雑記 | フランス語発音上達ブログ!

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TOEIC980。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智博士課程在学中の井上がフランス語の発音を上達させるための方法について話します。

この前のエントリーで「徳は孤ならず必ず隣あり」という言葉を書いた時に、兼好法師の「孔子も時に会わず」というツッコミを紹介しました。で、確かに孔子の一生を考えてみると、本当の意味で自分を重用してくれるような君主には会わなかったのだから、そういう意味ではこの「徳は孤ならず必ず隣あり」というのは正しくないのかもしれません。でも、やっぱり僕はこれはいい言葉だなと思うんですよね。



僕自身自分の書いた原稿を出版社に持ち込むと、全く鼻も引っ掛けてくれないところがほとんどなんですが、その中で本の数社ですけど「興味があるからぜひ前向きに検討させてください」という会社があって、で実際その中から本が生まれてくるわけですね。後、例えば塾や学校で教える場所を探すにしても、「こういう条件で働きたい」と自分の条件を書いて送るとほとんど落ちるんですけど、でもその中からほんの数社「ぜひうちで働いて欲しい」という会社が出てきてそこで快適に働けるわけです。で、やっぱりそういう時に、「ああ、本当に徳は孤ならず必ず隣ありだな」とか思うわけです。



まあ、僕のやっていることは徳といえるほどたいしたものでは全くありませんが、ただ実感として感じるのは自分が一生懸命やっていることであれば、それがたいしたものではなくても、理解して価値を認めてくれる人というのは探せば必ずいるということです。



僕らはついつい目の前にある手持ちのカードの中から自分の条件に近いものや自分でも何とかなりそうなものを選び、それでまあなんとなくこんなものかと考えて日常を過ごしてしまいがちなんですけど、でも本気で探せば必ず「これだ!」ってのが出てくるんですよね。孔子自身不遇の日々を送ったからこそ、自分の考えていることを少しでもわかってくれる人が出てくるたびに深く感動して、その結果「徳は孤ならず必ず隣あり」という言葉が生まれたのではないでしょうか。そう考えると、思わず目頭が熱くなります。



ただ、そうやって自分を理解してくれる人に出会うためには、絶対行わなければいけない活動が一つあります。それが、営業です。営業というとどうもいいイメージないですが、考えてみれば釈迦やキリストそして孔子やマホメッドも自分の考え方を人に伝えるために、伝道という名の営業を行ってますよね。自分の考えを世に知らしめたい人にとって、それを伝えるための行動を取るというのはやはり必要不可欠なのでしょう。



じゃあ、なぜ営業のイメージが悪いかというと、これは売るほうの立場から見れば「相手に断られる可能性があるから」、そして買うほうの立場から見れば「相手に無理に交わされる可能性があるから」ということになるんでしょうが、これは共に同じ原因に端を発しています。それが何かというと、売る側が目の前の人に無理やり売りつけようとするということです。



売る側は手持ちのカードの中から一番確率が高そうな人に何とか売ろうとするから、買う側にとっては押し売りされている感じになってしまうし、逆に売る側はそうやって押し売りしようとした結果けんもほろろに断られて傷ついてしまうと。じゃあ、これをどうやって解決すれば言いかというと、やはりこれは先ほどの「「徳は孤ならず必ず隣あり」という言葉を思い出すことに尽きるわけですね。



自分が誠心誠意を込めてやっている限り、たとえ目の前の相手に理解されなくても、わかってくれる人はいるわけです。だから、目の前に断られても全く気にする必要は無いわけです。それどころか、断ってくれる人は逆にありがたい存在になるわけです。なぜかというと、その人が断ってくれるからこそ、自分の徳を認めてくれる人を探すために時間と手間を使えるようになるからです。



ということは、言い換えると、ここでゲームのルールがYesを取ることから、Noを取ることに変わるわけです。でも、実際やってみるとわかるんですけど、このNoを取るというのはYesを取ることに比べてけして簡単な作業ではありません。実際やってみればわかりますけど、ある程度気心の知れた人や自分がよく知ってることだったらYesを取るのはすぐできます。だから、Noを取るためには、自分があまりよく知らない新しい人や事柄に対して取り込まなければいけないわけです。ですから、Noを勝ち取るためには実はかなりの努力が必要なわけです。でも、そうやってNoを勝ち取る努力をしているとだんだん世界が広がってきますし、その結果Yesを言ってくれる人に新しく出会えるになるわけです。



先日僕は人生はクエスト(宝物を求める冒険の旅)だということを書きましたが、僕自身も含めてほとんどの人がこのクエストに踏み出すことが出来ず最初の町で終わってしまうのは、やっぱりそれは最初からYesを勝ち取ろうとするからだと思うんですよね。その結果、常に自分がYesを勝ち取れる範囲でしか行動せず、結局外に出て行くことが出来ないと。この状況を避けるためには、目的をYesを勝ち取ることではなく、Noを勝ち取ることに設定しなおしてとにかく新しいとこに出て行き、それで今まで知らなかった人にあったり見たことも無いようなことを経験して、その結果聖杯を見つけるということにつきるのかなと思います。



だから、僕は今年は年間1000回以上のNoを勝ち取ることを目標にしてがんばろうと思います。