターダスト”（作詞：伊勢正三・南こうせつ/作曲：南こうせつ）を提供。
7月2日、ミニソロアルバム『からたちの小径』を発売、オリコン191位。
2015（平成27）年6月10日、ソロシングル“微笑みに出会うために”（作詞・曲：南こうせつ/編曲：佐久間順平）を発売、本人も出演した東和薬品「ワタシの、センタク。」TVCMソングのための書き下ろし。
2019（平成31）年2月13日、ソロアルバム『いつも歌があった』を発売、オリコン81位。
2021年9月8日、ミニアルバム『夜明けの風』を発売、オリコン94位。
（参照）
Wikipedia「南こうせつ」「かぐや姫」
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