息子の話はお休みして、今日はちょっと仕事(のお金)の話。
声優のギャランティの話って、テレビやWeb、いろんなところで語られているので、知っている人も多いかと思いますが。
基本的に、30分のTVアニメ一本のギャラは最低15,000円スタート、というのは有名な話ですね。
そこから、源泉徴収だったり、事務所に所属している人はマネージメント料を引かれた分が、手元に来ます。
この辺もまぁ、知っている人は知っている話でしょう。
それ以外のゲーム、キャラソンなどの歌唱、ラジオ、イベント、ナレーション、舞台、司会業、番組のゲストなど…そして、それ以外のいろーーーーんな、本当に多岐に渡る様々なお仕事のギャラは、人によってバラバラです。
ゲームは1w(=1ワード、つまりセリフ1ブロック)いくら、みたいにそれぞれで決められるので、依頼の際に交渉したりだとか。
「私は〇〇の最低稼働価格は◇◇円なので、それ以下だったらお受けしません」みたいなこともありますし。
クライアントさん側にも予算というものがあるので、大幅にオーバーする人は使えなくなってしまう。
それは仕方のないこと。
故に、いろんなところで調整が行われ、新人が多かったり、一つの事務所の役者さんで固められていたり…。
あ、ひとつの事務所で固められている場合、他にも理由はあるので、上記の理由に当てはまらない場合もありますよ。
事務所がキャスティング権を持ってるから、新人を起用しやすいとか。
イベントをする際、ひとつのところだとスケジュール調整がしやすいとか。
いろいろあります。
それが功を奏することはたくさんありますので。
お金だけの問題じゃないです。
あしからず。
で。
私は2020年4月から2度目のフリーランスになり、自分で依頼メールを返したり何だりしていたわけなんですが……
ギャラ交渉ってむっっっず!!!
自分でギャラを決めるっていうのは、つまり、自分の値段、価値を決めるということじゃないですか。
自身を客観視できる人ならいいと思うんですが、いやーーー、難しい。
私は最初、今のキャリアにしてはかなり低い金額でやってたんですが、それを知った知り合いのスタッフさんや役者さんたちに、安すぎない…?と心配されることもありました。
でも、金額を上げたら上げたで、「その金額ではちょっとうちでは難しいので、またご縁がありましたら…(その後一度も連絡なし)」みたいなのはザラにあるわけですよ。
仕方ないの。
上にも書いたように、予算というものがあるから。
※加筆※
それに、業界の適正価格というものがあるから、私がこのキャリアで下げて、周りの迷惑になってもいけない。
これからフリーでやる後輩たちにアドバイスもできない。
無いとおもうけど、「井ノ上さんがこの価格なら、この人はこれくらいで…」と、よくない方向の基準にならない…とは言い切れない。
※ここまで※
けど、私は私ひとりを支えりゃ良いわけじゃなくて、結婚して子どもがいて、この子の将来や自分たちの老後のことを考えると、恐ろしく安い値段にはできない、でもひとつでも多く仕事がしたい、ああああどうすればいいの私は!!!!となったわけです。
で。
ある時、信頼してる方に相談…というか、「私、これこれこういうことが本当に苦手で、でも、息子のいろんなことを最優先にするためには事務所に所属するのも難しくて…」という話をしたら、「うちでその部分だけでも請け負いましょうか?」と手を差し伸べてくれました。
それが、今お世話になっている株式会社KiNOMEさんです。
声優事務所じゃないのに、声優の窓口をしてくださると。
業務委託という形なので、事務所のように営業をしてくださるわけではないんですが、来た依頼に対して、私じゃ送れないようなちゃんとしたメールを返してくれて、金額の交渉もしてくれて、スケジュールもこちらの予定を優先してくれて。
願ったり叶ったりな状況。
本当に感謝しています。
が。
私、KiNOMEさんに業務委託してますが、個人活動はフリーランスの時と同じようにやっているんですよ。
以前からやっているオンラインサロンの運営も、個人主催のイベントや、グッズの制作なども。
そうなると困ってくるのが、またしても「値段を決める」ということです。
グッズの値段、イベントのチケット代、それを配信した際のチケット代、当日お手伝いしてくれた人へのお礼の金額…
などなど。
なるべく常識はずれな値段にしないようにはしてますが、私はやってもやっても「安いよ!」と言われます。
自分ではそんなつもりないですし、他の人から見ても「妥当じゃない?」と思ってもらえると思う。
でも、熱心に応援してくださってる人たちから「安いよ!」と言われることが多いので、自分で自分の価値を下げてるのかな?と思うこともあります。
ただこれ…井ノ上家あるあるなのかな…って……最近思います
ボードゲームのお店をやっている兄の価格設定、最初は「え!?この金額でやるの!?」と目を疑いました。
物価の高騰により、徐々に金額を上げていってはいますが。
いや、びっくりしました。
妹は最近、自分のハンドメイドアクセサリーのショップでいろいろ販売しています。
先日はデザインフェスタに出店したのですが、通りすがりの方から「え!?0がひとつ足りなくない!?」とか「やすっ!こわっ!」と言われたりもしていました。(文字だと伝わりませんが、否定的な感じではなく、驚きという感じでした)
私も金額を付ける時に相談に乗ったんですが、妹の提示額は私が思うよりも低かったので、少し上げて値段を付けました。
弟はお給料をもらう仕事をしていますし、金銭感覚が一番しっかりしているので、何も心配ございません
と、このように、きょうだい4人中、3人が、自分で値段を付けようとすると低く設定しがちなんですね。
あーもー、こりゃしょうがないわ。
血だわ、血。
長くなりすぎたので、この話は明日に続きます。
明日は具体的な、自主活動の金額のお話。