今日、練馬文化センターで行われたイベント『たまみずきフェスティバル2022』。

このイベントを知ったのは、TwitterのTLで目にしたクラウドファンディングでした。


障がいを持った子供たちとそのご家族、そこで暮らす地域の人たちを結びつける音楽フェスティバル「たまみずきフェスティバル」開催のため、ファンディング中です。


【騒いじゃっても大丈夫、一緒に楽しもう!】をテーマに障がいを持った子供たちとそのご家族、そこで暮らす地域の人たちを結びつける、障がい者(児)とトップクリエイターとのコラボフェスティバル!!

と、こう書かれていたのです。
通常の子ども向けイベントには行けないけど、こういうのなら息子も一緒に楽しめるかも?
と思い、少しでも支えになれたらと応援のためクラファンに参加したのがきっかけでした。
そこから、息子には「今度コンサートを見に行くよ」と伝え、気持ちの準備をしてもらっていました。

そして今日。

ついに当日となり、練馬文化センターへ足を運んだのです。

光弘さんはお仕事でいないので、私と息子の2人きり。
正直、不安でいっぱいでした。
実は息子、2年以上前に似た感じのホールイベントを見に行って開場の時間に大泣き大暴れをし、イベントを一瞬も見ることなく会場を出たという経験があるのです。
その頃は、発達障害ということはわかっていなかったので、単純に「こういうのが苦手なのね」と思っていたんですが。
今にして思えば、音の大きさとか響く感じとかがダメだったんだろうなと。
(開場中だったけど、ステージではオープニングアクト?みたいなのをやっていたのです)

でも今回は、遮音効果のあるイヤーピースも付けているし、音が嫌だったらフード被って耳を塞いでもいいよと、予め声をかけていました。
それに、こういうイベントだから、周りのお子さんも会場を出たり入ったりするだろうから、息子にも「つらかったら外に出られるように端っこに座ろうね」と言って、会場に入った…の、ですが。

その、2年以上前のことを思い出したのか、入口で固まる息子。

いやだいやだいやだ!!

と力を込めて私に訴えます。
けれど、まだ何も始まっていないし、前回と違って優しいBGMしか流れていない。
とりあえず席を確保して、抱っこして落ち着かせてみようと思ったら、

いやだ帰りたいいやああああ!!!

と大絶叫。
こんなに大騒ぎなのは息子だけ。
他のお客さんも、障害を持っている子や保護者の方、施設の職員の方がほとんどだったのですが。
開演前にものすごい勢いで泣いているのは息子だけでした。
そして、そのタイミングで開演前アナウンスが。
その声が聞こえた瞬間、

ぎゃああああああああああ!!!!

と泣き出してしまいました。
これはまずいと思って、荷物と息子を抱きかかえてロビーへ避難。
この興奮状態で外に出たら走り出してしまって危険だと思ったので、とりあえずロビーで落ち着かせることにしました。

泣き止むのを待って、何が嫌だったのかを聞いてみると、

カーテンの色が怖かったんだよ。

と小さな声で言いました。
おそらく、幕のことでしょう。
私からしたら何の変哲もない、よく見るホールの幕です。
でも、息子にはそれがとても嫌だった。
きっと、感覚的なものなんだとは思うのですが。

だんだん落ち着いてきたのと同時に、イベントがスタート。
ロビーには小さなモニターがあり、映像が見えます。
天井のスピーカーからは演奏の音が聞こえてきます。
先ほどまでイヤイヤとしていた息子ですが、始まった途端に映像に釘付け。
音は少し大きかったようですが、耳を塞いで自分で調節していました。



イヤーピース+フード+手。


なんだ…これなら楽しめるんだ…。
という気持ちと。
ここまでしないと楽しめないのか…。
という気持ちで。
何だか苦しくなってしまいました。

でも。





広いロビーで演奏に合わせてくるくると踊る息子。

めっちゃ楽しそうじゃん爆笑

最初は、「こういうイベントなら大丈夫かも」とか「周りの子もきっと自由にする子ばかりだろう」なんて思っていて、すごく期待してしまっていたので、正直悲しい気持ちにもなりました。
この気持ちを押し付けて連れてきてしまった息子にも申し訳ない気持ちになりました。
親のエゴだったと。
でも、息子は息子なりに楽しめていて。
もちろん、最初につらい思いをさせてしまったことは申し訳ないと思うんですが、何が楽しくて何がつらいのか、がまた一つハッキリしたので、行ってよかったと思います。

このイベントは、演奏だけではなく、お話に合わせて描いた子どもたちの絵に、声優さんがお芝居をする「お話絵本のコーナー」があったのですが、その時は少し会場に近づくことができました。
暗いのが怖くて中には入れなかったのですが、スタッフさんが椅子を出してくださって入口の近くで見ることができました。
宍戸留美さん、山口勝平さん、巣山孝幸くん、松本花雪ちゃんの生の演技。
子どもたちはさぞ楽しかったと思います。
息子はお話に感情を大きく動かされて、笑ったり怖がったりと忙しそうでした。

イベント中、何組かは、ホールを出たり入ったり、泣き叫びながらロビーよりも外に出ていったり、などがあったようですが、私が思った以上に皆さん落ち着いて観覧されていたように思います。
結構、年齢が上の子が多かったせいもあるかも?(小〜中学生くらい)
息子の感覚過敏が今後どう変化していくかはわかりませんが、しばらくはこういうイベントは控えて、でも息子が行きたいって言ったら、その時はもっといろいろ対策を立てて、息子の「行きたい」という気持ちを受け止めてあげようと思います。
感覚過敏、他にもいろいろあるのです。
聴覚と嗅覚と味覚は元々、最近は触覚も少し出てきて、今日、視覚過敏もあるなと感じました。
光に対してだけでなく、暗いところが苦手なのも視覚過敏のひとつのようです。
これに関してはまたいつか。

ロビーで息子に写真を撮ってもらいました。



上手に撮れたね!