高齢の母とのコミュニケーションは難しい | 井上通訳サービスのブログ

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英語は必要に迫られて使えばすぐ上達します

母の介護をするようになって、初めて、長い間母との関係が上手く行かなかった理由が分かりました。

 

母は、日本人に多い、非論理的、婉曲的、また、目上には黙って従うという人だったのです。

 

ビジネスをバリバリやってきたにもかかわらず。

 

一方私は、若いときから国際交流を活発にやってきたので、論理的思考の人間だと思います。

 

母とのやり取りは論理的にやったのではだめだったのです。

 

婉曲的に感情の手当てをしながら、親に対しては逆らわないという風でなければならなかったのです。

 

めんどくさくて、どうしてよいかわかりません。

 

例えば、

 

母が冷蔵庫からサンドイッチを出してきて置いてあったので、食べるの?と聞くと、冷蔵庫にしまっておいてと言われました。

 

それで私はしまいました。

 

しかし、おなかすいてないの?と聞くと、すいてるよと言います。

 

じゃ、サンドイッチ食べる?と聞くと、

 

あんたが怒っているから要らないとのこと。

 

怒っているんじゃなくて、疲れているんだよ。

 

食べるんなら持ってくるけどと言うと、要らないと言います。

 

もうどうしてよいかわかりません。

 

母との会話は論理てな発想ではだめだと言うのはわかってきています。

 

おそらくは、お腹が空いている気がしてサンドイッチを冷蔵庫から出してみたものの、やっぱりあまり食欲がないというところでしょう。

 

母とのコミュニケーションは本当はどうなのか観察し、分析し、推測しなければなりません。

 

母はさみしいと良く言います。

 

それはそうでしょう。親兄弟ももういませんから。

 

しかし、私は人と接触するのが嫌いなんです。

 

身体的にも精神的にも。

 

人と接すると疲れてたまりません。

 

しかし、家族なのでそれでは薄情ですから、多少は接触するように努力します。

 

髪をとかしてあげたり、着替えを手伝ったり、洗顔手洗いのための桶を持って来たり。。。

 

ただ、自分が疲れて倒れるのは本末転倒なので、余裕のあるときだけにしておきます。

 

毎日、介護で手一杯なのですから。

 

それ以上は余裕がないと無理です。

 

以前、通訳にお伺いした小さな会社の社長さんも母のような感じでした。

 

海外のメーカーの日本の総代理店になりたかったのですが、口では別に総代理店になりたいわけじゃないがとしか言えない方でした。

 

そのまま訳したのでは本音が伝わらないので、総代理店になりたいと外人さんに言いました。

 

結局、総代理店は置かない主義だと言う事がわかり、すっきり納得されました。

 

母とのコミュニケーションは面倒です。

 

母に限らず、日本人の中にはまだ相手に察して欲しいと婉曲的な人が多いです。

 

疲れますが、なんとか合わせてやっていくしかありません。

 

ただ、疲れたときは「さみしいのはわかるけど、もう疲れて疲れてたまらないよ!部屋に行って休まないと倒れちゃうよ!」とハッキリ言います。